育休中で年内に給与の支払いがなければ年末調整の税額精算は不要ですが、在籍中は扶養控除等申告書の提出が必要です。育児休業給付金は非課税で申告書に書きません。世帯で実際にお金が動くのは、働いている配偶者側の配偶者控除・配偶者特別控除です。

対象と前提を確認します

この記事は、育児休業中で会社に在籍しながら、年内の給与が少ないまたはゼロで、年末調整の書類を出すべきか迷っている方向けです。全国共通の所得税の取扱いです。勤務先の提出期限や社内運用は会社により異なります。国税庁の公式情報を2026年9月16日に確認しています。

年内給与の有無で年末調整の扱いが分かれます。
状況年末調整の扱い
年内に給与の支払いが1円でもある扶養控除等申告書を提出し、年末調整の対象になります
年内に給与の支払いがゼロ精算する税額がないため年末調整の計算は不要です
年内に賞与のみある賞与も給与に含まれるため、申告書を提出し年末調整します
年途中で退職し育休後に復職なし中途退職の年末調整対象外が原則です。勤務先へ確認します

まず確認する3点

初めに次の3点を切り分けます。

  • 年内に給与の支払いがあるか。賞与を含むか
  • 扶養控除等申告書を勤務先へ提出したか
  • 育児休業給付金を収入として数えていないか

手順1:年内給与の有無を確認します

給与明細と源泉徴収票の見込みで、1月から12月に支払いが確定した給与を確認します。国税庁は、年末調整の対象となる給与を1月1日から12月31日までに支払うことが確定した給与と案内しています。実際に支払済みか未払いかは区別しません。

年内に給与の支払いがゼロの方は、年末調整で精算する所得税がありません。ただし、在籍中は次の手順2の申告書を提出します。支払いの有無が分からない場合は、勤務先の給与担当へ確認します。

手順2:扶養控除等申告書を提出します

給与所得者の扶養控除等申告書を勤務先へ提出します。国税庁は、年末調整は扶養控除等申告書を提出している一定の人について行うと案内しています。国内で給与を受ける居住者は、配偶者や扶養親族の有無にかかわらず原則として提出が必要です。

手順3:育児休業給付金を収入に含めません

育児休業中に受け取る育児休業給付金や育児休業手当金は、所得税が課されない非課税所得です。年末調整の収入や配偶者控除の所得判定に含めません。申告書の収入金額や所得金額の欄に書き加えないでください。

国税庁の質疑では、傷病手当金と育児休業手当金はいずれも非課税所得と案内されています。出産育児一時金や出産手当金も同様に、年末調整の給与収入には含めません。給付金の支給額は、家計の収入としては増えますが、税の所得としては数えません。

手順4:配偶者側の控除を確認します

育休で収入が減った方の配偶者が働いている世帯では、働いている配偶者側の年末調整で配偶者控除または配偶者特別控除を確認します。育休中の方自身の年末調整では税額は動きませんが、配偶者側の申告で世帯の税額が変わります。

令和8年分の配偶者控除の主な要件です。施行日と年分に注意します。
確認項目内容
控除対象配偶者の合計所得金額62万円以下。給与のみの場合は給与収入136万円以下
納税者本人の合計所得金額1,000万円以下であること。超えると配偶者控除は受けられません
生計を一にすること納税者と生計を一にしている配偶者であること
配偶者特別控除の範囲配偶者の合計所得金額が62万円超133万円以下の場合に検討します
適用時期の注意令和8年12月1日施行分を含みます。令和7年分は58万円以下・給与のみ123万円以下です

育児休業給付金は非課税のため、配偶者の合計所得金額の判定に含めません。年内に育休前後の給与がある場合は、その給与額で判定します。判定に迷う場合は、源泉徴収票の見込みと国税庁の配偶者控除の案内で確認し、勤務先の担当へ相談します。

手順5:勤務先の期限に間に合わせます

勤務先が定める提出期限までに申告書を提出します。産休・育休で出社できない場合は、郵送や社内システムなど勤務先が案内する方法で提出します。期限を過ぎた場合は、勤務先へ速やかに連絡し、年末調整のやり直しができるか確認します。

年末調整に間に合わなかった控除は、確定申告や還付申告で対応できる場合があります。保険料控除や医療費控除など、該当する控除がある方は、申告書の控えと証明書を保管します。

必要書類と提出先

育休中の年末調整で用意する書類です。

注意点・よくあるつまずき

よくある質問

年収0円でも年末調整は必要ですか。

精算する税額がないため年末調整の計算は不要です。ただし、会社に在籍している間は扶養控除等申告書を提出します。提出しないと年末調整の対象になりません。勤務先の案内で提出方法を確認します。

育児休業給付金は申告書に書きますか。

書きません。国税庁は育児休業手当金を非課税所得と案内しています。年末調整や配偶者控除の所得判定にも含めません。年内の給与のみで判定します。

育休中の配偶者は配偶者控除の対象になりますか。

令和8年分では、配偶者の合計所得金額62万円以下などの要件を満たせば対象になります。給与のみの場合は給与収入136万円以下が目安です。育児休業給付金は含めません。要件を超える場合は配偶者特別控除を検討します。納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると対象外です。

まず年内給与の有無を確認し、在籍中は扶養控除等申告書を期限までに提出します。給付金は非課税として除外し、配偶者が働いている世帯では配偶者側の控除を確認します。不明な点は勤務先の担当または国税庁の相談窓口へご確認ください。当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は管轄する行政機関などの最新案内をご確認ください。