結論:源泉徴収票に記載された住所が引っ越し前の旧住所のままでも、訂正や再発行は原則不要です。確定申告書には申告時の現住所(納税地)を記入し、現住所を所轄する税務署へ提出します。給与支払報告書は1月1日現在(中途退職者は退職時)の住所で市区町村へ送付されるため、2つの書類で住所が異なっても問題ありません。
まず確認:旧住所の源泉徴収票はそのまま使えますか?
チェックリスト
- 源泉徴収票の「住所又は居所」欄が旧住所になっている
- 引っ越し・転居で現住所が変わったが、氏名・支払金額・控除額など他の記載は正しい
- 確定申告や年末調整で源泉徴収票の提出・添付が必要な状況である
上記に当てはまる場合、国税庁のルール上、源泉徴収票の住所が旧住所でもそのまま確定申告に利用できます。住所だけを理由に会社へ訂正印や再発行を依頼する必要はありません。氏名や支払金額など中身の誤りがある場合は別途訂正が必要です。
国税庁が示す2つの住所ルール
国税庁の質疑応答事例(法定調書)では、2つの書類で住所の基準日が異なることが明記されています。2026年8月28日時点で確認した令和7年8月1日現在の法令・通達に基づく情報です。
| 書類 | 住所の基準日 | 提出先・用途 |
|---|---|---|
| 給与所得の源泉徴収票 | 作成日現在の現況による住所 | 受給者本人へ交付(確定申告等で参照) |
| 給与支払報告書 | 提出年1月1日現在(中途退職者は退職時) | 1月1日住所地の市区町村へ提出(住民税課税) |
この違いがあるため、年明けや年度途中に引っ越した場合、源泉徴収票は旧住所、給与支払報告書は新住所(または1月1日住所)というズレが自然に生じます。国税庁の回答要旨は「源泉徴収票は作成日現在」で記載することを求めており、過去の住所に戻して書き直す必要はないことを示しています。
確定申告書の住所と提出先はどう書く?
所得税の確定申告書は、提出時の納税地を所轄する税務署長に提出します。納税地は一般に住所地(生活の本拠)とされ、提出時の現住所が基準です。令和7年4月1日現在の法令に基づく国税庁タックスアンサーNo.2029で確認しています。
確定申告書の住所欄に申告時の現住所を記入する
提出先(所轄税務署)は現住所の住所地で確認する。e-Taxなら自動判定、郵送・窓口なら国税庁サイトの税務署所在地で検索する
源泉徴収票は旧住所のまま添付・参照資料として利用する。金額や氏名が正しければ訂正不要
年の途中で引っ越した場合でも、申告書自体は新しい住所で作成します。住民税の課税は1月1日住所の市区町村で行われるため、所得税の申告先と住民税の課税団体が異なることがありますが、制度上の仕組みであり問題ありません。個別の納税地の特例を使う場合は、事業所所在地を納税地にできる場合もあります。詳細は税務署にご確認ください。
会社に訂正・再発行を依頼する必要はありますか?
源泉徴収票の住所だけが旧住所であることを理由に、会社へ訂正や再発行を依頼する必要は原則ありません。国税庁の質疑は「作成日現在の現況」で記載することを求めており、旧住所記載自体が誤りとはされていません。ただし、次のような場合は会社へ連絡します。
会社へ連絡が必要な例
- 氏名、支払金額、源泉徴収税額、控除額など金額・氏名に誤りがある
- 社会保険料や生命保険料の控除額が年末調整と異なる
- 電子交付の源泉徴収票で文字化けやPDFが開けない
会社が再発行に応じない、連絡が取れない、倒産したなどの場合は、税務署の相談窓口で「源泉徴収票不交付の届出」などの対応を案内してもらえます。住所だけの不一致は不交付には当たらないため、通常は申告時の現住所で申告を進めて差し支えありません。
よくある誤解と注意点
誤解と正しい扱い
- 誤解:源泉徴収票の住所と確定申告書の住所は一致させなければならない → 正しくは確定申告書は現住所、源泉徴収票は作成日住所で不一致でも受理されます
- 誤解:給与支払報告書も現住所へ送り直すべき → 正しくは給与支払報告書は1月1日住所の市区町村が課税団体のため、送付先を変える必要はありません
- 誤解:旧住所のままでは還付金振込に影響する → 正しくは還付金の振込先は申告書の本人名義口座で指定します。源泉徴収票の住所は振込に影響しません
年末調整との違い
年末調整は勤務先で行う手続きで、扶養控除等申告書などは勤務先の指示に従い現住所を記載します。源泉徴収票自体は年末調整後に作成されるため、年末調整時点の住所が反映されます。年明けに引っ越してから確定申告をする場合は、確定申告書だけ現住所に更新すれば足ります。
よくある質問
源泉徴収票の住所が旧住所でも確定申告は受理されますか?
はい、受理されます。国税庁の質疑では源泉徴収票は作成日現在の住所で作成するとされており、確定申告書は提出時の現住所(納税地)で提出します。住所の不一致は不備ではありません。金額や氏名の誤りがある場合のみ訂正が必要です。
会社に源泉徴収票の住所訂正を依頼すべきですか?
住所だけが旧住所である場合は原則不要です。作成日時点の住所で正しく作成されているため、会社へ再発行を依頼する必要はありません。氏名や支払金額に誤りがあるときは会社へ訂正を依頼してください。
給与支払報告書の住所はどちらが正しいですか?
給与支払報告書は提出年1月1日現在(中途退職者は退職時)の住所で市区町村へ提出されます。源泉徴収票が作成日現在であることと基準が異なるため、両者の住所が違っても問題ありません。住民税は1月1日住所の市区町村で課税されます。
引っ越し後の確定申告はどの税務署へ提出しますか?
申告時の現住所を所轄する税務署へ提出します。e-Tax、郵送、窓口のいずれも現住所の納税地が基準です。年の途中で住所が変わった場合でも、新住所の税務署が提出先です。ご不安な場合は所轄税務署へご確認ください。
公式情報と確認日
本記事は上記2件の公式情報を中心に、2026年8月28日時点で確認した内容を編集しています。制度は改正されることがあるため、最新の手引きや税務署の案内もあわせてご確認ください。個別事情の判断に迷う場合は、所轄税務署の相談窓口へお問い合わせください。