年末調整 保険料控除申告書の書き間違いは二重線で訂正できます
結論として、給与所得者の保険料控除申告書を書き間違えたときは、誤った部分を二重線で消し、余白に正しい内容を記入して勤務先へ再提出します。訂正印は令和3年4月1日以降の税制改正により原則不要で、修正液や修正テープは使えません。提出前に気づいた場合は差し替えるだけで完了し、年末調整の計算後に気づいた場合は会社の再計算可否、再計算できない場合は確定申告や更正の請求で精算します。
手続きの概要と対象者
この手続きは、年末調整で生命保険料・地震保険料・介護医療保険料・個人年金保険料・社会保険料・小規模企業共済等掛金の控除を受けるために提出する「給与所得者の保険料控除申告書」の記載ミスを直す手続きです。年の中途で保険契約を変更した、支払額を転記ミスした、家族の保険料を誤って記入したといった場合に使います。会社員・パート・アルバイトなど年末調整の対象者が対象で、申告書はその年最後の給与の支払を受ける日の前日までに勤務先へ提出します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 勤務先(給与の支払者)へ提出。税務署へ直接提出する必要は原則ありません |
| 提出期限 | その年最後の給与等の支払を受ける日の前日まで |
| 訂正後の提出先 | 勤務先へ訂正後の申告書を再提出。年調後に間に合わない場合は確定申告で精算 |
| 証明書の扱い | 生命保険料等と地震保険料、国民年金保険料等の証明書類は訂正後も添付が必要 |
書き間違いの正しい訂正方法
国税庁が案内する税務関係書類の取扱いでは、令和3年4月1日以降、押印義務は原則廃止されています。用紙に押印欄が残っていても押印は不要です。訂正は次の手順で行います。
訂正手順
- 間違えた文字や数字の上に二重線を引く(定規を使うと見やすくなります)
- 余白または正しい欄に正しい内容を記入する
- 訂正印は原則不要です。会社が任意で求める場合を除き、押印欄への押印も不要です
- 修正液・修正テープ・砂消しゴムは使わない(書類の真正性が確認できなくなるため)
- 金額の桁を間違えた場合は、全桁を二重線で消し、正しい金額を記入し直す
欄別|どこをどう直すか
保険料控除申告書は控除の種類ごとに欄が分かれています。欄を間違えると控除額の計算に影響するため、該当する欄だけを直すことが大切です。
| 控除の種類 | 訂正時の確認ポイント | 証明書の要否 |
|---|---|---|
| 一般の生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料 | 新契約・旧契約の区分、正しい支払金額、剰余金・割戻金を差し引いた後の金額 | 旧契約で1契約9,000円超は証明書必要。新・旧・介護医療は全件証明書が必要 |
| 地震保険料・旧長期損害保険料 | 地震保険料と旧長期損害保険料の区分、いずれか一方を選択しているか | 支払額に関係なく証明書が必要 |
| 社会保険料(国民年金・国民年金基金) | 本人または生計を一にする親族が負担し本人が支払ったものか。国民年金等以外の社会保険料は添付不要 | 国民年金保険料等は証明書が必要。他の社会保険料は不要 |
| 小規模企業共済等掛金 | 共済契約の種類、支払った掛金の全額を記入しているか | 全ての掛金について証明書が必要 |
パターン別|気づいたタイミングで対応が変わります
訂正の対応は、会社に提出する前か、提出後か、年末調整の計算が終わった後かで分かれます。年調のやり直しが可能かは会社の締め切りに依存します。
タイミング別対応
- パターン1:会社提出前に気づいた → 二重線で訂正するか、新しい用紙に書き直して提出。証明書類も正しい内容で添付し直す
- パターン2:会社提出後・年末調整計算前に気づいた → 訂正後の申告書を速やかに勤務先へ再提出。担当者が再計算できるか確認する
- パターン3:年末調整の計算後・源泉徴収票作成前に気づいた → 会社が年調の再計算に対応可能か確認。対応可能な場合は訂正後の申告書で再計算を依頼する
- パターン4:源泉徴収票作成後・翌年1月以降に気づいた → 会社での年調再計算は原則不可。自身で確定申告(還付申告または更正の請求)で訂正する。法定申告期限から5年以内に手続き可能
再提出・確定申告で迷わないためのチェックリスト
提出前の最終確認
注意点・よくある失敗
注意点
- 金額を二重線で消さずに上書きする:読み取りエラーの原因になります。必ず二重線で消してから正しい金額を記入します
- 別の欄に記入する:生命保険料の金額を地震保険料の欄に書くなど、欄違いは控除額が正しく計算されません
- 証明書の添付漏れ:年末調整では生命保険料等の証明書、国民年金保険料等の証明書の添付が必要です。電子データで提供する場合は証明書類の記載事項を申告書と併せて提供します
- 家族の保険料を誤って本人の欄に記入する:社会保険料控除は本人または生計を一にする親族が負担し本人が支払った場合が対象です。年金から特別徴収された介護保険料等は年金受給者本人の控除になります
- 提出期限を過ぎてから会社に依頼する:年調の再計算期限は会社ごとに早まることがあります。気づいたらすぐに担当者へ連絡してください
よくある質問
保険料控除申告書の訂正に訂正印は必要ですか?
原則不要です。令和3年4月1日以降、税務関係書類は担保提供等の一部を除き押印義務が廃止され、国税庁は押印欄のある旧様式でも押印は不要と案内しています。ただし、勤務先が社内ルールとして訂正印や再作成を求める場合は、そちらに従ってください。
修正液や修正テープは使えますか?
使えません。二重線で訂正し、正しい内容を記入してください。修正液等で消すと書類の訂正履歴が確認できなくなります。汚れがひどい場合は新しい用紙に書き直すのが安全です。
会社に提出した後に間違いに気づきました。どうすればよいですか?
すぐに勤務先の担当者へ連絡し、訂正後の申告書を再提出できるか確認します。年末調整の計算前であれば差し替えで対応できることがあります。計算後や源泉徴収票作成後は会社での再計算ができないため、翌年の確定申告で保険料控除を正しく申告し直します。確定申告はe-Tax、郵送、税務署窓口で提出でき、法定申告期限から5年以内であれば更正の請求で還付を受けられます。
年末調整ソフトや電子データで訂正する場合はどうなりますか?
年調ソフトで作成した場合は、データを修正して控除額を再計算し、正しい電子データを勤務先へ再提供します。証明書類も電子データで提供している場合は、証明書類の記載事項を含めて再提供します。詳しい操作は勤務先のソフトの案内に従ってください。
公式情報と相談先
訂正方法や提出期限、証明書類の要否は国税庁の一次情報で確認できます。個別の金額計算や確定申告の要否に迷う場合は、国税庁の相談窓口や所轄の税務署へ確認してください。
当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は、勤務先の案内と管轄する税務署、国税庁の最新案内をご確認ください。