出産手当金は遅れても休んだ日ごとに翌日から2年以内なら請求できます。まず対象期間と時効残を確認し、分割申請で回復します。
対象かどうかの確認
出産手当金は、出産のために会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった被保険者が対象です。被扶養者として加入している方は対象外です。対象期間は、出産の日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、実際に会社を休んだ期間です。出産日は出産の日以前の期間に含まれます。出産が予定日より遅れた場合は、その遅れた期間も支給対象になります。給与の一部が支払われている場合は、出産手当金の日額より少ないときに差額が支給されます。出産手当金と傷病手当金を同時に受けられるときは、出産手当金が優先され、傷病手当金の額が多いときに差額が傷病手当金として支給されます。
時効の数え方
健康保険の現金給付を受ける権利は、2年を経過したときに時効により消滅します。出産手当金の起算日は、労務に服さなかった日ごとにその翌日です。まとめて2年ではなく、休んだ日ごとに翌日から2年を数えます。古い日から順に時効が完成するため、遅れた場合は古い日分から請求できなくなります。産前・産後の全期間が一括で消えるわけではありません。まず請求したい期間のうち、最も古い休業日の翌日から2年が残っているかを確認します。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 消滅時効の期間 | 2年 |
| 出産手当金の起算日 | 労務に服さなかった日ごとにその翌日 |
| 数え方の特徴 | 日ごとに時効が進行し過ぎた日分から消滅する |
遅れたときの回復手順
請求期間を確定します。出産日・出産予定日・多胎の有無から、産前42日または98日と産後56日の範囲を確認し、実際に出勤せず給与がなかった日を洗い出します。出産日は産前に入ります。
時効残を確認します。最も古い休業日の翌日から2年以内かを判定します。残っている日分は請求できます。過ぎた日分は請求対象から外します。
分割申請を検討します。産前分・産後分など複数回に分けて申請できます。時効が近い古い期間から先に提出すると、消滅を防ぎやすくなります。
証明をそろえます。医師または助産師の証明は、1回目の申請が出産後で出産日等が確認できたときは、2回目以降の省略が可能です。事業主の証明欄は分割しても毎回証明が必要です。加入する保険者が出勤簿・賃金台帳の写しを求める場合は準備します。
加入先へ提出します。協会けんぽの方は加入する支部へ、健康保険組合の方は加入する組合へ提出します。被保険者が事業主を経由して提出する扱いの保険者もあります。提出後は支給決定通知書などで結果を確認します。
必要書類と提出先
回復に必要な書類と提出先の要点
- 健康保険出産手当金支給申請書を用意します
- 医師または助産師の証明を受けます(2回目以降の省略条件を確認します)
- 事業主の証明を受けます(分割申請では毎回必要です)
- 出勤簿・賃金台帳の写しは加入する保険者の案内で要否を確認します
- 提出先は協会けんぽ支部または加入する健康保険組合です
退職後の継続との区別
退職後の期間も請求できる場合があります。資格喪失日の前日までに被保険者期間が継続して1年以上あり、資格喪失時に出産手当金を受けているか受ける条件を満たしているときに、引き続き支給を受けられます。退職日に出勤したときは、資格喪失後の出産手当金は支払われません。退職を挟む場合は、通常の遅れとは別にこの2点を満たすかを確認します。任意継続被保険者の期間は1年の通算に含みません。
よくある質問
産前・産後をまとめて申請する必要はありますか
まとめて申請する必要はありません。産前分・産後分など複数回に分けて申請できます。ただし事業主の証明欄は毎回証明が必要です。時効が近い期間から先に出す方法も可能です。
医師の証明は毎回必要ですか
1回目の申請が出産後であり、証明によって出産日等が確認できたときは、2回目以降の申請書への医師または助産師の証明は省略可能です。初回が産前のみの場合は省略できません。
出産育児一時金と同時期でも請求できますか
出産手当金と出産育児一時金は別の給付で、要件を満たせばそれぞれ請求できます。出産育児一時金は医療機関への直接支払制度など手続きが異なるため、混同している場合は加入する保険者の案内で請求先を確認します。