特別支給の老齢厚生年金は、受給開始年齢に到達する3カ月前に日本年金機構(最終の加入記録が共済組合の方は共済組合)から年金請求書(事前送付用)が届きます。届かない主な理由は、対象生年月日ではない、受給資格期間が10年に満たない、厚生年金への加入が1年未満、最終加入が共済組合で送付元が違う、登録住所と現住所が一致していないことです。請求書が手元になくても年金請求は可能です。年金事務所の窓口、ねんきんダイヤル、様式第101号の印刷や電子申請で再発行・提出でき、基本権は5年で時効となるため早めに確認します。2026年8月31日時点の公式情報で確認しています。

まず確認:届かないときに最初に見るポイント

年金請求書(事前送付用)は、基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所、年金加入記録を印字した状態でご本人あてに送付されます。受給権発生日は受給開始年齢に到達した日(誕生日の前日)で、請求書はその日以降に提出します。事前に提出しても受付されません。特別支給の老齢厚生年金には繰下げ制度がなく、速やかな請求が原則です。

年金請求書が届く時期と送付元

日本年金機構では、特別支給の老齢厚生年金または老齢基礎年金を受け取る権利が発生する方に、受給開始年齢に到達する3カ月前から年金請求書を送付しています。厚生年金期間を1年以上有する方が対象です。

送付時期と送付元の分岐
年金加入記録のパターン特別支給の老齢厚生年金の請求書65歳で受給権が発生する場合
厚生年金・国民年金期間のみ日本年金機構から送付日本年金機構から送付
厚生・共済・国民年金が混在(最終記録が厚生年金)日本年金機構から送付(共済分は別途共済から送付される場合あり)日本年金機構から送付
厚生・共済・国民年金が混在(最終記録が共済組合)日本年金機構から送付(共済分は別途共済から)共済組合から送付
共済組合期間のみ共済組合から送付共済組合から送付

令和8年に送付されるのは、63歳になる女性(昭和38年4月2日〜昭和39年4月1日生まれで厚生と共済の加入が計1年以上)と、65歳になる方(昭和36年4月2日〜昭和37年4月1日生まれ。男性は加入期間10年以上、女性は厚生と共済計1年未満で10年以上)などです。詳細は日本年金機構「老齢年金請求書の事前送付」のパターン表で確認できます。

請求書が届かない主な理由と切り分け

届かない理由のチェックリスト

  • 受給開始年齢にまだ達していない(生年月日ごとの支給開始年齢を確認)
  • 受給資格期間が10年に満たない(老齢基礎年金の受給資格期間を確認)
  • 厚生年金保険等の加入が1年未満
  • 最終の被用者年金加入記録が共済組合で、共済組合から送付されている
  • 登録住所と現住所が不一致で郵便が届かない(転居・転送期間切れ)
  • 既に請求済みまたは年金を受給中(再送付の対象外)

特別支給の老齢厚生年金は、男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた方が対象で、生年月日と性別で報酬比例部分と定額部分の開始年齢が段階的に異なります。44年以上の厚生年金期間や障害状態にある場合の特例もあります。該当しない場合は60歳台前半では請求書自体が送付されません。詳しくは日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」のページで生年月日別の開始年齢を確認してください。

理由別の対処方法

対象年齢・資格期間を満たさない場合は、請求書が届かないことが正常です。老齢基礎年金の受給資格期間が10年未満の方は、任意加入や合算対象期間の確認を検討します。厚生年金1年未満の方も同様に特別支給の対象外です。共済組合が最終加入の方は、共済組合の年金請求書の発送時期(誕生日の3カ月前頃)を確認し、共済組合に問い合わせます。住所不一致の方は、住民票の住所と年金機構に登録の住所を合わせ、郵便局の転送届とは別に年金の住所変更手続きが必要です。

再発行と請求の3つの方法

年金請求書(事前送付用)が手元にない場合でも、年金請求は可能です。次のいずれかで手続きします。

年金事務所・街角の年金相談センターの窓口で請求する

全国の年金事務所や街角の年金相談センターの窓口に年金請求書が備え付けられています。事前予約のうえ、本人確認書類と必要書類を持参します。郵送での提出も可能です。提出前に年金加入記録に空白や誤りがないか、基礎年金番号を複数持っていないかなど不安がある方は、事前に年金事務所へ相談します。

ねんきんダイヤルで相談・用紙を請求する

年金に関する一般的な問い合わせは「ねんきんダイヤル 0570-05-1165」で受け付けています。自動音声による送付依頼や、請求書の再送付の相談が可能です。手元に基礎年金番号や照会番号がわかるもの(年金手帳、通知書等)を用意するとスムーズです。

様式第101号を印刷または電子申請で提出する

日本年金機構ホームページ「老齢年金請求書の記入方法等」から、年金請求書(国民年金・厚生年金保険 老齢給付)様式第101号を印刷して記入できます。記入例も同ページに掲載されています。また、年金請求書(事前送付用)に電子申請の案内リーフレットが同封されている方は、マイナポータルを利用した電子申請で24時間請求できます。電子申請の可否は同封リーフレットや日本年金機構「個人の方の電子申請」ページで確認できます。

請求に必要な主な書類

必要書類の目安

  • 年金請求書(事前送付用または様式第101号)
  • 戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか(生年月日を明らかにできる書類)
  • 受取先金融機関の通帳またはキャッシュカードのコピー(本人名義、金融機関名・支店番号・口座番号がわかる部分)
  • 加給年金額の対象となる配偶者・子がいる場合は戸籍謄本、世帯全員の住民票の写し、所得証明書等

単身で日本年金機構にマイナンバーが登録されている方や、請求書にマイナンバーを記入する方は、戸籍謄本等の添付が原則不要になります。受取先は本人名義の口座が原則で、公金受取口座を登録している方も年金受取口座の変更には別途「年金受給権者 受取機関変更届」が必要です。戸籍や住民票は受給権発生日以降に交付され、提出日時点で6カ月以内に交付されたものを用意します。

提出先の分岐と注意点

提出先は、原則としてお近くの年金事務所です。最終加入が共済組合の方は共済組合が窓口になります。受給権発生日(誕生日の前日)以降に提出し、提出が早すぎると受付されません。請求が遅れても受付はされますが、年金を受ける権利(基本権)は権利発生から5年で時効により消滅します。平成19年7月7日以降に発生した年金の支分権は5年を過ぎても自動消滅せず国が時効を援用することで消滅しますが、5年を超える分は原則支払われないため速やかに請求します。やむを得ない事情があった場合は申立書で時効消滅させない取扱いもあります。

住所が変わった場合の扱い

年金請求書は年金機構に登録された住所あてに送付されます。転居した方は住民票の異動だけでなく、年金の住所変更が登録されているかを確認します。郵便局の転送サービスは1年間が目安で、転送期間が切れると届きません。住所変更の有無はねんきんネットや年金事務所で確認できます。

よくある質問

3カ月前に届くはずなのに届きません。いつまで待てばよいですか。

受給開始年齢に到達する3カ月前から順次送付されます。誕生月の3カ月前の月末を過ぎても届かない場合は、対象生年月日・受給資格期間・最終加入記録(共済組合か)・登録住所を確認し、年金事務所またはねんきんダイヤルへ問い合わせます。請求書がなくても様式第101号で請求は可能です。

共済組合の加入歴があります。どちらに問い合わせますか。

特別支給の老齢厚生年金は、最終の被用者年金加入記録が共済組合の方は共済組合から、厚生年金・国民年金のみの方は日本年金機構から送付されます。共済組合期間と厚生年金期間が混在する方は、共済分と厚生分で送付元が分かれる場合があります。最後に加入していた制度の窓口に確認します。

請求書を紛失しました。再発行できますか。

できます。年金事務所・街角の年金相談センターの窓口に備え付けがあるほか、日本年金機構ホームページから様式第101号を印刷して提出できます。電子申請の対象者はマイナポータルからも請求できます。ねんきんダイヤルでも再送付の相談が可能です。

特別支給の対象かわかりません。

男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた方が対象で、生年月日と性別で報酬比例部分と定額部分の開始年齢が異なります。共済組合等の老齢厚生年金は男性と同じ開始年齢です。厚生年金1年以上、受給資格期間10年以上などの要件も満たす必要があります。詳しくは日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」のページで開始年齢表を確認します。

まとめと次の手続き

特別支給の老齢厚生年金の請求書が届かないときは、①生年月日と性別で対象年齢か、②受給資格期間10年と厚生年金1年以上の要件を満たすか、③最終加入が共済組合で送付元が違うか、④登録住所が現住所と一致しているかを順に確認します。対象で届かない場合は、年金事務所の窓口または郵送、ねんきんダイヤル、様式第101号の印刷や電子申請で請求できます。受給権発生日以降に提出し、5年の時効に注意して早めに手続きします。手続きに不安がある方は、事前に年金事務所へ相談します。