マイカー通勤中の事故も、住居と就業の場所の間の合理的な経路・方法による移動であれば通勤災害に該当し、通勤災害用の請求書で所轄の労働基準監督署長へ請求します。
通勤災害の認定ポイント
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 通勤の範囲 | 就業に関し、住居と就業の場所の往復、就業の場所から他の就業の場所への移動などを合理的な経路・方法で行うことです |
| マイカーの方法 | 自動車を本来の用法で使用する方法は、ふだん使っているかどうかを問わず合理的な方法に含まれます |
| 駐車場経由 | マイカー通勤者が駐車場を経由して通る経路も、通勤のためやむを得ず通る合理的な経路とされています |
| 認められない例 | 合理的な理由がなく著しく遠回りとなる経路は合理的な経路となりません |
逸脱・中断に注意します
通勤の途中で立ち寄りや寄り道をした場合の扱いです。
- 逸脱とは、通勤の途中で就業や通勤と関係ない目的で合理的な経路をそれることです
- 中断とは、通勤の経路上で通勤と関係ない行為を行うことです
- 経路近くの公衆便所の使用や、経路上の店でのたばこ・ジュースの購入などささいな行為は逸脱・中断となりません
- 逸脱・中断があるとその後は原則として通勤となりません
日用品の購入、職業訓練や学校教育、選挙権の行使、病院・診療所での診察・治療、要介護状態にある家族の介護を、やむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合は、逸脱・中断の間を除き、合理的な経路に戻った後は再び通勤となります。コンビニでの日用品購入と長時間の買い回りでは扱いが異なりますので、経路と所要時間を整理して所轄署へ説明できるようにします。
マイカー通勤でそろえる請求書式
| 目的 | 通勤災害用の様式 |
|---|---|
| 指定医療機関で無料で治療を受けるとき | 療養給付たる療養の給付請求書 通勤災害用 第16号の3 |
| 立て替えた治療費や通院交通費の支給を受けるとき | 療養給付たる療養の費用請求書 通勤災害用 第16号の5など |
| 療養のため働けず賃金を受けない期間の休業給付を受けるとき | 休業給付支給請求書 通勤災害用 第16号の6 |
請求前にそろえる情報の例です。
厚生労働省の労災補償の案内では、第三者行為災害として通勤途中の交通事故などに係る給付の請求手続が紹介されています。相手方がいるマイカー事故では、通常の請求書に加えて第三者行為災害の届出が必要になる場合がありますので、所轄署へ確認します。
提出先と請求の手順
住居と就業の場所、経路、駐車場経由の有無、逸脱・中断の有無を整理し、通勤に該当するかを東京労働局などの要件に沿って確認します。判断が難しいときは所轄署へ相談します。
主要様式ダウンロードコーナーから通勤災害用の第16号の3、第16号の5、第16号の6など目的に合う様式を選びます。仕事が原因の第5号、第7号、第8号と取り違えないようにします。
請求人欄、災害発生日、通勤経路、療養期間、休業期間などを記入します。記載方法が不明な場合は、労災保険相談ダイヤルや所轄署へ確認します。
所轄の労働基準監督署長へ窓口または郵送で提出します。すでに請求している分の進捗確認は所轄の労働局または労働基準監督署へ照会します。
請求期限は2年です
| 給付 | 時効の起算と期間 |
|---|---|
| 療養の費用の支給 | 療養の費用を支出した日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年 |
| 休業給付 | 賃金を受けない日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年 |
よくある質問
いつもと違う道を通った場合はどうなりますか。
普段と異なる迂回でも、当日の交通事情による迂回や駐車場経由など通勤のためやむを得ず通る経路は合理的な経路とされています。一方、合理的な理由がなく著しく遠回りとなる経路は認められません。当日の交通規制や渋滞、駐車場の位置を説明できるようにします。
途中で店や病院に寄った場合はどうなりますか。
日用品の購入、診察・治療、選挙、職業訓練、要介護家族の介護などをやむを得ない事由で最小限度の範囲で行い、合理的な経路に戻った後は再び通勤となります。ただし逸脱・中断の間は通勤となりません。立ち寄り先、目的、所要時間を記録します。
相手方がいるマイカー事故の場合は何が違いますか。
相手方がいる交通事故では、通常の療養・休業の請求に加えて第三者行為災害の届出が必要になる場合があります。厚生労働省の労災補償の案内でも通勤途中の交通事故などが第三者行為災害として案内されていますので、事故証明や相手方情報を整理して所轄署へ確認してください。
公式情報と確認日
この記事は、東京労働局「通勤災害について」、厚生労働省「主要様式ダウンロードコーナー」「労災保険の各種給付の請求はいつまでできますか」「労働災害が発生したとき」「労災補償」を2026年9月3日に確認して作成しています。個別の認定や必要な追加書類は所轄の労働基準監督署へ確認してください。
次にすること
まず通勤経路と利用方法、駐車場経由や迂回、立ち寄りの有無を書き出します。次に通勤災害用の様式を選び、医療機関の資料と休業・賃金の記録をそろえて、所轄の労働基準監督署へ提出します。相手方がいる場合は第三者行為災害の届出の要否も合わせて確認します。
労災の休業給付の申請方法を確認する休業給付の支給要件や待期期間の扱いは、既存の休業給付の記事で確認できます。労働者死傷病報告の期限と提出方法を確認する事業主が行う死傷病報告は、被災労働者本人の労災請求とは別手続きです。