地震保険料控除証明書を紛失・届かないときは、取扱代理店や保険会社でハガキまたは電子データ(XML)を再発行できます。年末調整に間に合わない場合でも、確定申告・還付申告や法定申告期限から5年以内の更正の請求で控除を取り戻せます。発送時期や団体扱の例外をまず確認し、再発行と申告のどちらが早いかで次の行動を選びます。

まず確認:本当に紛失か、届く時期や発行されないケースか

再発行を依頼する前に、証明書がまだ届く段階か、そもそも発行されない契約かを確認します。東京海上日動の公式案内では、証明書の種類は次のとおり整理されています。

発行形態の確認

  • 新規契約・継続時:保険証券または保険契約継続証に控除証明書を同封して送付されます。Web証券を選択した場合は「ご契約内容の確認方法のご案内ハガキ」に添付されます。
  • 翌年以降の分割払など:当年10月下旬頃に「地震保険料控除証明書ハガキ」が郵送されます。長期一時払は一時払保険料を地震保険期間で除した金額が毎年分として表示されます。
  • 団体扱・集団扱の契約:勤務先の給与所得者の保険料控除申告書で申告されるため、原則として控除証明書は発行されません。一部の金融機関融資物件に関する特約など例外では発行されます。
  • 12月始期の契約で口座振替の場合:初回保険料が翌年1月引落しになるため、証券同封の証明書は控除対象保険料が0円と表示され、翌年10月送付のハガキを翌年の申告で使います。
東京海上日動 地震保険料控除証明書の発行東京海上日動「地震保険料控除証明書の発行」で発行形態と12月始期の注意点を確認する

再発行の2ルート:ハガキ再発行と電子データ

再発行は、保険会社が従来のハガキで行う方法と、電子データで交付する方法の2つがあります。国税庁では平成31年1月以後、書面に代えて電子的控除証明書での交付と、e-Taxや年末調整での電子提出が可能になったと案内しています。どちらも年末調整と確定申告のどちらでも使えます。

ルート1:ハガキでの再発行(取扱代理店・保険会社へ連絡)

損保ジャパンのFAQでは「はい、再発行できます」と明記され、保険料控除証明書発行サービスや電子データでの取得が案内されています。多くの損保会社で共通する手順は次のとおりです。

取扱代理店または保険会社のカスタマーセンターへ連絡し、契約者本人から再発行を申し出ます。住所や契約内容を9月以降に変更した場合は、事前に代理店へ連絡が必要です。

ハガキ再発行か電子データかを選択します。ハガキは数日要する場合があります。電子データは発行サービスからXMLファイル等をダウンロードします。

届いたハガキは原本を勤務先へ提出、電子データはe-Taxの確定申告書等作成コーナーで添付するか、年末調整で勤務先が対応していれば電子提出します。紙が必要な場合はパソコンのQRコード付証明書等作成システムで書面出力も可能です。

再発行の窓口と目安
確認項目内容公式案内のポイント
窓口取扱代理店または保険会社契約者本人が連絡。損保ジャパンFAQで再発行可能と明記
交付形態ハガキまたは電子データ(XML)電子データはe-Tax・マイナポータル連携や年末調整の電子提出で利用可
発行時期10月下旬頃に当年分ハガキ発送。証券同封分は契約時に送付東京海上日動で10月下旬ハガキ、証券同封を案内。12月始期は翌年分に注意
発行されない場合団体扱・集団扱の一部勤務先の保険料控除申告書で処理されるため原則発行なし

ルート2:電子データ(XML)とマイナポータル連携

国税庁の「控除証明書等の電子的交付について」では、生命保険料や地震保険料控除証明書などが電子データで交付され、確定申告書等作成コーナー(e-Tax)や年末調整で電子的に提出できることが示されています。令和2年10月からはマイナポータルから一括取得し、申告書へ自動入力するマイナポータル連携も利用できます。

電子データの使い方

  • 保険会社からXML等の電子的控除証明書をダウンロードする
  • 確定申告の場合:確定申告書等作成コーナーで添付してe-Tax送信する
  • 年末調整の場合:勤務先が電子的控除証明書に対応していれば電子提出する。対応していない場合はQRコード付証明書等作成システムで書面出力して提出する
国税庁 電子的交付について国税庁「控除証明書等の電子的交付について」で電子データとマイナポータル連携を確認する

年末調整と確定申告、どちらで控除を使うか

地震保険料控除は、年末調整と確定申告のどちらかで控除できれば二重に申告する必要はありません。国税庁のタックスアンサーNo.1145では、確定申告書の地震保険料控除欄に記入し、支払金額等を証明する書類または電磁的記録印刷書面を添付するか提示する、ただし年末調整で控除された場合はその必要がないとされています。

申告方法の違い
申告方法記入・提出する書類証明書の扱い提出先
年末調整給与所得者の保険料控除申告書に地震保険料を記入控除証明書(ハガキまたは電子データ)を勤務先へ提出。勤務先が電子対応なら電子提出可勤務先
確定申告確定申告書の地震保険料控除欄に記入控除証明書または電磁的記録印刷書面を添付または提示。e-Taxなら電子添付所轄税務署(e-Tax可)
国税庁 No.1145 地震保険料控除国税庁 No.1145 地震保険料控除で手続きと証明書の扱いを確認する

年末調整に間に合わなかった場合の3つの救済ルート

年末調整の提出期限に証明書が間に合わなくても、控除自体が無効になるわけではありません。次のいずれかで取り戻せます。

救済ルート

  1. 勤務先に再提出を相談:年内に年末調整の再計算が可能か確認します。多くの勤務先では12月上旬が最終期限ですが、間に合わない場合は次の確定申告へ切り替えます。
  2. 確定申告(還付申告)で申告:会社員でも確定申告で地震保険料控除を申告できます。還付申告は法定申告期限から5年以内であれば提出できます。
  3. すでに確定申告を済ませた場合の更正の請求:税額を多く申告していた場合は法定申告期限から5年以内に更正の請求書を所轄税務署へ提出します。e-Taxの更正の請求書・修正申告書作成コーナーまたは書面で手続きできます。
間に合わなかったときの対応比較
状況とるべき手続き期限の目安提出先
年末調整提出前で証明書が届いていない代理店へ再発行を急ぎつつ、間に合わなければ確定申告へ切替年末調整は勤務先指定日まで。確定申告は翌年2/16〜3/15、還付申告は5年以内勤務先→税務署
年末調整で控除を入れ忘れた確定申告で追加申告(還付申告)法定申告期限から5年以内所轄税務署
確定申告で入れ忘れた更正の請求書を提出法定申告期限から5年以内(後発的理由は別途2月以内)所轄税務署
国税庁 更正の請求手続国税庁「更正の請求手続」で5年以内の手続きと提出先を確認する

必要書類と提出方法

申告に必要なもののチェック

提出方法

  • 年末調整:勤務先へ保険料控除申告書と証明書を提出。勤務先が電子対応していれば電子データで提出できます。
  • 確定申告・更正の請求:e-Tax(確定申告書等作成コーナー)で電子送信、または所轄税務署へ郵送・持参で提出します。e-Taxなら本人確認書類の提示・添付は不要です。

問い合わせ先と間に合わないときの相談先

証明書の再発行自体は取扱代理店または保険会社が窓口です。税務上の扱いが不明な場合は、所轄税務署や国税局電話相談センターへ確認します。住所変更や契約内容変更が9月以降にあると証明書の送付先が旧住所になることがあるため、その場合は代理店へ住所更新も併せて連絡します。

よくある質問

証明書を紛失しましたが、コピーや写真では代用できますか?

コピーや写真は正式な証明書とは認められません。再発行されたハガキの原本、または保険会社から交付された正規の電子データ(XML)やQRコード付証明書の印刷書面を使用します。損保ジャパンをはじめ各社は再発行サービスと電子データ交付に対応しています。

10月になってもハガキが届きません。いつまで待ちますか?

翌年以降の分割払の方は10月下旬頃の発送が目安です。発送から1〜2週間過ぎても届かない場合は取扱代理店へ問い合わせます。新規契約時は証券に同封されているため、証券一式をまず確認します。団体扱の契約は原則発行されないため勤務先に確認します。

年末調整に間に合わなかったら、来年の年末調整で2年分まとめて控除できますか?

できません。地震保険料控除は支払った年分の所得から控除します。間に合わなかった年分は、その年分の確定申告(還付申告)で申告します。還付申告や更正の請求は法定申告期限から5年以内が期限です。

電子データがあればハガキは不要ですか?

はい。電子データ(XML)をe-Taxで添付するか、勤務先が対応していれば年末調整で電子提出できます。勤務先が紙のみ対応の場合は、QRコード付証明書等作成システムで書面出力して提出します。国税庁の電子的交付の案内で、書面と電子データのいずれも正式な証明とされています。

まとめ:次の行動

証券同封か10月下旬ハガキかを確認し、見当たらなければ取扱代理店へハガキか電子データでの再発行を依頼します。年内に届けば勤務先の年末調整へ、間に合わなければ確定申告・還付申告で控除を確保し、すでに申告済みなら5年以内の更正の請求を検討します。証明書の控除対象年と支払年を一致させ、住所変更がある方は送付先の更新も忘れずに行います。