2か所以上から給与を受けるときは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を主たる給与の支払者1か所にだけ提出します。従たる給与の支払者には原則として提出しません。年末調整は主たる給与の支払者で行い、年末調整されなかった従たる給与分は確定申告で精算します。

主たる給与と従たる給与の違いを確認する

国税庁のタックスアンサーでは、扶養控除等申告書を提出している人に支払う給与を「主たる給与」、それ以外の支払者が支払う給与を「従たる給与」と案内しています。主たる給与は税額表の甲欄、従たる給与は乙欄で源泉徴収されます。

主たる給与と従たる給与の区分
区分提出する書類源泉徴収年末調整
主たる給与給与所得者の扶養控除等申告書を提出税額表の甲欄主たる給与の支払者が行う
従たる給与原則提出しない。要件に該当するときのみ従たる給与の申告書税額表の乙欄原則対象外。本人が確定申告で精算

手順1 主たる勤務先を決めて扶養控除等申告書を提出する

2か所以上から給与を受けるときは、いずれか一の給与の支払者に対してのみ申告書を提出できます。主たる給与として扱う勤務先を1か所決め、その勤務先に提出します。

その年の最初に給与の支払を受ける日の前日までに提出します。中途就職の場合は、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日までです。記載内容に異動があったときは、異動の日後最初に給与の支払を受ける日の前日までに再提出します。

手順2 従たる給与の申告書が必要かを確認する

主たる給与だけでは扶養控除などの人的控除が控除しきれないと見込まれる人に限り、「従たる給与についての扶養控除等申告書」を従たる給与の支払者に提出できます。該当しない場合は提出しません。

従たる給与の申告書の提出ポイント

  • 提出先は従たる給与の支払者です。申告書は勤務先が保管し、税務署への提出は求められた場合のみ行われます
  • 様式は国税庁サイトの令和8年分・令和9年分のPDFを利用します
  • 非居住者の親族を記載する場合は、その親族に係る親族関係書類を添付します
  • 記載事項に異動があったときは、異動の日後最初に給与の支払を受ける日の前日までに再提出します

手順3 年末調整は主たる給与の支払者1か所で受ける

年末調整は、扶養控除等申告書を提出した主たる給与の支払者が行います。従たる給与は原則として年末調整の対象になりません。2か所で年末調整を受けないよう、従たる勤務先には申告書を重ねて出さないことが大切です。

手順4 従たる給与分は確定申告で精算する

給与を2か所以上から受け、すべて源泉徴収の対象で、年末調整されなかった給与の収入金額と給与・退職以外の所得の合計額が20万円を超えるときは、確定申告が必要です。150万円以下などの例外規定もあるため、該当しそうなときはタックスアンサーの条件を確認します。

確定申告書は国税庁の確定申告書等作成コーナーで、自宅から画面の案内に沿って作成・提出できます。必要な付表や明細書も入力で自動作成されます。

2か所で年末調整を受けてしまった場合の注意点

従たる給与は年末調整の対象外のため、誤って2か所で年末調整を受けた場合は税額が正しく精算されません。この場合は確定申告での精算が必要になるため、国税庁の税についての相談窓口や税務署に相談してください。

従たる給与の源泉徴収は乙欄で行われ、従たる給与の申告書を提出しているときは扶養親族等1人につき月額1,610円、日額表では1人につき50円が差し引かれます。計算は給与の支払者が行うため、自身は申告内容が正しいかを確認します。

必要書類と提出先のまとめ

書類と提出先・期限の一覧
書類提出先期限の目安
給与所得者の扶養控除等申告書主たる給与の支払者1か所その年の最初の給与支払日の前日まで
従たる給与についての扶養控除等申告書従たる給与の支払者(要件該当時のみ)控除を受けようとするとき。異動時は異動日後最初の支払日の前日まで
確定申告書本人が税務署へ(作成コーナー利用可)年末調整されなかった給与等が20万円超のとき

よくある質問

従たる給与の申告書は必ず提出しますか?

いいえ。主たる給与だけでは扶養控除などの人的控除が控除しきれないと見込まれる人だけが対象です。該当しなければ提出しません。提出すると乙欄の税額から扶養親族等の人数に応じた控除が受けられます。

主たる勤務先は収入が多い方にしなければいけませんか?

国税庁の案内では「いずれか一の給与の支払者」とされており、収入順の指定はありません。年末調整や控除の適用をまとめて受けたい勤務先を1か所決めます。迷うときは税についての相談窓口に確認してください。

副業の給与が少額でも確定申告が必要ですか?

2か所以上から給与を受ける条件と、年末調整されなかった給与と他の所得の合計が20万円を超えるかで判定します。少額でも他の所得と合わせて超えれば必要、超えなければ不要です。150万円以下などの例外規定もあるため、タックスアンサーで確認してください。

年の途中で副業を始めたらどうしますか?

記載事項に異動があったものとして、異動の日後最初に給与の支払を受ける日の前日までに、該当の申告書を再提出します。主たる勤務先が変わる場合は、新しい主たる勤務先への提出と従来の勤務先での取扱いを整理します。

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