電車やバスの通院交通費は、紙の領収書がなくてもICカード履歴や家計簿メモを基に医療費控除の明細書へ記載できます。明細書の「その他の医療費」欄に医療を受けた方・病院ごとに合計し、領収書や記録は自宅で5年間保存します。タクシーや自家用車は扱いが異なるため区別が必要です。2026年9月15日時点の国税庁情報で確認しています。
対象となる通院交通費と対象外の線引き
医師の診療等を受けるために直接必要な通院費は医療費控除の対象です。国税庁のタックスアンサーでは、通院費、送迎費、入院時の部屋代・食事代、通常必要な医療用器具等が例示されています。一方で、タクシー代と自家用車の費用には条件と除外があります。
| 通院手段 | 医療費控除の扱い | 確認点 |
|---|---|---|
| 電車・バスなどの公共交通機関 | 対象です | IC履歴やメモを基に明細書へ記載します |
| タクシー | 公共交通機関が利用できない場合などを除き対象外です | 利用できない事情がある場合に限ります。別記事の条件分岐をご確認ください |
| 自家用車のガソリン代・駐車場料金 | 対象外です | 距離や金額にかかわらず計上できません |
明細書の書き方(その他の医療費・人別と病院別のまとめ方)
医療費控除を受けるには「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付します。領収書の添付や提示は必要ありませんが、税務署から求められた際に提示できるよう自宅で5年間保存します。通院費は「❷医療費(上記❶以外)の明細」に記載し、「医療費の区分」欄の「□その他の医療費」にチェックします。
明細書は領収書1枚ごとではなく、「医療を受けた方」・「病院等」ごとにまとめて記入できます。通院費の支払先が乗り継ぎ等で複数ある場合も、まとめて記入して差し支えありません。国税庁の記載例では、診療費と通院費(JR、バス往復)を分けて合計する方法が示されています。
| 記入欄 | 記入内容の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 医療を受けた方の氏名 | 通院した本人の氏名 | 生計を一にする親族分は人別に分けます |
| 病院・薬局などの支払先の名称 | ○△病院など通院先の名称 | 薬局分とは分けます |
| 医療費の区分 | □その他の医療費にチェック | 診療費と通院費を区別します |
| 支払った医療費の額 | 診療費と通院費の合計額 | 通院費は日付・区間・金額のメモから集計します |
手順1:ICカード履歴と通院日を突き合わせる
手順2:日付・区間・金額・同行の有無を家計簿やメモに残す
手順3:医療を受けた方・病院ごとに通院費を合計し明細書へ記入する
手順4:明細書を確定申告書に添付し記録類を5年間保存する
ICカード履歴と家計簿の残し方
電車やバスでは紙の領収書が発行されないことが通常です。国税庁の明細書の案内は、領収書から必要事項を記入する方法を示していますが、通院費については次の記録を残すと明細書の作成と事後確認がしやすくなります。
通院交通費の記録項目
- 通院日と通院先の病院名
- 利用区間と往復か片道かの別
- 1回分の金額と1年分の合計額
- ICカード履歴の画面保存や利用明細の写し
- 付き添いがある場合は付き添いが必要な事情のメモ
領収書・明細書・保存のルール
医療費の領収書の添付や提示は必要ありません。ただし、明細書の記入内容の確認のため、確定申告期限等から5年間、税務署から領収書の提示や提出を求められる場合があります。IC履歴や家計簿メモも、交通費の内訳が分かる資料として同じ期間は破棄せず保管します。
医療費集計フォームに入力した内容は、確定申告書等作成コーナーで読み込んで反映できます。領収書が多い方や通院回数が多い方は、表計算ソフトでの集計が便利です。セルフメディケーション税制を選択する場合は通常の医療費控除を受けられず、集計フォームも利用できません。
注意点:申告期限を過ぎた場合
よくある質問
ICカード履歴しかありませんが通院交通費は申告できますか?
計上できます。電車やバスの通院費は、紙の領収書がなくても明細書へ記載します。ICカード履歴や家計簿メモから日付・区間・金額を集計し、「その他の医療費」欄に人別・病院別で記入します。記録類は5年間保存し、税務署から求められた際に提示できるようにします。
医療費通知やマイナポータル連携で交通費も自動入力されますか?
代用できません。医療費通知に記載されるのは保険診療等の自己負担額で、通院交通費は含まれません。交通費は明細書の❷の欄へ別途記載します。医療費通知に記載した医療費と重複しないようご注意ください。
自家用車やタクシーの費用も同じ書き方でよいですか?
自家用車のガソリン代や駐車場料金は対象外です。タクシー代は、電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除き対象外です。タクシーを利用した事情がある場合の条件は、国税庁のタックスアンサーと別記事の条件分岐をご確認ください。
当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は、管轄する行政機関、自治体、保険者、勤務先などの最新案内をご確認ください。税務上の取扱いは個別事情により異なるため、国税庁の案内または税務署への確認が必要です。