出産費用でも妊娠後の定期検診・通院費、条件付きのタクシー代、入院中の食事、助産師の分べん介助などは医療費控除の対象です。出産育児一時金などで補てんされた分は差し引き、医療費控除の明細書で所轄税務署へ確定申告します。

対象・対象外の全体像

全国共通の原則です。2026年9月16日時点の国税庁の公式情報で確認しています。正常分娩か異常分娩かだけで一律に決めず、支払内容ごとに対象かを切り分けます。個別事情によって判断が異なるため、迷う点は管轄の税務署へご確認ください。

出産費用の対象・対象外の早見表
費用扱い要点
妊娠後の定期検診・検査・通院費対象妊娠と診断されてからの検診・検査と通院費が対象です
助産師の分べん介助の対価対象助産師による分べん介助は対象です
医師の診療・治療の対価対象診療・治療の対価は対象です
入院中の病院への食事代対象入院費用の一部として支払う食事代は対象です
条件付きのタクシー代条件付きで対象電車・バスが困難でタクシーを使った場合が対象です
身の回り品の購入費対象外寝巻き・洗面具などは対象外です
外食・出前対象外病院食以外の出前・外食は対象外です
里帰りの帰省交通費対象外実家への帰省交通費は対象外です
自家用車のガソリン代・駐車場代対象外自家用車の燃料費・駐車場代は対象外です

対象になる費用の確認

次の費用は医療費控除の対象として集計します。

  • 妊娠と診断されてからの定期検診・検査などの費用と通院費
  • 助産師による分べん介助の対価
  • 医師または歯科医師による診療・治療の対価
  • 病院に支払う入院中の食事代(入院費用の一部として支払うもの)
  • 入院時に電車・バスが困難で利用したタクシー代

対象外の費用の確認

次の費用は医療費控除の対象に含めません。

出産育児一時金などの差引

健康保険組合などから支給される出産育児一時金・家族出産育児一時金、出産費・配偶者出産費などは、医療費控除の計算で医療費から差し引きます。高額療養費・家族療養費・入院費給付金など保険金で補てんされる金額も同様に差し引きます。補てん額は給付目的の医療費を限度に差し引き、引ききれない分を他の医療費から差し引くことはしません。

控除額の計算方法

医療費控除額は、実際に支払った医療費の合計から保険金などで補てんされる金額を差し引き、さらに10万円(総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5パーセント)を差し引いた金額です。上限は200万円です。出産年以外の医療費も同じ年に支払った分は合算し、未払いの医療費は現実に支払った年の対象にします。

確定申告の手順

医療費の領収書から医療費控除の明細書を作り、確定申告書に添付して所轄税務署へ提出します。

1年分の領収書を集め、定期検診・通院・入院・タクシーなどの対象費を分けます。領収書のない通院費は家計簿などで金額を説明できるようにします。

出産育児一時金・高額療養費などの支給額を確認し、対象の医療費から差し引きます。出産手当金は差し引きません。

医療費控除の明細書を作り、確定申告書とともに所轄税務署へ提出します。給与所得者は源泉徴収票を手元に用意します。還付申告は翌年1月1日から5年間できます。

領収書と明細書の保存

医療費の領収書は、確定申告期限等から5年を経過する日まで提示・提出を求められる場合があります。医療保険者から交付された医療費通知がある場合は、明細書の記載を簡略化できます。国税庁の確定申告書等作成コーナーや医療費集計フォームを使うと集計と明細書作成が進めやすくなります。

よくある質問

正常分娩の費用は医療費控除の対象外ですか

一律の対象外ではありません。妊娠後の定期検診・通院費、助産介助、診療対価、入院食事、条件付きタクシー代などは対象です。身の回り品・外食・帰省交通費・自家用車の燃料費などは対象外です。支払内容ごとに切り分けます。

出産育児一時金をもらうと申告できませんか

申告できます。支給額を医療費から差し引いた残額で控除を計算します。出産手当金は差し引きません。支給額が未確定の扱いや明細書の書き方は、管轄の税務署へご確認ください。

相談先

申告先は所轄税務署です。国税の相談窓口や確定申告書等の手引きで様式を確認し、個別事情がある方は事前にご相談ください。当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は管轄の税務署などの最新案内をご確認ください。