固定資産税を2人以上で共有している場合、納税通知書が代表者1人にしか届かず、他の共有者に届かないのは正常な扱いです。地方税法第10条の2の連帯納税義務により、共有者は持分に関係なく全額の納税義務を負い、納税通知書は代表者にまとめて送付されます。代表者を変更したいときは市区町村の資産税課へ指定・変更届を提出し、翌年度課税分から新しい代表者に送付先が変わります。

対象者と前提の確認

この記事は、土地や家屋を夫婦・親子・兄弟などで共有名義にしている方、相続で共有になった方、共有者の1人だけに納税通知書が届いて不安な方を対象としています。令和8年8月24日時点の市区町村の公式情報で確認しています。

前提チェックリスト

  • 固定資産の登記簿上で共有(持分2分の1など)になっている
  • 納税通知書の宛名が「代表者 外◯名様」となっている
  • 他の共有者には別途納税通知書や納付書が届いていない

なぜ代表者だけに届くのか(連帯納税義務)

習志野市と日立市の公式情報によると、共有資産の固定資産税は地方税法第10条の2第1項の規定により、共有者全員が連帯して納税義務を負います。各自の持分割合に応じて按分して課税することはできず、市区町村は納税通知書と納付書を代表者1人にまとめて送付します。したがって、他の共有者に届かないことは不具合ではなく制度上の原則です。支払いは共有者間で協議のうえ納付します。

代表者はどう決まる?選定基準の例

代表者の指定届がない場合、市区町村が登記簿の情報などをもとに職権で代表者を決めます。基準は自治体により異なりますが、習志野市と日立市の例は次のとおりです。

代表者選定の優先例

  • 法人が含まれる場合は法人を優先(習志野市・日立市)
  • 持分割合が多い方(習志野市は2番目、日立市は3番目)
  • その市区町村内に居住している方
  • 世帯主、登記簿に記載されている順序が早い方など

松山市では、単独所有から共有になった場合は元の単独所有者を、既に共有代表者がいる場合はその方を優先するなど、経緯を考慮して決めるとしています。過去の経緯や事前の申出により上記と異なる場合もあります。

届かないのが正常なケースと、確認が必要なケース

正常と確認要の区分
区分具体例対応
正常(仕様)共有者全員でなく代表者にのみ送付代表者が受領し共有者間で共有
正常(仕様)代表者の宛名が「外◯名様」となっているそのまま保管、納付は代表者が行う
確認が必要代表者が引っ越して転送不要で返戻資産税課へ送付先変更の連絡
確認が必要代表者が死亡し相続登記が未了相続人代表者届または共有代表者の再指定が必要

代表者を変更する手続き(翌年度反映)

代表者を変更するには、「共有資産代表者(納税通知書送付先)指定届」または「変更届」を市区町村の資産税課へ提出します。習志野市・日立市・松山市いずれも、翌年度の課税から新しい代表者に送付先が切り替わる仕組みです。当年度の途中で変更しても当年度分は旧代表者に届いたままです。

共有者全員で新しい代表者を協議し、同意を得ます。課税実績がある共有の変更は共有者全員の同意が必要です。

市区町村の公式サイトから「共有資産代表者指定(変更)届」の様式をダウンロードします。習志野市はPDFとWord、松山市はPDFの指定届・変更届を公開しています。

共有者全員の自署、または記名・押印(法人は法人印)を記入します。日立市では新代表者と旧代表者の自署が、松山市では共有者全員の自署または記名押印が必要です。

資産税課へ窓口または郵送で提出します。日立市は窓口・郵送、松山市は理財部資産税課(〒790-8571)への郵送または窓口と案内しています。

翌年度の4月に発送される納税通知書から新しい代表者に届きます。提出期限を過ぎると翌々年度からの反映になる場合があります。

期限はいつまで?自治体で異なる2つのタイプ

同じ「翌年度から反映」でも、期限は市区町村により異なります。公式情報で確認できた例は次のとおりです。

期限の自治体差
市区町村期限反映時期根拠ページ
日立市2月中旬まで4月発送分から新代表者共有資産に係る固定資産税について
松山市12月末まで翌年度から新代表者共有資産の代表者の届出・変更に関する質問
習志野市翌年度課税より(具体日は要問合せ)翌年度課税より共有名義で所有している固定資産の代表者選定基準と変更方法

いずれも登記した年の指定は「登記した年の12月末まで」(松山市)とされているため、共有取得後は早めに届出を検討してください。具体的な期限は必ずお住まいの市区町村の資産税課へご確認ください。全国共通の原則ではありません。

必要書類と提出先

必要書類と提出先
項目内容
様式共有資産代表者(納税通知書送付先)指定届・変更届(市区町村所定)
記入事項共有者全員の住所・氏名・持分・新旧代表者の氏名など(様式により異なる)
署名共有者全員の自署 または 記名・押印(法人は法人印)
提出先土地・家屋の所在する市区町村の資産税課(東京23区は都税事務所)
方法窓口 または 郵送(自治体によりオンライン不可)
手数料無料

オンラインで完結する?

固定資産税の共有代表者変更は、現在のところ多くの市区町村で窓口または郵送が原則です。日立市は窓口・郵送、松山市も窓口・郵送を案内しており、電子申請(eLTAXなど)の対象外です。マイナポータルやe-Taxでは手続きできません。

共有者間での支払いとトラブル防止のポイント

支払いのポイント

  • 納付書は代表者にのみ届くため、代表者が立て替えて共有者間で精算するのが一般的です
  • 持分割合で按分するかは法律で決まっておらず、共有者間の協議によります
  • 代表者が支払わない場合でも他の共有者に全額の納税義務があるため、督促は共有者全員に及ぶ可能性があります
  • 共有者の住所変更や死亡があったときは、速やかに資産税課へ連絡し、必要に応じて送付先変更届や相続人代表者届も提出してください

よくある質問

共有者全員に納税通知書を個別に送ってもらえますか?

できません。地方税法第10条の2の連帯納税義務により、市区町村は代表者1人にまとめて送付します。個別送付や持分ごとの按分請求はできません。

今年の2月下旬に変更届を出しました。今年の4月の納税通知書から新しい代表者に届きますか?

自治体によります。日立市では2月中旬までに提出すると4月発送分から新代表者に切り替わりますが、それを過ぎると翌年度からになります。松山市では12月末が期限で翌年度から反映です。提出時期が遅れた場合は翌年度反映と案内されることがありますので、資産税課へご確認ください。

代表者以外が固定資産税を支払っても大丈夫ですか?

大丈夫です。連帯納税義務のため、共有者の誰が納付しても納税とみなされます。ただし、誰が立て替えたか分かるように領収書を保管し、共有者間で精算方法を決めておいてください。

代表者が亡くなった場合はどうなりますか?

年内に相続登記や相続人代表者届が提出されない場合、市区町村が共有者の中から新たに代表者を職権で決め直します(習志野市)。相続が発生したときは、速やかに法務局での相続登記と市区町村への相続人代表者届の提出をご検討ください。

相談先

手続きの詳細は、土地・家屋が所在する市区町村の資産税課(固定資産税担当)へお問い合わせください。習志野市は資産税課047-453-9245、日立市は資産税課050-5528-5054、松山市は理財部資産税課が窓口です。全国共通の手続きではないため、必ず管轄の市区町村の最新案内をご確認ください。

まとめ

固定資産税の共有では、納税通知書が代表者だけに届くのは制度上の正常な扱いです。代表者を変えたいときは共有者全員の同意を得て、市区町村所定の指定・変更届を窓口または郵送で提出し、翌年度課税から反映させます。期限は日立市のように2月中旬、松山市のように12月末など自治体で異なるため、早めに管轄の資産税課へご確認ください。