結論:法定調書は種類ごとに前々年の提出枚数が30枚以上なら、2027年1月1日以後に提出する分からe-Tax・光ディスク等・認定クラウド等での提出が義務になります。2026年12月31日までに提出する分は100枚以上が基準です。判定は法定調書の種類ごとで、合計ではありません。

手続きの概要

法定調書は、給与や報酬・不動産使用料などを誰にいくら支払ったかを税務署に報告する書類です。給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票、報酬・料金等の支払調書、不動産の使用料等の支払調書など、種類ごとに提出が求められます。一定枚数を超えると、紙ではなくe-Tax等での提出が義務化されています。2026年8月28日時点の公式情報で、2027年からの変更点を中心に整理します。

誰が対象?30枚と100枚の判定はいつ・何で決まる

対象は、法定調書の種類ごとに前々年に提出すべきであった枚数が基準を超えた事業者です。個人・法人を問わず、給与を支払う事業者や不動産使用料等を支払う事業者が該当します。

基準の変遷と判定
適用期間義務基準(種類ごと)判定に使う枚数
令和8年12月31日以前に提出する分100枚以上前々年に提出すべきであった枚数
令和9年1月1日以後に提出する分30枚以上前々年に提出すべきであった枚数

判定のポイント

  • 前々年で判定します。例えば令和7年1月に提出した報酬等の支払調書が30枚以上なら、令和9年1月に提出する同種類の調書はe-Tax等が義務です。
  • 種類別に判定します。給与所得の源泉徴収票が30枚以上でも、報酬等の支払調書が10枚なら報酬の方は義務ではありません。
  • 合計枚数ではありません。国税庁タックスアンサーNo.7455で種類ごとに判定すると明記されています。

2027年1月から何が変わる?100枚から30枚への引下げ

従来は前々年100枚以上で義務でしたが、税制改正により令和9年1月1日以後は30枚以上に引き下げられます。中小企業でも対象になるケースが大幅に増えます。e-Taxの概要ページでも、令和3年から100枚、令和9年から30枚と段階的に規定されています。紙での提出を続けていた事業者は、電子提出への切替え準備が必要です。

提出方法は3つ:e-Tax・光ディスク等・認定クラウド等

義務対象になった場合、次のいずれかの方法で提出します。いずれも所轄税務署への提出ですが、経路が異なります。

提出方法の比較
方法使うもの特徴
e-Tax(電子申告)e-Taxソフト/e-Taxソフト(WEB版)インターネットで送信。インストール不要のWEB版は9種類の法定調書に対応。送信制限は分割で対応できます。
光ディスク等CD・DVDなど大量の調書を1枚に収録。本店等で一括提出が可能です。規格は国税庁の案内に準拠します。
認定クラウド等国税庁長官認定のクラウドクラウドサービスを経由して提出します。認定状況は国税庁の案内で確認します。

e-Taxソフト(WEB版)で作成できる主な法定調書

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
  • 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書(基金用を含む)
  • 不動産の使用料等の支払調書、不動産等の譲受けの対価の支払調書、不動産等の売買等のあっせん手数料の支払調書
  • 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表、支払調書等合計表付表(e-Tax提出分)

承認申請書は令和5年4月1日以降不要になりました

以前は、義務対象外の方が任意で光ディスク等を使う場合に「支払調書等の光ディスク等による提出承認申請書」が必要でしたが、令和5年4月1日以降は提出不要になりました。義務対象か否かにかかわらず、光ディスク等を使いたいときに事前承認は要りません。手続きが簡素化されています。

注意:光ディスクで出すとマイナポータル連携は使えません

事業主が給与所得の源泉徴収票をe-Taxで提出した場合、従業員はマイナポータル連携で確定申告書に源泉徴収票の情報が自動入力されます。光ディスク等で提出した場合、この連携は利用できません。従業員の利便性を考えるなら、e-Taxでの提出が推奨されます。

中小企業が今すぐ確認する5ステップ

前々年(2025年・2026年)に提出した法定調書の種類ごとの枚数を確認する。給与と報酬は別々に数えます。

2027年1月以後の提出で30枚以上になる種類があるか判定する。30枚以上ならe-Tax等の準備が必要です。

提出方法を決める。e-Tax(WEB版)なら事前準備として利用者識別番号と電子証明書、マイナンバーカード等を用意し、e-Taxソフトの利用の流れを確認します。

光ディスク等で出す場合は、規格とレコード内容を国税庁の案内で確認し、CD・DVDに書き込むデータを用意します。

2027年分の法定調書は2028年1月31日が期限です。2026年中にテスト送信や社内フローを整え、支店分を本店で一括できるかも確認します。

提出先と期限

提出先は所轄税務署です。e-Taxはシステム経由で送信し、光ディスク等は所轄税務署へ持参または送付します。本店・支店分を一括する場合は、本店等の所轄税務署長へ一括提出できます。提出期限は支払確定年の翌年1月31日が原則です(給与所得の源泉徴収票など)。e-Taxの義務化は提出期限ではなく、提出年の前々年の枚数で決まる点に注意が必要です。

よくある質問

前年に30枚だったら翌年は必ずe-Taxですか?

いいえ、前々年で判定します。例えば令和7年1月に提出した枚数が30枚以上なら、令和9年1月提出分が義務です。令和8年1月提出分は令和6年の枚数で判定し、令和8年12月までは100枚基準が適用されます。

給与の源泉徴収票と報酬の支払調書を合算して30枚で判定しますか?

合算しません。法定調書の種類ごとに判定します。国税庁No.7455で「種類ごとに、前々年の提出すべきであった枚数が30枚以上」と明記されています。

従業員が少なくても30枚になることはありますか?

あります。給与所得の源泉徴収票は年の中途退職者やパート・アルバイト分も1枚として数えます。退職者が多い年や、報酬の支払先が多い事業者は30枚に達しやすくなります。

e-Taxと光ディスク、どちらにすべきですか?

マイナポータル連携を使うならe-Taxが有利です。光ディスクは大量データを1枚で提出でき、インターネット環境に左右されません。ただし光ディスクでは連携が使えないため、従業員の確定申告の利便性を考慮して選ぶとよいでしょう。

まとめと次の行動

2027年1月1日以後は法定調書の提出義務基準が100枚から30枚に引き下がり、対象は種類ごとの前々年判定で決まります。2026年12月までは100枚基準ですが、中小企業でも30枚に達するケースは増えます。今のうちに前々年の提出枚数を種類別に確認し、e-Taxソフト(WEB版)や光ディスク等の提出方法を決め、承認申請不要の現行ルールで準備を進めてください。不明点は所轄税務署の相談窓口で確認できます。

当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は、管轄の税務署や国税庁・e-Taxの最新案内をご確認ください。2026年8月28日時点の公式情報で確認しています。