結論:寡婦控除は27万円、ひとり親控除は35万円です。年末調整では令和7年分 給与所得者の扶養控除等申告書の「寡婦」「ひとり親」「生計を一にする子」欄に該当する1か所へチェックを入れ、勤務先へ提出します。ひとり親は事実婚なし・生計を一にする子(総所得48万円以下、令和7年分から58万円)あり・合計所得500万円以下の3要件をすべて満たす方が対象、寡婦はひとり親以外で離婚後扶養親族あり等に該当する方が対象です。国税庁の令和7年4月1日現在情報で判定します。

手続きの概要

寡婦控除・ひとり親控除は、年末調整または確定申告で所得から差し引く所得控除です。給与所得者は通常、年末調整で扶養控除等申告書に記載して勤務先で控除を受けます。寡婦とひとり親は重複せず、ひとり親に該当する場合はひとり親控除が優先し、寡婦控除は適用されません。扶養控除等申告書は所得税と個人住民税の申告を兼ねています。

対象者と控除額の違い

寡婦・ひとり親の要件と控除額(令和7年4月1日現在)
区分控除額主な要件
ひとり親控除35万円婚姻なし・事実婚なし/生計を一にする子あり(子48万円以下→R7分58万円)/合計所得500万円以下
寡婦控除27万円ひとり親に該当しないこと/①離婚後婚姻なしで扶養親族あり500万円以下 または ②死別後婚姻なし等で500万円以下

判定フロー:あなたはどちらに該当しますか

ひとり親→寡婦の順で判定します

  1. 12月31日時点で婚姻していない、または配偶者の生死が明らかでない一定の状態ですか。いいえなら対象外です。
  2. 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人がいませんか。いる場合は対象外です。
  3. 生計を一にする子(総所得48万円以下、令和7年分から58万円、同一生計配偶者・扶養親族でない)がいますか。いる+合計所得500万円以下なら「ひとり親控除」35万円です。
  4. 子要件を満たさず、ひとり親に該当しない場合で、離婚後婚姻なしで扶養親族がいる(500万円以下)または死別後婚姻なし等(500万円以下)なら「寡婦控除」27万円です。
  5. いずれにも該当しない場合は控除の対象外です。

令和7年分 扶養控除等申告書の書き方【3つのチェック欄】

申告書は国税庁の令和7年分様式を使用します。用紙中央付近の「寡婦」「ひとり親」「生計を一にする子」欄に該当する箇所へチェックします。

該当する控除にチェックを入れる

ひとり親に該当する場合は「ひとり親」欄、寡婦に該当する場合は「寡婦」欄にチェックします。両方に該当することはなく、ひとり親が優先します。

生計を一にする子を記載する

ひとり親控除の要件となる子がいる場合は、申告書中段の「生計を一にする子」欄に子の氏名・続柄・生年月日・住所・所得の見積額を記載します。この欄はひとり親だけでなく、寡婦で扶養親族である子を要件とする場合にも関係します。

その他の扶養親族欄と整合させる

子が扶養親族(16歳以上等)に該当する場合は、下部の「控除対象扶養親族」欄等にも記載が必要ですが、寡婦・ひとり親の判定では「生計を一にする子」と「扶養親族」は別要件です。申告書の記載要領どおりに分けて記入します。

提出期限と提出先

給与所得者は、その年の最初の給与支払日の前日までに勤務先へ扶養控除等申告書を提出します。実務上は年末調整時に勤務先が定める期限(多くは11月下旬〜12月上旬)に提出します。提出先は勤務先のみで、税務署や市区町村へ直接提出する必要はありません。勤務先が年末調整で控除を適用し、給与支払者を経由して税務署長・市区町村長へ提出されます。年の中途で異動があった場合は異動申告として再提出します。

年末調整に間に合わなかった・年末調整後に該当がわかった場合

年末調整で申告し忘れた場合は、翌年の確定申告で寡婦控除・ひとり親控除を申告できます。還付申告は5年間可能です。確定申告書の寡婦・ひとり親欄に記載し、第一表の所得控除欄へ金額(寡婦27万円/ひとり親35万円)を記入します。

よくある誤解と注意点

混同しやすいポイント

  • 寡婦控除は女性のみが対象です。男性の「寡夫控除」は令和2年改正でひとり親控除に統合され、現在は存在しません。
  • 合計所得500万円超の方は寡婦・ひとり親いずれも対象外です。給与収入のみの場合は給与所得控除後の金額で判定します。
  • 子の所得は総所得金額等で判定し、令和7年分から58万円以下です。48万円の古い情報に注意してください。
  • 住民税でも同額の控除(寡婦26万円・ひとり親30万円)が適用されますが、本記事は所得税の申告に焦点を当てています。

チェックリスト:提出前に確認

提出直前の最終確認

離婚して子どもがいますが、寡婦とひとり親のどちらになりますか?

ひとり親の3要件(事実婚なし・生計を一にする子あり・合計所得500万円以下)をすべて満たせば「ひとり親控除」35万円が適用され、寡婦には該当しません。子要件を満たさない場合に寡婦の要件を判定します。

子の所得が48万円を超えるとひとり親になれませんか?

令和6年分までは48万円以下が要件でしたが、令和7年分から58万円以下に引き上げられました。令和7年分の年末調整では58万円以下で判定してください。2026年9月2日時点の国税庁情報に基づきます。

年末調整で出し忘れたらどうなりますか?

翌年の確定申告で寡婦控除27万円またはひとり親控除35万円を申告できます。確定申告書に該当欄を記載し、5年以内の還付申告で対応可能です。

次の手続き:該当する方は年末調整の申告書を勤務先の期限内に提出してください。年末調整を過ぎた場合は確定申告(還付申告)で控除を適用し、翌年以降も該当が続く場合は毎年申告が必要です。