普通車の所有者が亡くなり、車検証の所有者欄が故人名義なら相続による移転登録が必要です。使用の本拠を管轄する運輸支局等で、単独・共同・第三者譲渡の分岐に沿って書類をそろえます。2026年9月14日時点の公式情報で確認しています。

症状と前提を確認します

はじめに車検証の所有者の氏名又は名称を確認します。第三者が所有者である場合は相続は発生しません。ローンで購入し所有者が信販会社や販売店のままなら、完済後の所有権解除が先になります。全国共通の原則ですが、個別事情によって判断が異なるため管轄窓口へご確認ください。

申請前にそろえる確認点です。

  • 車検証の所有者欄が故人か、第三者かを確認します
  • 車検証の有効期間が残っているかを確認します
  • 新所有者・新使用者の使用の本拠と管轄の運輸支局等を確認します

手続きの分岐を決めます

相続の手続きは単独相続、共同相続、第三者への名義変更、一時抹消登録、永久抹消登録に分かれます。ここでは使用を続ける場合の単独・共同・第三者一括と、使用を止める場合の一時抹消を整理します。相続の手続きは非常に複雑ですので、不明な点は車検証を用意して事前に登録担当窓口へ相談します。

相続形態と手続きの対応表です。
相続形態手続き要点
相続人のうち一人が引き継ぐ単独相続の移転登録OCR第1号様式1枚と戸籍等、遺産分割書類のいずれかを用意します
相続人全員で共有する共同相続の移転登録相続人全員の関係確認と共有名義の書類が必要です
相続を経て第三者へ譲る相続と譲渡の一括手続きOCR第1号様式2枚と譲渡証明書を窓口へ同時提出します
すぐに使用しない相続と一時抹消の同時手続き車検切れや保管事情があるときの選択肢です

必要書類をそろえます

基本書類はOCR申請書、手数料納付書、車検証、戸籍または法定相続情報、新所有者の印鑑証明書と実印または委任状です。戸籍は死亡の事実と相続人全員の関係がすべて確認できるものを用意します。法定相続情報証明書がある場合は戸籍一式の提出は不要です。印鑑証明書と住民票は発行後3か月以内のものを用意します。

基本書類の要点です。

  • OCR申請書 第1号様式は窓口配付または公式様式の印刷で用意します
  • 手数料納付書に検査登録印紙を貼付します。金額は管轄の案内で確認します
  • 車検証は有効期間内のものを用意します。車検切れは別分岐です
  • 戸籍謄本または法定相続情報証明書で死亡と相続関係を確認します
  • 新所有者の印鑑証明書は発行後3か月以内、申請書へ実印を押印します
  • 代理人が出頭する場合は実印を押印した委任状を用意します

遺産分割書類と100万円以下の特例を選びます

相続人が1名のみの場合は遺産分割書類は不要です。相続人が複数いる単独相続では、次のいずれかを用意します。自動車の価格が100万円以下であることを査定証等の写しで確認できる場合は、遺産分割協議成立申立書を使えます。この場合は相続する者が相続人であると確認できれば他の相続人の確認は不要です。

遺産分割関係書類の選択肢です。
書類条件
遺産分割協議書相続人全員の実印を押印します。未成年者は特別代理人の押印が必要です
遺産分割協議成立申立書100万円以下を査定証等の写しで確認できる場合に限り使えます
遺言書公正証書以外は家庭裁判所の検認済みのものを用意します
調停調書・審判書・判決謄本等確定証明書付きなど形式を確認して用意します
遺言書情報証明書該当する場合の選択肢として案内されています

手順で進めます

車検証の所有者欄と有効期間、使用の本拠の管轄を確認し、単独・共同・第三者一括・一時抹消の分岐を決めます。必要な戸籍と遺産分割書類の種類を特定します。

印鑑証明書や住民票が発行後3か月以内か、車庫証明の要否と有効期間を確認します。使用の本拠に変更がない場合は車庫証明書は不要です。管轄変更やナンバー変更希望時は車両の持込みと工具、希望ナンバーの事前予約を確認します。

使用の本拠を管轄する運輸支局等の登録担当窓口へ申請します。第三者への一括はOCR第1号様式2枚と譲渡証明書を同時提出します。手数料納付書の金額は管轄の案内で確認します。

車検切れと管轄差の注意点

車検証の有効期間が過ぎている場合は手続きの順番が変わります。すぐに使用するときは車検を受けてから単独・共同・第三者への手続きをします。すぐに使用しないときは一時抹消登録をしてから、使用時に中古新規登録をします。有効期間切れのまま第三者へ名義変更するときは一時抹消登録の後に所有者変更記録の手続きをします。手数料と車庫証明の有効期間は管轄の案内で確認します。関東では単独700円・第三者一括1400円、北海道では500円と案内が分かれます。車庫証明は証明日から40日以内を目安とし、管轄により1か月以内と案内される場合があります。この記事は普通車・小型車の登録車が対象です。軽自動車は軽自動車検査協会での手続きになり窓口と様式が異なります。

管轄差と対象外の注意です。

  • 手数料の金額は管轄の運輸支局等の最新案内で確認します
  • 車庫証明の有効期間と要否は管轄警察署と運輸支局等で確認します
  • 軽自動車・二輪の相続は対象外として検査協会等の案内を確認します

よくある質問

相続人が1名だけでも遺産分割協議書は必要ですか。

相続人が1名のみの場合は遺産分割書類は不要です。戸籍等で他に相続人がいないことの確認のため原戸籍が必要な場合があります。法定相続情報証明書がある場合は戸籍一式は不要です。

相続した車をそのまま第三者へ譲れますか。

相続と第三者への名義変更を同時に手続きできます。OCR第1号様式を2枚用意し、相続分の書類に加えて相続人の実印を押印した譲渡証明書を用意します。共同相続の場合は相続人全員の書面が必要です。

車検が切れた車も相続の移転登録ができますか。

車検切れのまま通常の移転登録はできません。すぐに使う場合は車検を受けてから相続手続きをします。すぐに使わない場合は一時抹消登録を先に行います。車検証を用意して管轄窓口へ相談します。