結論として、生命保険料控除証明書の電子データは、①保険会社のマイページ等からXMLファイルをダウンロードして年調ソフトへ取り込む方法、②マイナポータル連携で一括取得して年調ソフトへ連携する方法のいずれかで勤務先へ電子提出できます。勤務先が電子提出に対応していない場合は、QRコード付証明書等作成システムでQRコード付の書面に変換して提出します。いずれも平成31年1月以降に国税庁が認めた正式な方法です。
手続きの概要
従来は保険会社からハガキ等の書面で交付された控除証明書を保管し、申告書に添付する必要がありました。平成31年1月以後は電子データ(電子的控除証明書等)での交付が可能になり、確定申告書等作成コーナー(e-Tax)への添付や、年末調整での勤務先への電子提出ができるようになりました。令和2年10月からはマイナポータル連携で複数の控除証明書を一括取得し、自動入力できるようになっています。
電子データ提出の主なルート
- ルートA:保険会社のマイページ・契約者サイトからXMLファイルをダウンロードし、年調ソフトへ取り込む
- ルートB:マイナポータル連携で生命保険料控除証明書等を一括取得し、年調ソフトへ自動連携する
- ルートC:勤務先が電子未対応の場合は、QRコード付証明書等作成システムでQRコード付の書面を作成して提出する(パソコン推奨、スマートフォンは推奨環境外)
対象者
年末調整で生命保険料控除を受ける給与所得者で、加入している生命保険会社が電子的控除証明書の発行に対応している方が対象です。対応状況は各保険会社の契約者向けページで確認できます。
対象者の確認ポイント
- 給与所得者の保険料控除申告書を勤務先へ提出する方
- 生命保険料控除・地震保険料控除・寄附金控除等の電子的控除証明書の発行元が電子交付に対応している方
- 勤務先が年末調整手続の電子化(年調ソフトのデータ取込み)に対応しているか、対応していないかで提出方法が分かれます
期限・提出先・対応方式の確認
| 確認項目 | 内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 提出期限 | 勤務先が定める年末調整書類提出期限(通常12月上旬〜中旬) | 勤務先の給与担当 |
| 提出先 | 勤務先(給与支払者)へ年調ソフトのデータまたはQRコード付書面を提出 | 勤務先 |
| 電子対応の有無 | 勤務先の給与システムが年調ソフトのデータ取込みに対応しているか | 勤務先の年末調整案内・給与システム担当 |
必要書類・データ
提出前に揃えるもの
手順1:勤務先の対応方式を確認する
勤務先の年末調整案内で、電子的控除証明書のデータ提出が可能か確認します。対応している場合は年調ソフトの利用が案内され、対応していない場合は書面(QRコード付証明書)での提出が案内されます。
手順2:電子データを取得する(2つの方法)
【マイナポータル連携を使う場合】事前にマイナポータル連携の設定を行い、控除証明書等を一括取得します。複数の保険会社の証明書を一度に取得でき、年調ソフトへ自動連携できます。設定方法は国税庁のマイナポータル連携特設ページをご確認ください。
【保険会社から直接取得する場合】各生命保険会社の契約者サイト・マイページから、電子データ(XMLファイル)をダウンロードします。発行期間は会社により異なりますが、一般に9月〜翌年3月頃に取得可能です。
手順3:年調ソフトで申告書データを作成する
年調ソフトに取得したXMLファイルを取り込み、給与所得者の保険料控除申告書データを作成します。控除額の計算はソフトが自動で行うため、手書き計算は不要です。
手順4:勤務先へ提出する
勤務先が電子対応している場合は、年調ソフトで作成した申告書データを勤務先へ電子提出します。勤務先の給与システムがデータ取込みに対応している必要があります。対応していない場合は次のQR切替へ進みます。
勤務先が電子未対応の場合:QRコード付証明書への切替
e-Taxで電子申告できない場合や勤務先が電子受付できない場合などは、パソコンでQRコード付証明書等作成システムを利用し、電子的控除証明書をQRコード付の書面に変換して提出します。スマートフォンは推奨環境外のため、パソコンでの利用が推奨されています。出力した書面を保険料控除申告書に添付して勤務先へ提出します。
注意点・よくある失敗
注意点
- 保険会社ごとに電子データの取得開始時期が異なります。年末調整直前に慌てないよう、10月以降に早めに取得します。
- マイナポータル連携を利用するには事前設定が必要です。年末調整時期に初めて設定しようとすると間に合わない場合があります。
- 勤務先の給与システムが年調ソフトのデータに対応していないと、電子データを受け付けてもらえません。事前に勤務先へ確認します。
- QRコード付証明書等作成システムはパソコン推奨です。スマートフォンでは正常に作成できないおそれがあります。
よくある質問
マイナポータル連携と保険会社から直接ダウンロードする方法はどちらが良いですか?
複数の保険会社から控除証明書を取得する場合は、マイナポータル連携で一括取得すると手間が少なくなります。1社のみの場合や、マイナポータル連携の設定が間に合わない場合は、保険会社のサイトから直接XMLを取得する方法が確実です。いずれも法的効力は同じです。
勤務先が年末調整の電子化に対応しているか分かりません。
勤務先の年末調整案内や給与担当へご確認ください。国税庁の案内では、勤務先の給与システム等が年末調整申告書データの取込みに対応している必要があります。対応していない場合は、QRコード付証明書に変換して書面で提出します。
電子データを紛失しました。再発行はできますか?
はい。保険会社のマイページから再ダウンロードするか、マイナポータル連携で再取得できます。書面の再発行を待つ必要がなく、電子データは何度でも取得できるのがメリットです。
次の手続き・関連情報
住宅ローン控除の初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で手続きできます。借換えをした場合は残高証明書が2枚届くことがあり、合算方法に注意が必要です。また、地震保険料控除や寄附金控除でも同様に電子データの利用が可能です。