賃金台帳を作り忘れても、気づいた時点で不足分を速やかに遡って整え、5年間保存できる状態に戻します。事業場ごとに法定事項を補い、臨検で直ちに提示できる体制を整えます。
症状と対象の確認
労働者を雇用しているにもかかわらず、賃金台帳を作成していない状態や記載が不足している状態が対象です。茨城労働局の案内では、使用者は各事業場ごとに法定事項について賃金台帳を作成し、事業場に備え付けなければならないと案内しています。根拠は労働基準法第108条と労働基準法施行規則第54条です。2026年9月12日時点の公式情報で確認しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作成義務 | 事業場ごとに賃金台帳を調製し所定事項を記入する |
| 根拠 | 労働基準法第108条と施行規則第54条第55条 |
| 様式 | 様式第20号が必要事項の最小限度で縦横は問わない |
| 備付け | 事業場に備え付け臨検時に直ちに提示できる状態にする |
記載事項の確認
記載事項は労働基準法施行規則で定められています。佐賀労働局の案内では、氏名や性別や賃金計算期間や労働日数や労働時間数や時間外労働と休日労働と深夜労働の時間数や基本給と手当その他の賃金の種類ごとの金額や労使協定により賃金の一部を控除した場合はその金額が挙げられています。様式は様式第20号です。給与明細を渡しているだけでは賃金台帳を作成したことになりません。
復元に使う資料の確認です
- 給与明細と賃金計算資料で賃金計算期間と種類別金額を裏付けます
- 出勤簿とタイムカードで労働日数と労働時間数を裏付けます
- 休暇申請書と残業命令書で時間外と休日と深夜の実績を裏付けます
- 雇用契約書と労働者名簿で氏名と雇用期間を裏付けます
保存期間の考え方
保存期間は原則5年で、当分の間は3年と案内されています。厚生労働省のスタートアップ労働条件の案内では、労働者名簿や賃金台帳等の労働関係書類の保存期間は労働基準法第109条で5年に延長され、経過措置として当分の間は3年になると案内しています。背景には賃金関係の時効の延長があります。退職金の時効は5年のままで、時効の更新がある場合もあるため、3年を過ぎても書類が必要になる場合があります。全国共通の原則です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 保存対象 | 賃金台帳その他労働関係に関する重要な書類 |
| 保存期間 | 5年間で当分の間は3年 |
| 根拠 | 労働基準法第109条と第143条と第115条 |
| 管理方法 | 期間中は破棄せず必要時に提示できる状態で保管する |
遡及整備の手順
不足している事業場と期間を特定します。事業場ごとに作成が必要なため、本社一括の有無にかかわらず事業場単位で点検します。
給与明細や賃金計算資料と出勤簿やタイムカード等から法定事項を復元します。記憶だけで補わず、記録が残る資料で裏付けます。賃金の支払いの都度記入が原則のため、月ごとに抜けがないか確認します。
様式第20号の考え方で法定事項を追記し、事業場に備え付けます。電子で管理する場合は、画面表示と印字の装置を備え、臨検時に直ちに必要事項を明らかにして写しを提出できる仕組みにします。
作成後は保存期間まで保管し、更新漏れを防ぐ手順を決めます。毎月の賃金計算と連動させ、担当者変更時の引継ぎ項目に入れます。
労基署の臨検への備え
賃金台帳は労働基準監督官の臨検時に閲覧や提出が求められる書類です。佐賀労働局の案内では、法定記載事項を具備し、各事業場ごとに画面表示と印字の措置を講じること、臨検時に直ちに必要事項を明らかにして写しを提出できる仕組みとすることが通達の注意点として案内されています。指導があった場合は速やかに整えて提示します。管轄の労働基準監督署への相談が必要な場合は、事業場を管轄する署へ確認します。
よくある失敗
遡及整備で起きやすい失敗の整理です
- 給与明細だけで足りると誤解し労働日数や時間数の記載が不足します
- 本社分だけ作成し支所や工場など事業場ごとの台帳がありません
- 電子データがあるだけで出力確認をせず臨検で直ちに提示できません
- 保存期間を一律3年と捉え退職金関係や時効更新の扱いを見落とします
よくある質問
作り忘れに気づいたらまず何をしますか
不足している事業場と期間を特定し、給与明細や出勤簿等の資料で法定事項を復元して速やかに整えます。整えた後は事業場に備え付け、保存期間まで保管します。個別事情によって判断が異なるため管轄窓口へご確認ください。
保存期間は5年と3年のどちらで管理しますか
原則5年で当分の間は3年と案内されています。現在の実務では少なくとも3年は確実に保存し、退職金関係や時効更新の可能性も踏まえて破棄は慎重に判断します。
紙ではなく電子管理でもよいですか
法定事項を具備し、画面表示と印字の措置を講じて、臨検時に直ちに提示と写し提出ができる仕組みであれば電子管理も可能です。出力確認まで行います。
公式情報と確認日
厚生労働省の賃金台帳等の保存期間の案内厚生労働省の保存期間の案内ページを開きます茨城労働局の賃金台帳と記録保存の案内茨城労働局の賃金台帳と記録保存の案内ページを開きます当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続きや条件は、管轄する行政機関や自治体や保険者や勤務先などの最新案内をご確認ください。