生命保険料控除証明書を貼り忘れた場合、その年最後の給与の前日までで会社が年末調整を計算する前なら、保険料控除申告書を作り直して証明書を添えて勤務先に差し替えてもらえます。計算後や年を越した後は、翌年1月1日から5年以内の還付申告(確定申告)で控除を取り戻せます。e-Taxなら証明書の添付を省略し5年間保存します。

結論:気づいたタイミングで分岐します

貼り忘れに気づいたタイミングと対応
気づいたタイミング対応提出先
その年最後の給与の前日まで・年末調整計算前保険料控除申告書を再作成し証明書を添えて差し替え勤務先の担当者
年末調整の計算後〜12月末会社に再計算の可否を相談。不可なら還付申告へ勤務先/所轄税務署
翌年1月以降還付申告(確定申告)で5年以内に申告所轄税務署・e-Tax

手続きの概要

給与所得者が年末調整で生命保険料控除を受ける手続きは「給与所得者の保険料控除申告書」を給与支払者へ提出し、生命保険料などの支払金額を証する書類(控除証明書)を1部添付するものです。申告書は本来給与支払者を経由して税務署長へ提出されますが、通常は給与支払者が保管します。提出時期はその年最後に給与の支払を受ける日の前日までです。

対象者

この記事の対象者

  • 会社員・パート・アルバイトなどで勤務先で年末調整を受ける給与所得者
  • 年末調整で保険料控除申告書に生命保険料控除証明書を貼り忘れた・添付し忘れた方
  • 証明書を紛失・再発行待ちで間に合わなかった方にも参考になります

貼り忘れに気づいたときの分岐を詳しく

期限と対応の考え方

  • 提出期限(その年最後の給与の前日)前で、まだ会社が年末調整の計算をしていない場合:再作成した申告書と証明書を勤務先へ提出し差し替えてもらえます。
  • 会社が既に年末調整を計算し源泉徴収票を作成した後:会社側で再年調ができるかは勤務先の運用によります。可否をまず担当部署へ確認します。
  • 再年調ができない場合や年を越した場合:還付申告として確定申告で控除を追加します。還付申告はその年の翌年1月1日から5年間提出できます。

手順1:いまの状況を確認する

確認チェックリスト

手順2:期限前・計算前なら会社へ差し替えを依頼する

会社へ差し替える手順

  1. 勤務先の年末調整担当者に「保険料控除証明書を添付し忘れたため差し替えたい」旨を連絡します。
  2. 給与所得者の保険料控除申告書を再作成します。訂正は二重線ではなく、原則として新しい用紙に正しく書き直します。
  3. 証明書(原本)を申告書に添付して提出します。電子的に提出できる勤務先では、年調ソフトやPDFの再アップロード指示に従います。
  4. 会社が年末調整を再計算し、控除が反映された源泉徴収票が再発行されます。

手順3:年末調整後に気づいたら還付申告(確定申告)で取り戻す

還付申告の手順

  1. 確定申告書等作成コーナー(e-Taxまたは書面)で申告書を作成します。給与所得と生命保険料控除の欄に証明書の金額を正しく入力します。
  2. 申告書に添付・提示すべき書類として、生命保険料控除の支払額等の証明書を添付または提示します。e-Taxで提出する場合は第三者作成書類の添付省略が可能で、その場合は証明書を5年間保存します。
  3. 本人確認書類(マイナンバーカードの写し等)を添付または提示します。
  4. 所轄税務署へe-Taxで送信するか、郵送・窓口で提出します。還付申告は確定申告期間(翌年2月16日〜3月15日)に関係なく、翌年1月1日から5年以内ならいつでも提出できます。

必要書類

還付申告・差し替えで用意するもの

  • 給与所得者の保険料控除申告書(再作成分。勤務先提出用)または確定申告書(税務署提出用)
  • 生命保険料控除証明書(紙の原本または電子データ)。旧生命保険料で1契約9,000円以下のものは添付不要の例外があります
  • 給与所得の源泉徴収票(還付申告時に所得・源泉徴収税額の確認に使用)
  • 本人確認書類(マイナンバーカードの表面・裏面の写し、または通知カード+運転免許証等)
  • 還付金の受取口座情報

e-Taxと証明書の保管に関する注意

e-Taxで確定申告書を提出する場合、生命保険料控除証明書などの第三者作成書類は添付を省略できます。省略した場合は、証明書等の原本を5年間保存し、税務署から提示・提出を求められたときに対応できるようにします。マイナポータル連携で控除証明書データを自動入力した場合も、データの保存と内容の確認が大切です。

会社に再提出するときの書き方と訂正方法

保険料控除申告書に記入誤りや添付漏れがあった場合、安易に二重線で訂正せず、新しい用紙に正しく書き直して提出することが確実です。国税庁の様式は令和7年分と令和8年分で一部改正点があります。令和8年分の所得税について令和8年11月30日以前に年末調整を行う場合の特例(所得要件の読み替え)にも注意し、最新の様式と記載例を使用します。

よくある失敗と注意点

提出先と相談窓口

提出先と相談先

  • 差し替え・再年調の可否:勤務先の人事・給与・年末調整担当者へ確認します。
  • 還付申告の手続き:納税地を所轄する税務署へ提出します。作成は確定申告書等作成コーナーが便利です。
  • 一般的な税の相談:国税庁のタックスアンサーや電話相談センター(国税局電話相談センター)を利用できます。

よくある質問

年末調整の計算後に会社で直してもらえませんでした。どうすればよいですか?

還付申告として確定申告で生命保険料控除を追加できます。翌年1月1日から5年以内に所轄税務署へ申告書と証明書を提出(e-Taxなら添付省略可)してください。年末調整で控除し忘れても、確定申告で取り戻せます。

生命保険料控除証明書を紛失して年末調整に間に合いません。

保険会社に再発行を依頼し、間に合わない場合は還付申告で対応できます。電子データで交付されている場合は、マイナポータル連携や保険会社のマイページから再交付データを取得できることもあります。再発行の受付期間は保険会社により異なります。

e-Taxで還付申告する場合、証明書の原本は必要ですか?

e-Taxで提出する場合は証明書の添付を省略できますが、原本(または電子データ)は5年間保存が必要です。税務署から提示を求められた際に提出できるように保管してください。書面提出の場合は、添付書類台紙に貼って申告書と一緒に提出します。

当記事は国税庁の公式情報(A2-3 給与所得者の保険料控除の申告、No.2030 還付申告、令和6年分申告書に添付・提示する書類)を2026年8月26日に確認して作成しています。制度は改正されることがあります。最新の様式と適用年分は必ず国税庁の掲載ページでご確認ください。個別の税額計算や適用可否は所轄税務署へご相談ください。