家屋を取り壊したのに家屋滅失届を出し忘れると、翌年度もその家屋に固定資産税が課税されます。固定資産税は毎年1月1日(賦課期日)現在の状況で課税されるためです。気づいた時点で市区町村の資産税担当へ連絡し、解体日がわかる書類を添えて遅れて届け出れば、現地確認のうえ翌年度の課税台帳から抹消されます。年の途中で壊しても当年度分は日割にならず全額納付が必要です。
対象者と前提の確認
この記事は、住宅や倉庫などを解体したのに手続きを忘れ、翌年も固定資産税の納税通知書が届いた方、未登記家屋を壊した場合と登記済み家屋を壊した場合の違いがわからない方を対象としています。2026年8月24日時点の市区町村の公式情報で確認しています。
前提チェックリスト
- 家屋の全部または一部を取り壊した(解体業者の工事が完了した)
- 固定資産税・都市計画税の納税通知書に、すでに存在しない家屋が記載されている
- 取り壊し後に法務局での滅失登記または市区町村への家屋滅失届のいずれも提出していない、または提出が年末以降に遅れた
なぜ翌年も課税されるのか 賦課期日1月1日の仕組み
かすみがうら市、新座市、桜川市、杉戸町の公式情報によると、固定資産税・都市計画税は毎年1月1日(賦課期日)現在に存在する固定資産を対象に、その年度(4月から翌年3月)分が課税されます。年の途中で取り壊しても、取り壊した年度分は日割や月割にならず全額課税され、税務課や法務局での手続きが1月1日までに間に合うことで翌年度から課税台帳から抹消されます。届出がないと、市区町村は取壊しの事実を把握できず翌年度も誤って課税する原因になります。
登記済み家屋と未登記家屋で手続きが違う
登記簿に記載されているかどうかで、提出先が分かれます。全国共通の考え方ですが、様式や電子申請の可否は自治体により異なります。
| 区分 | 必要な手続き | 提出先 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 登記済み家屋(法務局に登記あり) | 建物滅失登記の申請 | 法務局(管轄の地方法務局・支局・出張所) | 不動産登記法第57条で滅失から1か月以内が原則(杉戸町) |
| 登記済みだが滅失登記が1月1日までに間に合わないとき | 家屋滅失届を併せて提出 | 市区町村 税務課 資産税担当 | かすみがうら市・桜川市は翌年以降になるときは市にも届出と案内 |
| 未登記家屋(法務局に登記なし) | 家屋滅失届(建物滅失届)の提出 | 市区町村 税務課 資産税担当 | 法務局ではなく市へ直接提出。新座市は現地調査後に台帳取消 |
法務局で滅失登記が完了すると、法務局から市区町村へ通知が入り、市は現地調査を行い課税台帳を抹消します(新座市)。未登記家屋や登記が遅れる場合は、市区町村へ家屋滅失届を出すことで同じく現地確認のうえ翌年度から非課税になります。
出し忘れに気づいたときの最初の確認
確認ポイント
- 最新の納税通知書・課税明細書で、取り壊した家屋の評価額・床面積が残っていないか確認する
- 取り壊し日を証明できる書類があるか確認する(解体業者の証明書、工事領収書、日付入り写真など。かすみがうら市は年末解体で現地確認が年内にできない場合に提出を求めています)
- 登記済みかどうかを確認する(登記事項証明書、固定資産税の課税明細の家屋番号、または法務局への照会)
- 住宅を取り壊した場合、土地の住宅用地特例が外れて翌年土地の税額が上がる可能性があることを把握する(新座市・桜川市・杉戸町)
遅れて提出する手順
家屋所在の市区町村の税務課 資産税担当へ電話または窓口で「家屋を取り壊したのに滅失届を出し忘れ、翌年も課税されている」旨を連絡し、必要な様式と添付書類を確認します。年をまたいでいても受理されます。
登記済み家屋は管轄の法務局で建物滅失登記の申請を行います。杉戸町の案内では不動産登記法第57条により滅失から1か月以内が原則ですが、期限を過ぎても申請は可能です。
市区町村所定の家屋滅失届(建物滅失届)を入手します。桜川市は紙(税務課または総合窓口課)と電子(Logoフォーム)の2ルート、かすみがうら市と杉戸町は窓口・郵送で案内しています。
取り壊し日がわかる書類を添えます。特に12月末前後の解体や、1月1日をまたいで届け出る場合は、解体証明書や領収書、日付入り写真の提出を求められることがあります(かすみがうら市・杉戸町)。
提出後、市区町村職員が現地確認を行い、確認できた場合は翌年度の課税台帳から抹消されます(新座市・桜川市)。当年度分の家屋の税額は還付されませんが、翌年度以降は課税されなくなります。
必要書類と提出先の一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 家屋滅失届の様式 | 市区町村所定の家屋滅失届・建物滅失届(窓口・郵送・自治体により電子申請) |
| 添付書類の例 | 解体業者の工事証明書、工事費用の領収書、取り壊し前後の日付入り写真など |
| 登記済み家屋の追加手続き | 法務局への建物滅失登記申請書(登記事項、滅失日、申請人情報を記載) |
| 提出先(滅失届) | 家屋所在の市区町村 税務課 資産税担当/固定資産税担当 |
| 提出先(滅失登記) | 家屋所在を管轄する法務局(地方法務局 支局・出張所) |
| 手数料 | 家屋滅失届は無料。滅失登記は登録免許税が原則非課税(建物滅失) |
| 提出期限の目安 | 取り壊した年の年末までが原則。1月1日を過ぎても遅れて提出は可能だが、翌年度課税に間に合わない場合がある |
オンラインで完結する?
家屋滅失届は多くの市区町村で窓口または郵送が原則ですが、桜川市のようにLogoフォームによる電子申請を受け付ける自治体もあります。かすみがうら市と杉戸町は紙の提出を案内しており、eLTAXやマイナポータルでは手続きできません。登記済み家屋の滅失登記は法務局への申請が必要で、オンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)または書面で法務局へ提出します。いずれも管轄と様式は必ず所在市区町村・管轄法務局の最新案内でご確認ください。
よくある失敗と注意点
注意点
- 届出を出さないままにすると、翌年度も誤って課税され続け、気づくのが遅れるほど納税通知書での確認が遅れます
- 年の途中の取壊しでも日割・月割還付はありません(新座市・桜川市)。解体年度分の全額は納付が必要です
- 登記済みなのに市区町村への滅失届だけで済ませると、登記簿が残ったままになり将来の相続や売却で支障が出ることがあります。法務局の滅失登記も行ってください
- 未登記家屋は法務局では手続きできないため、必ず市区町村へ家屋滅失届を出してください
- 住宅用地特例の喪失で土地税が上がることを知らず、翌年の納税通知書の増額に驚くケースがあります。事前に資産税担当へ確認してください
相談先
手続きの詳細は、家屋が所在する市区町村の税務課 資産税担当(固定資産税担当)へお問い合わせください。登記に関する手続きは管轄の法務局(地方法務局 支局・出張所)が窓口です。かすみがうら市は税務課資産税担当、桜川市は税務課(大和庁舎)または総合窓口課(岩瀬・真壁庁舎)、杉戸町は税務課資産税担当(内線245・246)が案内窓口です。全国共通ではないため、必ず管轄の最新案内で提出方法と添付書類をご確認ください。
よくある質問
家屋滅失届を出し忘れ、翌年も固定資産税が課税されました。還付されますか?
原則として、取り壊した年度分の家屋の税額は日割・月割にならず還付されません(新座市・桜川市)。ただし、遅れて届け出て現地確認が取れれば、翌年度以降は課税台帳から抹消され課税されなくなります。課税内容に誤りがあると判断された場合は市区町村が職権で更正することがありますので、まずは資産税担当へご相談ください。
12月30日に解体が完了しました。1月1日に間に合いますか?
市区町村が年内に現地確認できない場合、1月1日時点で台帳に残っていると翌年度も課税されることがあります。かすみがうら市は年末の取壊しでは解体業者の証明書や領収書、日付入り写真などで取壊し日の確認を求めています。桜川市は必ず取り壊した年の年末までに手続きをと案内しています。工事が年末にかかる場合は、事前に資産税担当へ連絡し、証明書類を準備して速やかに提出してください。
未登記家屋でも滅失登記は必要ですか?
不要です。未登記家屋は法務局に登記がないため滅失登記の対象外です。市区町村へ家屋滅失届(建物滅失届)を提出し、現地調査による台帳取消しを依頼します(新座市・かすみがうら市)。登記済み家屋は法務局での滅失登記が原則で、間に合わないときは市区町村にも届出を併用します。
家屋を取り壊したら土地の税金も安くなりますか?
逆に上がることがあります。住宅が建っている土地は住宅用地の課税標準の特例で減額されていますが、家屋を滅失すると特例が外れ、翌年度の土地の固定資産税・都市計画税が上がります(新座市・桜川市・杉戸町)。住宅以外の倉庫や付属屋の取壊しでは影響がない場合もあります。詳細は資産税担当へご確認ください。
まとめ
家屋滅失届の出し忘れは、翌年度も家屋に課税される原因になります。固定資産税は1月1日賦課期日の仕組みのため、気づいたら速やかに市区町村の資産税担当へ連絡し、解体日がわかる書類を添えて遅れて提出してください。登記済み家屋は法務局の滅失登記(滅失から1か月以内が原則)も併せて行い、住宅を取り壊した場合は土地の住宅用地特例が外れる点も確認しておくと安心です。手続き方法は自治体で異なるため、必ず家屋所在の市区町村の最新案内をご確認ください。