年末調整の基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書を書き間違えたときは、誤った箇所を二重線で消して正しい内容を書き直します。訂正印は不要で、修正液や修正テープ、消せるボールペンは使えません。勤務先へ提出する前であればその場で訂正でき、提出後は翌年1月31日までに会社へ訂正後の申告書を再提出すれば年末調整をやり直せます。1月31日を過ぎた場合は確定申告で修正します。

訂正の基本ルール

訂正の基本

  • 誤った文字や数字を二重線で抹消し、余白または正しい欄に正しい内容を記入する
  • 訂正印は不要(令和3年度の押印義務見直し以降)
  • 修正液・修正テープ・砂消しゴムは使わない
  • 黒ボールペンで記入し、鉛筆や消せるボールペンは使わない
  • 枠からはみ出さず、読みやすく記入する

いつ・どこへ訂正を出すか

提出タイミングと提出先
タイミング提出先方法
勤務先へ提出する前自分の手元二重線で訂正してそのまま提出
勤務先へ提出した後〜翌年1月31日まで勤務先の年末調整担当訂正後の申告書を再提出し会社で年末調整を再計算
翌年2月1日以降住所地の所轄税務署従業員本人が確定申告(e-Tax・郵送・窓口)で修正

会社が年末調整をやり直せるのは、給与支払報告書と法定調書合計表を市区町村と税務署へ提出する翌年1月31日までが目安です。多くの会社では1月中旬までに訂正の申出を求めています。

基礎控除申告書で訂正が多い箇所

訂正が多い箇所

  • 本人の本年中の合計所得金額の見積額(基礎控除の判定に関わる)
  • 配偶者の本年中の合計所得金額の見積額(配偶者控除・配偶者特別控除の判定)
  • 特定親族特別控除の対象となる19歳以上23歳未満の親族の所得見積額
  • 所得金額調整控除の適用区分
  • 住所・氏名・個人番号の転記ミス

手順1:提出前に気づいたとき

誤りに気づいた箇所を二重線で消し、正しい数字や区分を近くに書き直します。訂正箇所が多い場合は新しい用紙に書き直す方が読みやすくなります。

配偶者や親族の所得見積額を直すときは、給与明細や年金振込通知書などで年間の見積額を再計算し、基礎控除等の控除額が変わらないか確認します。令和7年分は基礎控除等の見直しがあるため、見積額の判定に注意してください。

手順2:会社へ提出した後に気づいたとき

速やかに勤務先の担当者へ連絡し、訂正後の基礎控除申告書を再提出できるか確認します。会社が年末調整の再計算に対応できる場合は、訂正後の申告書と差異が分かるメモを提出します。

会社で再計算された結果、源泉徴収票の金額が変わる場合は、訂正後の源泉徴収票を受け取ります。給与支払報告書も市区町村へ再提出されるため、特に手続きは不要ですが、住民税の決定通知が訂正される場合があります。

手順3:1月31日を過ぎてから気づいたとき

1月31日を過ぎると会社での年末調整のやり直しはできません。従業員本人が翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間に、住所地の所轄税務署へ確定申告書を提出して所得税を正しく計算し直します。確定申告では基礎控除等の正しい控除額で申告すれば、払い過ぎた所得税は還付されます。

訂正前チェックリスト

訂正前チェックリスト

よくある質問

訂正印は本当に不要ですか。

はい、不要です。令和3年度の押印義務見直しにより、年末調整の申告書は押印が不要になり、訂正時の訂正印も不要とされています。二重線のみで訂正できます。会社が独自に訂正印を求める場合でも、法的には二重線のみで有効です。

所得の見積額を間違えるとどうなりますか。

見積額の誤りにより基礎控除や配偶者控除等の控除額が変わると、年末調整の所得税額が正しく計算されません。1月31日までに会社へ訂正を申し出れば再計算できますが、過ぎた場合は確定申告で正しい控除額により申告し直す必要があります。

会社に訂正を断られたらどうすればよいですか。

会社が1月31日を過ぎて年末調整の再計算に応じられない場合は、従業員本人が確定申告で修正します。確定申告期間は翌年2月16日から3月15日です。e-Tax、郵送、税務署窓口のいずれかで手続きできます。

次の手続きへ

基礎控除申告書の訂正後は、扶養控除等申告書や保険料控除申告書にも誤りがないか確認してください。給与支払報告書の提出期限である1月31日を過ぎてしまった場合は、市区町村への提出方法と特別徴収への影響を別記事で確認できます。