国民年金で第3号被保険者から第1号への切り替えは、配偶者の退職・離婚・収入増・死亡、配偶者が65歳に到達した日などの翌日から14日以内が原則ですが、14日を過ぎても届出は可能です。気づいた時点で住所地の市区役所・町村役場またはマイナポータルの電子申請で手続きし、保険料は遡って納付します。2年以上遅れて時効で納付できなくなった期間は、年金事務所への特定期間該当届で受給資格期間に算入できる場合があります。
この記事でわかること
手続きの全体像
- 14日を過ぎても届出は可能か、罰則はあるか
- 14日の起算日と数え方(該当日の翌日から)
- 手続き先:市区役所・町村役場とマイナポータル電子申請の使い分け
- 必要書類:届書、マイナンバーカードまたは基礎年金番号がわかる書類など
- 2年以上遅れた場合の特例(特定期間該当届)と年金事務所への相談先
14日を過ぎるとどうなるか
日本年金機構の案内では、国民年金第1号への加入手続きの提出期限は「退職日の翌日から14日以内」とされています。この期限を過ぎても加入手続き自体は可能です。日本年金機構から「届出はお済みですか(国民年金加入のご案内)」が届く場合がありますが、まずは速やかに届出を行ってください。資格の取得日は本来の該当日に遡り、保険料も遡って請求されます。期限を過ぎたこと自体に罰則はありませんが、手続きが遅れるほど未納期間が長くなり、将来の年金額や障害・遺族年金の受給資格に影響するおそれがあります。
手続き先と方法
第3号から第1号への切り替えの届出は、原則として住所地の市区役所または町村役場の国民年金担当窓口で行います。マイナンバーカードをお持ちの方は、マイナポータルを経由した電子申請(個人の方の電子申請)も利用できます。電子申請を利用する場合は、日本年金機構の「個人の方の電子申請(国民年金)」の案内をご確認ください。なお、2年以上遅れて未納期間が発生した場合の「特定期間該当届」は市区役所では取り扱わず、最寄りの年金事務所へ提出します。
届出先の使い分け
- 通常の切り替え(14日以内・過ぎた直後):住所地の市区役所・町村役場、またはマイナポータル電子申請
- 2年以上遅れて時効の未納が発生した場合:最寄りの年金事務所へ「特定期間該当届」
- 配偶者の勤務先経由ではない点に注意:本人の住所地が提出先です
手順1:該当した日と14日の数え方を確認する
提出期限の起算日は、扶養から外れた事実があった日の翌日です。該当日当日は含めず、翌日から14日以内に届け出ます。具体的な該当例は次のとおりです。
| 該当事由 | 該当した日 | 届出期限の起算日(翌日) |
|---|---|---|
| 配偶者(第2号被保険者)が退職した | 退職日 | 退職日の翌日 |
| 配偶者と離婚した | 離婚日 | 離婚日の翌日 |
| 自身の年収増で被扶養者から外れた(収入要件超過) | 被扶養者でなくなった日 | その翌日 |
| 配偶者が死亡した | 死亡日 | 死亡日の翌日 |
| 配偶者(第2号被保険者)が65歳に到達した | 誕生日の前日(65歳到達日) | 到達日の翌日 |
いずれの場合も、14日を過ぎたことに気づいた時点ですぐに手続きしてください。資格の取得日は遡及しますが、届出が遅れた期間の保険料は後からまとめて請求されます。
手順2:必要書類を用意する
日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」で示されている主な持ち物は次のとおりです。
提出書類と持ち物
- 国民年金被保険者関係届書(申出書)
- 基礎年金番号がわかる書類(基礎年金番号通知書、年金手帳等)またはマイナンバーカード
- マイナンバーカードがない場合:マイナンバー確認書類(通知カードや住民票写し)+運転免許証やパスポート等の本人確認書類
- 求められる場合:資格喪失等を証する書類(離職票の写し、健康保険の資格喪失証明書、被扶養者から外れたことがわかる通知など)
窓口では基礎年金番号またはマイナンバーのいずれかで手続きできます。電子申請ではマイナンバーカードの電子証明書が必要です。離職や扶養削除の直後に手続きする場合は、離職票等がまだ手元になくてもまずは窓口または年金事務所へ相談し、後から補足できるか確認してください。
手順3:届出を提出する(窓口・電子申請)
住所地の市区役所・町村役場の国民年金担当窓口、またはマイナポータルの電子申請で、国民年金被保険者関係届書を提出します。提出者は本人または世帯主です。
処理後、日本年金機構から保険料の納付書が届きます。遡った期間分も含めて納付してください。納付が困難な場合は、免除・納付猶予の申請を同時に検討できます。
2年以上遅れて未納期間が時効消滅している場合は、年金事務所で「特定期間該当届」の要否を確認します。市区役所では受付できないため、年金事務所またはねんきん加入者ダイヤル(0570-003-004)へお問い合わせください。
2年以上遅れた場合の特例(平成25年7月改正)
厚生労働省と日本年金機構によると、平成25年7月1日に法律が改正され、第3号から第1号への切り替えが2年以上遅れたことで保険料を納付できなくなった期間について、「特定期間該当届」を年金事務所へ提出すると、その「未納期間」を老齢基礎年金などの受給資格期間(原則10年)に算入できるようになりました。手続きは平成25年7月1日から受付されています。ただし、この特定期間は年金額には反映されません。
特例のポイント
- 対象:サラリーマンの配偶者に扶養されていた方が、配偶者の退職・自営への転職・65歳到達・死亡、自身の離婚・収入増などで第1号になるべきだったのに2年以上届出が遅れ、未納が発生した方
- 効果:未納期間を「特定期間」として受給資格期間に算入。無年金や障害・遺族年金の受給権確保につながる場合があります
- 限界:特定期間は老齢基礎年金の年金額計算には含まれません(受給資格期間のみ)
- 提出先:最寄りの年金事務所。市区役所では取り扱いません。基礎年金番号がわかるものを持参してください
特定期間該当届を提出しても、保険料を遡って納付できるわけではありません。2年を超えた分の保険料納付は時効のためできません。65歳以上で年金を受給中の方が記録訂正された場合、平成30年4月分以後の年金額は訂正後の記録で再計算されるなどの経過措置があります。詳細は年金事務所で個別に確認してください。
間に合わなかった保険料はどうなるか
14日を過ぎてから届け出た場合でも、資格取得日に遡って保険料が賦課されます。納付書でまとめて納めるか、口座振替・クレジットカード納付へ切り替えることも可能です。所得が少なく納付が困難なときは、申請により保険料が免除・猶予される制度があります。退職や失業による特例免除も利用できるため、市区役所または年金事務所へご相談ください。
よくある質問
14日を過ぎたら罰則や延滞金はありますか?
提出期限を過ぎたこと自体への罰則はありません。ただし、資格取得日に遡って保険料が請求され、未納期間が長いと将来の年金額が減り、障害・遺族年金の受給資格にも影響するおそれがあります。気づいた時点で速やかに届け出てください。
扶養から外れた日がわからないときはどうすればよいですか?
配偶者の退職日、離婚日、死亡日、健康保険の被扶養者削除日など、扶養でなくなった事実があった日を確認し、その翌日から14日以内が期限です。健康保険の資格喪失証明書や被扶養者異動届の控えなどで日付を確認し、不明なときは年金事務所または市区役所へご相談ください。
配偶者の勤務先に連絡する必要はありますか?
第3号から第1号への切り替えは、本人の住所地の市区役所・町村役場または電子申請で行います。配偶者の勤務先を経由する手続きではありません。ただし、健康保険の被扶養者削除手続きは配偶者の勤務先経由で別途必要です。健康保険と年金の手続きを混同しないようご注意ください。
関連手続きと次の確認
退職に伴う手続きでは、国民年金の切り替えとあわせて国民健康保険への切り替えも14日以内が原則です。退職後の健康保険の選択肢(国民健康保険、任意継続、家族の被扶養者)もあわせて確認してください。当サイトの国民健康保険の14日過ぎた場合の記事も参考にしてください。年金事務所やねんきん加入者ダイヤルでは、個別の資格期間や納付状況の確認も可能です。