調書方式に移行済みの金融機関なら、2年目以降の残高証明書が届かないのは正常です。年末調整は税務署から届く『住宅借入金等特別控除申告書』とマイナポータルの年末残高情報で完結します。未移行の場合は従来どおり10月中旬〜下旬に証明書が届き、11月になっても届かないときは借入先へ再発行を依頼します。
この記事でわかること
この記事でわかること
- 残高証明書が届かない2つの分岐(調書方式と証明書方式)の見分け方
- 調書方式の場合の年末調整の進め方とマイナポータル連携の準備
- 証明書方式で届かない・紛失したときの再発行と発送時期の目安
- 適用申請書の提出忘れや繰上返済後の残高相違などの注意点
まず確認:残高証明書が届かない主な原因は2方式の分岐です
令和4年度税制改正で、住宅ローン控除の手続きは従来の『証明書方式』から『調書方式』へ改正されました。ただし経過措置により、全ての金融機関がすぐに移行するわけではなく、対応が完了した金融機関から順次移行します。令和6年1月1日以後に居住を開始した方が対象で、借入先がどちらの方式かで『届かない』意味が変わります。国税庁のよくある質問でこの分岐が説明されています。
| 項目 | 証明書方式(従来) | 調書方式(改正後) |
|---|---|---|
| 証明書の有無 | 金融機関から年末残高証明書が届く | 証明書は届かないのが正常。税務署から年末残高情報が通知される |
| 対象 | 調書方式未移行の金融機関 | 調書方式に移行済みの金融機関(国税庁一覧に掲載) |
| 年末調整で提出するもの | 残高証明書+住宅借入金等特別控除申告書 | 年末残高情報(マイナポータル連携または返済計画表等)+申告書 |
| 事前手続き | 特になし | 金融機関へ『住宅ローン控除の適用申請書』(マイナンバーまたはe-Tax利用者識別番号記載)を提出 |
手順1:借入先が調書方式に対応しているか確認する
国税庁が公表する『調書方式に対応した金融機関の一覧』で借入先を確認します。令和8年7月時点で、みずほ銀行や北洋銀行、千葉銀行など多数の金融機関が令和6年・令和7年から対応を開始しています。掲載されていない場合でも年途中で移行していることがあるため、最終的には借入先のホームページやコールセンターで『調書方式に移行済みか』を確認します。
確認手順
- 国税庁の一覧ページで金融機関名を検索する
- 一覧にあれば調書方式、なければ借入先へ直接確認する
- 調書方式なら『適用申請書』を提出済みかも併せて確認する(未提出ならマイナンバーを記載して提出が必要です)
手順2:調書方式の場合の年末調整の進め方
調書方式では、金融機関が10月31日までに税務署へ年末残高調書を提出し、国税庁から年末残高情報がマイナポータルを通じて通知されます。証明書の添付は不要です。マイナポータル連携を利用するには、居住を開始した年内にe-Taxで『情報取得を希望する』事前準備が必要です。準備が間に合わない方やマイナンバーカードをお持ちでない方は、返済計画表等で残高を自身で確認し申告書に記入します。
調書方式の年末調整チェックリスト
手順3:証明書方式で届かない・紛失したときの再発行
証明書方式の金融機関では、2年目以降は毎年10月中旬〜下旬に『住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書』が発送されます。初年度は翌年1月下旬になることもあります。11月になっても届かない、または紛失したときは借入先金融機関へ再発行を依頼します。金融機関により手続きは異なりますが、電話またはインターネット、窓口で依頼できます。再発行には本人確認書類が必要です。
| 年次 | 発送時期の目安 | 届かないときの目安 |
|---|---|---|
| 2年目以降 | 10月中旬〜下旬 | 11月上旬を過ぎても届かない場合は金融機関へ連絡します |
| 初年度(居住翌年) | 翌年1月下旬 | 2月上旬を過ぎても届かない場合は金融機関へ連絡します |
再発行の依頼手順(例)
- 借入先のコールセンターまたは支店へ連絡し、『年末残高証明書の再発行』を依頼する
- 本人確認(氏名・生年月日・住所・借入番号など)を行う
- 再発行された証明書を勤務先の年末調整へ提出する(紛失前の証明書が見つかっても再発行分を使用します)
注意点・よくある失敗
よくある失敗と対処
- 適用申請書を出し忘れた:調書方式では年末残高情報が通知されません。速やかに金融機関へマイナンバーを記載した適用申請書を提出します。
- マイナポータル連携の事前準備をしていない:居住年内にe-Taxで情報取得希望の手続きが必要です。間に合わなかった場合は返済計画表等で残高を確認します。
- 繰上返済や延滞で残高が変わった:調書提出後の残高変動は金融機関が修正しません。自身で正しい残高で申告します。
- 年の途中で借換えや死亡があった:例外的に証明書方式での対応となることがあります。金融機関と税務署へ確認します。
- 住所変更を届け出ていない:税務署からの申告書や金融機関からの証明書が届きません。転居時は金融機関と税務署へ住所変更を届け出ます。
よくある質問
調書方式なら残高証明書は全く届かなくなりますか?
はい。調書方式に移行済みの金融機関では、年末残高証明書の交付は行われず、税務署からマイナポータル等を通じて年末残高情報が通知されます。証明書が届かないのは手続きが正常に進んでいる証です。従来の証明書を探す必要はありません。
適用申請書にマイナンバーを記載したくない場合はどうなりますか?
原則としてマイナンバーの記載が必要です。記載がないと税務当局から年末残高情報を通知できません。一部の金融機関ではe-Taxの利用者識別番号での代替が認められています。借入先がどちらを求めているか一覧で確認し、e-Tax利用者識別番号をお持ちでない方はe-Taxホームページで取得します。
年末調整に間に合わなかった場合はどうなりますか?
勤務先の年末調整に間に合わなくても、確定申告で住宅ローン控除を受けることができます。調書方式の方はマイナポータルの年末残高情報を、証明書方式の方は再発行された残高証明書を確定申告書に添付して税務署へ提出します。控除期間内であれば翌年以降も申告できます。
公式情報と確認日
本記事は2026年8月21日時点の国税庁の公式情報で確認しています。制度や金融機関の対応状況は変更されることがあるため、最新の情報は国税庁のページと借入先金融機関の案内でご確認ください。手続きの詳細や個別事情については、管轄の税務署または借入先金融機関へお問い合わせください。