医師(療養担当者)欄の記入漏れで傷病手当金支給申請書が差し戻し・返戻された場合は、医療機関で漏れを追記・訂正してもらい、同じ申請書を加入先の保険者へ再提出します。訂正は修正テープを使わず訂正箇所を黒塗りや二重線で消して欄外に正しく記入し、必要に応じて事業主欄も再確認します。2026年8月21日時点の協会けんぽの公式情報で確認しています。
症状と前提を確認する
協会けんぽなどから「返戻」「差し戻し」「不備あり」として申請書が戻るケースでは、4ページ構成の申請書のうち4ページ目「療養担当者記入用」に漏れがあることが多くあります。まずは返戻時に同封された案内や付箋で指摘箇所を確認し、どの欄が不足しているかを特定します。
返戻・差し戻しの前提確認リスト
- 返戻理由の書面・付箋に「療養担当者記入漏れ」「医師証明不備」等の記載があるか
- 指摘された期間(申請期間)と労務不能期間が一致しているか
- 医療機関名・所在地・医師氏名・証明日のいずれかが空欄になっていないか
- 旧様式で提出していないか(令和5年1月以降は新様式が原則)
医師欄でよくある記入漏れ
協会けんぽ鳥取支部の案内では、被保険者・事業主欄を中心に記入漏れ・誤りが多い箇所が整理されています。療養担当者欄でも次の項目は特に漏れやすいため、医療機関へ依頼する前に本人でも目視で確認できます。
医師欄で差し戻しになりやすい項目
- 傷病名と初診日(療養の給付開始日)
- 発病・負傷年月日と労務不能と認めた期間
- 診療日・診療実日数や療養の給付に関する所見
- 医療機関の所在地・名称・電話番号
- 医師氏名と証明日(申請期間経過後の日付であること)
- 患者氏名(カタカナ)の記入漏れや誤記
差し戻し後の対応方針
不足が療養担当者欄だけであれば、医療機関での追記・訂正で再提出できます。事業主欄の報酬や勤務状況にも誤りがあると指摘された場合は、事業主側の再証明も必要です。訂正は申請者本人が勝手に書き足さず、必ず記入責任者(医師または事業主)に依頼してください。
訂正・再提出の手順
指摘内容を確認し、訂正方法を医療機関へ相談する
返戻された申請書と案内を持参し、受診した医療機関の窓口で「傷病手当金申請書の療養担当者欄に記入漏れがあったため追記をお願いしたい」と伝えます。郵送での依頼は記入漏れの内容が伝わりにくいため、可能な限り窓口で相談します。
医療機関で漏れを追記・訂正してもらう
医師または医療事務が不足項目を追記します。訂正が必要な箇所は、協会けんぽの記入の手引きで案内されているとおり、訂正箇所を黒塗りし、欄外に正しい内容を記入する方法が原則です。修正テープや消せるボールペン、砂消しは使わないでください。訂正印の要否は様式や支部の案内により異なるため、返戻時の指示に従い、不明な場合は提出先支部へ確認します。
事業主欄に指摘がある場合は事業主で再確認する
報酬の支給有無や勤務状況(申請期間の「年・月」や出勤日の〇囲み、証明日など)に不備がある場合は、事業所の労務担当者に再証明を依頼します。給与締日や支払基礎日数の考え方が誤っていると返戻が繰り返されるため、賃金台帳や出勤簿と突き合わせて確認します。
申請書全体を見直し、電子申請か郵送で再提出する
訂正後の申請書は、再び加入先へ提出します。協会けんぽの場合は加入する都道府県支部へ郵送するか、電子申請サービスを利用します。電子申請はシステムチェックで記入漏れを防げるため再発防止に有効です。健康保険組合や共済組合の方は、各保険者の提出先(郵送・電子・窓口)に従ってください。
提出先と提出方法の違い
| 加入先 | 提出先 | 方法 |
|---|---|---|
| 協会けんぽ | 加入する都道府県支部 | 郵送または電子申請 |
| 健康保険組合 | 各健康保険組合 | 組合の案内(郵送・電子・窓口)に従う |
| 共済組合等 | 各共済組合 | 組合の案内に従う |
協会けんぽの支部住所は、協会けんぽホームページの「都道府県支部の宛先」で確認できます。資格情報のお知らせやマイナポータルの資格情報から加入支部を確認してください。
申請期限と支給までの目安
健康保険給付を受ける権利は、労務不能であった日ごとにその翌日から2年で時効になります。差し戻しで再提出が遅れても、時効内であれば請求できますが、早めに医療機関へ依頼してください。審査の結果支給可能であれば、協会けんぽでは受付日から10営業日以内に支払われると案内されています。なお、1回の申請期間は暦で3か月以内に区切って提出します。
問い合わせ先
訂正方法や再提出先がわからないときは、加入する保険者へ問い合わせます。協会けんぽの場合は加入支部、健康保険組合や共済組合の場合は各組合の給付担当が窓口です。医療機関での追記の可否は、受診した医療機関へ直接確認してください。
よくある質問
医師の訂正はシャチハタの訂正印でもよいですか
協会けんぽの申請書は押印自体が不要となっており、訂正は訂正箇所を黒塗りして欄外に正しく記入する方法が手引きで案内されています。シャチハタや修正テープ、消せるボールペンは使わないでください。訂正印が必要かどうかは様式や返戻時の指示により異なるため、必ず案内文や提出先支部の指示に従ってください。
当時の医師が退職・転院して追記してもらえないときはどうしますか
原則として証明した医療機関で対応してもらう必要があります。担当医が不在でも医療機関の管理者や後任の医師が対応できる場合があります。医療機関での対応が困難なときは、加入先の支部や保険者に事情を説明し、代替の証明方法や申立書の要否を相談してください。
差し戻し後の再提出でも同じ提出先でよいですか
はい。協会けんぽの場合は、加入する都道府県支部へ再提出します。健康保険組合や共済組合の方も、最初に提出した加入先の保険者へ再提出します。電子申請で再提出する場合も、提出先の選択を誤らないようにしてください。
出典:全国健康保険協会「健康保険傷病手当金支給申請書」および「傷病手当金|給付と手続き」、鳥取支部「記入のポイント」等。手続きの詳細は必ず最新の公式ページでご確認ください。