医療費通知(医療費のお知らせ)は、6項目がすべて記載されている場合のみ、医療費控除の明細書の記載を簡略化する添付書類として使えます。1項目でも欠けていれば、その医療費分は使えず、領収書から医療費控除の明細書を作成して申告し、領収書は確定申告期限等から5年間保存します。

医療費通知が使える条件(6項目が全て必要)

国税庁は、医療保険者が発行する次の6項目が全て記載された医療費通知に限り、医療費控除の明細書の記載を簡略化できるとしています。1つでも記載がない場合は、その医療費通知は明細書の簡略化には使えません。令和4年1月1日以後に令和3年分以後の申告をする場合は、QRコード付証明書や医療費通知情報(XML)も同様に利用できます。

医療費通知に必要な6項目(国税庁 No.1120・No.1119)
番号記載項目確認ポイント
①被保険者等の氏名通知の氏名欄にあなたの氏名があるか
②療養を受けた年月1月〜12月の各年月が記載されているか
③療養を受けた者の氏名受診者本人の氏名が分かるか
④療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称医療機関名が空欄でないか
⑤被保険者等が支払った医療費の額自己負担額が金額で記載されているか
⑥保険者等の名称健康保険組合等の発行者名があるか

手元の通知で不足を確認するチェックリスト

通知を手元に用意して順に確認します。1つでも×があれば、その分は領収書での申告に切り替えます。

6項目が足りない・空欄があるときの分岐

不足の有無による申告方法の分岐

  • 6項目が全て揃っている医療費分:医療費通知を添付して明細書の記載を簡略化できます(領収書の保存は不要です)。
  • 6項目のいずれかが欠けている・空欄がある医療費分:その分は医療費通知を使えません。領収書に基づいて医療費控除の明細書を作成し、確定申告書に添付します。
  • 混在する場合:使える分は通知で簡略化、使えない分は領収書で明細書を作成し、両方を合わせて申告します。

領収書で医療費控除の明細書を作成する手順

領収書を集めて、医療を受けた人・医療機関ごとに、支払った医療費の額と補てん金額(高額療養費や保険金など)を整理します。

国税庁の「医療費控除の明細書」に、領収書の内容を転記します。医療費通知が使えない分は、明細書の「2 医療費(上記1以外)の明細」に記載します。

作成した明細書を確定申告書に添付して、所轄税務署へe-Tax・郵送・窓口のいずれかで提出します。領収書自体の提出は不要ですが、5年間は保存します。

e-Taxで申告するときの3つの提出パターンと保存の違い

令和4年1月1日以後に令和3年分以後の申告をe-Taxで行う場合、医療費通知の取扱いは次のように分かれます。入力で代用する場合と、XMLデータを添付する場合で保存要否が異なります。

e-Taxでの医療費通知の提出パターンと保存要否
提出パターン手続き領収書等の保存
紙の医療費通知を添付(郵送・窓口)通知原本を明細書とともに提出通知で申告した分の領収書保存は不要
医療費通知データ(XML)に電子署名を付してデータ添付保険者の電子署名付きXMLをe-Taxで送信当該データ分の領収書保存は不要
医療費通知の内容を入力して送信(添付に代える)通知に記載の事項をe-Taxに入力して送信5年間自宅等で保存(求められれば提示)
医療費通知情報(マイナポータル連携のXML)を取得して自動入力・データ添付マイナポータル連携で取得したXMLを確定申告書等作成コーナーで添付当該情報分の領収書保存は不要(PDF印刷物は原本でないため保存必要)

マイナポータルの画面やPDFを印刷したものは原本ではないため、参考資料としては使えても正式な添付書類にはなりません。この方法で申告した場合は該当する医療費の領収書を5年間保存してください。

医療費通知に記載のない医療費がある場合

医療費通知に反映されていない医療費(例:自由診療、はり・きゅう、マッサージ、整骨院の柔道整復、立て替え払いの療養費、保険適用外の差額ベッド代など)は、通知に含まれません。マイナポータルの医療費通知情報でも、審査支払機関で取り扱われない情報は表示されないとされています。これらは領収書で明細書を作成してください。補てんされた高額療養費などがある場合は、明細書の補てん金額欄に記載します。

よくある質問

医療機関名が空欄の医療費通知は使えますか?

使えません。④療養を受けた病院等の名称が空欄の医療費分は、明細書の簡略化の対象外です。その分は領収書に基づいて明細書の「2 医療費(上記1以外)の明細」に記載してください。

医療費通知をe-Taxで入力して送信した場合、原本は保存が必要ですか?

入力で添付に代えた場合は、医療費通知と領収書の記載内容を確認するため、確定申告期限等から5年間、税務署から提示・提出を求められることがあります。自宅等で5年間保存してください。XMLデータを電子署名付きで添付した場合は、当該データ分の領収書保存は不要です。

令和7年分の医療費控除はいつまでに申告しますか?

所得税の確定申告期間内に申告します。還付申告は翌年1月1日から5年間可能です。医療費控除の明細書の作成には令和7年4月1日現在法令等の取扱いが適用されます。

提出先と問い合わせ先

提出先は所轄税務署です。確定申告書等作成コーナーからe-Taxで送信するか、印刷して郵送または窓口で提出します。国税に関する相談は国税局電話相談センターをご利用ください。

国税庁 No.1119 医療費控除に関する手続について国税庁 No.1119 医療費控除に関する手続について(6項目と明細書の簡略化)国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)― 医療費通知の定義