通知が届かないときは、まず通知の種類を確認します。関係遺言書保管通知は誰かが閲覧等をした後に届き、指定者通知は遺言者が希望して3名まで指定した方に届きます。どちらも内容は分からないため、最寄りの遺言書保管所で閲覧等の請求が必要です。

症状と前提の確認

この記事は、法務省の自筆証書遺言書保管制度で遺言書が法務局に預けられているはずなのに、相続人等への通知が届かない方と、生前に確実な通知を準備したい遺言者の方向けです。検認や遺言書の内容相談ではなく、通知の仕組みと届かない原因の切り分けを整理します。

まず当てはまる立場を確認します。

  • 遺言者が亡くなり、相続人・受遺者・遺言執行者として通知を待っている
  • 遺言者本人で、家族へ確実に伝わるか心配している
  • 通知を受け取ったが、遺言の内容が分からず次に何をすればよいか知りたい

2種類の通知の違い

通知には関係遺言書保管通知と指定者通知の2種類があります。どちらかは通知の表題で判断できます。主な記載内容は両通知共通で、遺言者の氏名、出生の年月日、保管所の名称、保管番号の4点です。これらは閲覧等の手続に必要な情報です。

2種類の通知の触发条件と事前手続の違いです。
通知の種類届く相手届くきっかけ事前の手続
関係遺言書保管通知閲覧等をした方以外の全ての関係相続人等遺言者死亡後に誰かが閲覧や遺言書情報証明書の交付を受けたとき遺言者・相続人とも特段の手続は不要です
指定者通知遺言者があらかじめ指定した方(3名まで)戸籍連携等で死亡を確認したとき、または証明書交付時遺言者が保管申請時に希望して指定します

関係遺言書保管通知は、誰も閲覧等をしなければ届きません。添付書類から死亡が確認できることが前提です。指定者通知は、希望した場合に限り実施されます。外国籍の方や戸籍が電算対象外の方は、証明書交付時のみ実施される扱いです。いずれも2026年9月17日時点の法務省公式情報で確認しています。

届かないときの確認順

上から順に確認します。当てはまらない原因は飛ばして構いません。

誰も閲覧等をしていない可能性を確認します。関係遺言書保管通知は、関係相続人等のうち誰かが特定の遺言書の閲覧等をしたことがきっかけです。死亡後でも閲覧等がなければ通知はされません。相続人同士で誰か閲覧等をしたかを確認し、未了なら通知待ちではなく閲覧等の請求を検討します。

指定者通知の指定有無を確認します。指定者通知は遺言者が希望し、保管申請時に3名まで指定した場合に届きます。指定がなければ届きません。1名指定後に変更届出で追加もできます。遺言者の保管証の写しや生前の説明で指定の有無を確認します。

住所・氏名等の変更届出漏れを確認します。保管後に遺言者・受遺者・遺言執行者・通知対象者の住所等が変わり、変更届出がされていないと通知が届かないおそれがあります。遺言者本人または法定代理人が全国どこの遺言書保管所でも届出でき、郵送も可能で手数料はかかりません。住民票の写し等で正確な記載を確認します。

外国籍・戸籍の例外を確認します。外国籍の遺言者や戸籍が電算対象外の方は、戸籍連携による死亡確認ができないため、証明書交付時のみ指定者通知が実施されます。該当する場合は、証明書交付の有無を起点に考えます。

保管証と通知の混同を確認します。保管証は保管手続終了後に遺言者へ交付され、氏名・生年月日・保管所名・保管番号が記載されます。再発行はできません。紛失しても通知の仕組み自体は別ですが、保管番号が分からないと閲覧等の請求や撤回・変更届出が不便になります。家族へ写しを渡す方法が確実です。

遺言者が生前にできる確実な準備

通知を確実に届けるため、法務省が協力をお願いしている3点です。

変更届出は遺言者本人または法定代理人が行います。全国どこの遺言書保管所でも手続でき、郵送も可能です。受遺者等に関する変更は証拠書面不要ですが、正確な内容を住民票等で確認して届け出ます。届出がないと閲覧等ができないことや通知が届かないことがあります。

通知を受け取ったら

通知は名宛人に関係する遺言書が保管されていることを知らせるものです。内容確認のため、最寄りの遺言書保管所で閲覧や遺言書情報証明書の交付を請求します。証明書・モニター閲覧は全国312か所のどこでも請求でき、原本閲覧や撤回は原本保管所でのみ可能です。請求時は通知の4点と遺言者の住所・本籍・筆頭者等の情報を準備します。

請求前に次を確認します。

  • 通知の表題が関係遺言書保管通知か指定者通知か
  • 保管所名と保管番号
  • 遺言者の住所・本籍・筆頭者等の情報
  • 最寄りの遺言書保管所の場所と予約の要否

指定者通知を受け取れば誰でも閲覧できますか

できません。指定者通知を受けても、閲覧等ができるのは推定相続人・受遺者等・遺言執行者等に限られます。該当しない方は内容を確認できません。

住所が変わったらどうすればよいですか

遺言者本人または法定代理人が速やかに変更届出をします。全国どこの遺言書保管所でも可能で、郵送もでき、手数料はかかりません。放置すると通知が届かないおそれがあります。

保管証を紛失したら通知は届きませんか

保管証は再発行できません。ただし通知の可否とは別の仕組みです。保管番号が分かると閲覧・撤回・変更届出や相続開始後の証明書請求に便利です。紛失に備えて写しを家族へ渡す方法が案内されています。