結論:死亡退職者は死亡時に年末調整し、票は相続人へ渡します
従業員が死亡により退職したときは、会社が死亡日までに支払いが確定した給与で年末調整(死亡年調)を行い、給与所得の源泉徴収票を相続人へ交付します。相続人は1月1日から死亡日までの所得を計算し、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に準確定申告します。2026年9月25日時点の国税庁の公式情報で確認しています。
対象と前提の確認
この記事は、死亡により退職した給与所得者の所得税の年末調整と、その後の準確定申告のつなぎ目を扱います。12月の通常の年末調整ではなく、年の中途で行う年末調整が対象です。国税庁のタックスアンサーでは、年の中途で年末調整の対象になる人の一つとして「死亡によって退職した人」が案内されています。対象になるのは、年末調整を行う日までに給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している一定の人です。
まず確認する3点
- 亡くなった方が死亡により退職した従業員に当たるか
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書が年末調整を行う日までに提出されているか
- 会社側の死亡年調と相続人側の準確定申告のどちらを確認したいか
死亡年調の対象になる給与の範囲
年末調整の対象になる給与は、その年の1月1日から12月31日までの間に支払うことが確定した給与です。年の中途で死亡により退職した人については、その退職時までに支払うことが確定した給与が対象です。実際に支払ったかどうかに関わらず、未払いの給与も対象になります。一方で、前年に未払いだった給与を今年になって支払っても、その支払った年の年末調整の対象には含まれません。死亡後に支給期が到来する給与は相続財産となり、所得税の課税対象になりません。源泉徴収票の支払金額欄には、死亡前に支払いが確定している給与の合計額を記載します。
会社の手順:死亡年調から源泉徴収票の交付まで
遺族へ配慮しつつ、準確定申告に間に合うよう速やかに進めます。
扶養控除等(異動)申告書の提出状況と、死亡日までの給与・賞与の確定状況を確認します。提出が確認できないときは年末調整ができません。給与の金額や源泉徴収税額は源泉徴収票で確認する仕組みのため、前の勤務先分がある場合も含めて資料をそろえます。
死亡日までに支払いが確定した給与を集計し、1年間の納めるべき税額との差額を精算します。過不足金の精算は死亡年調の時点で完結させます。退職手当等が別途ある場合は給与とは別の所得として扱われます。票の記載欄が分かれるため、不明な点は税務署へ確認してください。
給与所得の源泉徴収票を作成し、相続人へ交付します。交付先は給与の支払いを受けていた本人ではなく相続人です。票の死亡退職欄に○を表示します。被相続人の所得金額を確認するための資料として交付をお願いする扱いです。相続手続きや準確定申告に源泉徴収票が必要になるため、死亡後できるだけ早く実施します。
相続人の手順:準確定申告の期限と提出先
年の中途で死亡した人の準確定申告は、相続人が1月1日から死亡した日までに確定した所得金額と税額を計算し、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をします。準確定申告書には各相続人等の氏名や住所、被相続人との続柄などを記入した付表を添付し、被相続人の死亡当時の納税地の所轄税務署長に提出します。還付金の受領を代表者に委任する場合は、付表とは別に委任状の提出が必要です。所得税の準確定申告はe-Taxでも対応しています。配偶者控除や扶養控除などの判定は死亡日の現況で行い、月割り計算は行いません。医療費や保険料、寄附金の対象は死亡日までに支払った分です。
相続人の確認チェック
| 手続き | 行う人 | 対象期間 | 期限・提出先 |
|---|---|---|---|
| 死亡年調(年の中途の年末調整) | 給与を支払った会社 | 1月1日から退職時までに支払いが確定した給与 | 死亡後できるだけ早く実施し、源泉徴収票を相続人へ交付 |
| 準確定申告 | 相続人 | 1月1日から死亡日までに確定した所得 | 相続開始を知った日の翌日から4か月以内に死亡当時の納税地の税務署長へ |
よくあるつまずきと切り分け
扶養控除等申告書が出ていない場合はどうなりますか
扶養控除等(異動)申告書が年末調整を行う日までに提出されていないと、死亡年調の対象になりません。提出状況を会社で確認し、対象外の場合は準確定申告で精算する流れになります。詳しい適用関係は税務署へ確認してください。
死亡後に支給日が来る給与はどうなりますか
死亡後に支給期が到来する給与は相続財産となり、所得税の課税対象になりません。給与所得の源泉徴収票の支払金額欄には含めません。死亡前に支払いが確定していたかどうかで切り分けます。
退職金が別にある場合はどうなりますか
退職手当等がある場合は、給与とは別の退職所得として扱われます。死亡年調の給与計算には含めず、源泉徴収票の該当欄で確認します。金額の扱いや申告先が不明なときは所轄税務署へ相談してください。
相談先と次の行動
国税に関する相談は、国税庁の税についての相談窓口が案内されています。会社は死亡年調と源泉徴収票の交付を速やかに行い、相続人は票を受け取ったら準確定申告の4か月の期限から逆算して付表と委任状の要否を確認します。当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は、管轄する行政機関や税務署などの最新案内をご確認ください。
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