結論として、レシートを紛失した場合は購入した薬局やドラッグストアに再発行できるか確認し、セルフメディケーション税制の明細書を正確に作成できる状態に戻すことが先決です。国税庁は明細書の添付と5年間の提示対応を求めています。2026年9月6日時点の公式情報で確認しています。
対象となる制度の前提
セルフメディケーション税制は、健康の保持増進および疾病の予防として一定の取組を行っている居住者が、平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に自己または生計を一にする配偶者その他の親族のために特定一般用医薬品等購入費を支払った場合に受けられる医療費控除の特例です。実際に支払った合計額から12,000円を差し引いた金額が控除額で、上限は88,000円です。通常の医療費控除との選択適用で、併せて受けることはできません。選択後に更正の請求や修正申告で変更することはできません。全国共通の原則です。
対象医薬品は、医療用医薬品からOTC医薬品に転用されたスイッチOTC医薬品等です。購入時のレシートに控除対象である旨が表示され、一部の商品パッケージには共通識別マークが掲載されています。具体的な品目一覧は厚生労働省の対象品目一覧で確認します。一定の取組に要した費用自体は控除の対象になりません。
最初に確認する3点
紛失したレシートの再発行可否を確認する前に、次の3点を整理します。
- 残っているレシートや購入履歴で、対象商品と対象外商品の区別ができるか
- 年間の対象購入費の合計が12,000円を超える見込みか
- 一定の取組を証明する書類(健診結果通知表や予防接種済証など)が手元にあるか
紛失物の種類と対応の分岐
| 紛失したもの | 対応 |
|---|---|
| 対象OTCのレシート | 購入店に再発行・購入証明の可否を確認します |
| 一定の取組を明らかにする書類 | 健診機関・勤務先・保険者に再発行の可否を確認します |
| 明細書の作成前 | 金額と対象品目を復元してから明細書を作成します |
| 申告後の提示求め | 5年保存中の再発行記録と明細書の控えで対応します |
回復の手順
購入店でレシートの再発行を確認します。購入日、店舗、商品名、金額が分かるものを持参し、レジの購入履歴から再発行や購入証明書が出せるか相談します。再発行の可否や手数料、所要日数は店舗により異なります。
対象金額と対象品目を復元します。レシートに記載された控除対象の表示や識別マーク、品目一覧で対象か確認し、保険金などで補填される部分を除いた合計から12,000円を差し引いた額を計算します。上限88,000円を超える分は切り捨てます。クレジットカードの利用明細だけでは対象品目の特定ができないため、明細書の根拠にはなりません。
セルフメディケーション税制の明細書を作成します。確定申告書に明細書を添付して所轄税務署へ提出します。令和3年分以後の申告を令和4年1月1日以後に提出する場合は、明細書の添付が必要です。取組書類の添付や提示は不要ですが、5年間は税務署の求めで提示できるよう保存します。
一定の取組書類を整えます。氏名、取組を行った年、保険者・事業者・市区町村・医療機関の名称や医師の氏名の記載があるものに限ります。職場の定期健康診断は勤務先名称、特定健康診査は保険者名の記載が必要です。紛失時は発行元に再発行を相談します。
提出前のチェックリスト
提出直前の確認用チェックリストです。
提出先と5年保存の起算日
申告先は所轄税務署です。確定申告書等作成コーナー、e-Tax、郵送、窓口のいずれかで提出します。領収書は確定申告期限等から5年を経過する日まで、税務署から提示や提出を求められる場合があります。取組書類も同じく5年間の提示対応があります。個別事情によって判断が異なるため、金額の判定や対象可否に迷う場合は管轄の税務署へご確認ください。当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は管轄の行政機関の最新案内をご確認ください。
購入店で再発行を断られたら申告できますか。
再発行で金額と対象品目を復元できない場合は、その年のセルフメディケーション税制の申告は見送ることが安全です。推測で明細書を作らず、翌年以降の保管を徹底します。
通常の医療費控除に途中で切り替えられますか。
できません。同じ年はどちらか一方のみで、選択後の変更は更正の請求や修正申告でもできません。年間の購入実績と取組状況で事前に選びます。迷う場合は通常の医療費控除の要件も確認します。