学生納付特例を利用中に会社員など厚生年金に加入すると、国民年金の切り替えは勤務先が厚生年金の加入手続きで行うため、あなた自身での国民年金種別変更届は不要です。4月初めに日本年金機構から届いた国民年金保険料納付書のうち、厚生年金に加入した月以降の分は納める必要がなく破棄して構いません。学生納付特例の承認を受けた期間は老齢基礎年金の受給資格期間に含まれ、10年以内であれば追納で年金額に反映できます。2026年8月28日確認の公式情報で手順を整理しました。

結論:就職後の国民年金切り替えは会社が手続きします

日本年金機構の学生納付特例制度は、在学中の国民年金保険料の納付を猶予する制度です。卒業後に民間企業など厚生年金適用事業所へ就職すると、事業主が「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を管轄の年金事務所へ届け出ることで、あなたは自動的に国民年金の第2号被保険者になります。加入した月から厚生年金保険料が給与から天引きされ、その期間は別途国民年金保険料を納める必要はありません。

対象者とよくある状況を整理します

この記事は次のような方を対象にしています。ご自身の状況に当てはまるかご確認ください。

対象者

  • 大学・大学院・短大・専門学校等で学生納付特例の承認を受けていた方(令和7年度分などで4月~翌年3月を承認)
  • 令和8年3月に卒業し、令和8年4月以降に会社員・公務員として就職し厚生年金に加入する方
  • 4月初めに日本年金機構から国民年金保険料納付書が届いたが、厚生年金加入月以降も払う必要があるか迷っている方
  • 学生納付特例期間を将来どう扱うか(追納するかどうか)を検討したい方

国民年金の種別が第1号から第2号へ自動で切り替わる仕組み

日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の方は国民年金の被保険者です。学生は原則として国民年金の第1号被保険者ですが、厚生年金適用事業所に就職すると第2号被保険者へ切り替わります。この切り替えは事業主の届出で行われ、全国共通の原則です。

卒業後の進路別 手続きと納付の違い
進路国民年金の種別ご自身の手続き納付の扱い
会社員・公務員(厚生年金加入)第2号被保険者不要(勤務先が年金事務所へ届出)加入月以降は国民年金保険料の納付不要、納付書は破棄
自営業・フリーランス・農林漁業等第1号被保険者必要に応じ免除・納付猶予を相談毎月納付または承認されれば猶予
大学院等へ進学第1号被保険者(学生)学生納付特例の再申請が必要(4月~翌年3月)承認期間は納付猶予、未申請なら納付義務
無職・求職中第1号被保険者免除・納付猶予制度を検討(7月~翌年6月)承認されれば納付猶予、所得審査あり
扶養に入る(配偶者の第3号)第3号被保険者配偶者の勤務先経由で手続きご自身での国民年金納付不要

会社員として就職する場合、入社日が属する月から厚生年金の被保険者になります。例えば4月1日入社なら4月分から厚生年金、3月31日退学で4月1日入社でも同様です。日割りではなく月単位での切り替えである点を押さえてください。

4月に届いた国民年金保険料納付書が手元にあるときの確認手順

毎年4月初めに日本年金機構から1年分の納付書がまとめて届くことがありますが、厚生年金に加入した後は一部が不要になります。次の順で確認します。

厚生年金に加入した月を確認します。入社日が属する月です。辞令や雇用契約書、給与明細の厚生年金控除開始月でも確認できます。

手元の国民年金保険料納付書の対象月を確認します。納付書には「令和8年4月分」など月が印字されています。

厚生年金加入月以降の納付書は納めずに破棄します。加入月前の分で、すでに学生納付特例の承認を受けていない月があれば、その月は納付または免除等の相談が必要です。

もし厚生年金加入月以降の国民年金保険料を誤って納めてしまった場合は、年金事務所へご相談ください。過誤納として還付の対象になることがあります。早めにねんきん加入者ダイヤルまたは年金事務所へお問い合わせください。

学生納付特例期間の扱いと追納の考え方

学生納付特例の承認を受けた期間は、将来の老齢基礎年金を受け取るための受給資格期間(10年)には含まれますが、年金額の計算には反映されません。満額に近づけたい場合は追納を検討します。

追納のポイント

  • 追納できるのは追納が承認された月の前10年以内の承認期間に限られます
  • 翌年度から起算して3年度目以降に追納すると当時の保険料に加算額が上乗せされます(令和6・7年度分は加算なし)
  • 納付猶予・学生納付特例の期間を1年間追納すると、老齢基礎年金が年額で約2万円増えます(日本年金機構試算)
  • 追納した保険料は全額が社会保険料控除の対象で、年末調整や確定申告で所得税・住民税が軽減されます
  • 追納の申込先はお近くの年金事務所で、納付は届いた納付書で金融機関・コンビニ・スマホアプリ等で行います(口座振替・クレジット不可)
  • 原則として古い承認期間から納付します。免除期間と猶予期間の両方がある場合は年金事務所にご相談ください
追納保険料の目安(令和8年度中に追納する場合)
対象年度の月分学生納付特例・全額免除等の追納額(1か月)加算の有無
令和5年度の月分16,770円加算あり(3年度目以降)
令和6年度の月分16,980円加算なし
令和7年度の月分17,510円加算なし

上記は令和8年度中に追納する場合の例です。実際の金額は追納する年度や経過年数により異なります。最新の金額は「国民年金保険料の追納制度」ページでご確認ください。老齢基礎年金を受給できる方は追納できません。

手続きが不要なケースと必要なケースの分岐

就職後も学生納付特例が自動で続くことはありません。進路ごとに必要な行動が異なります。

就職後の分岐チェック

問い合わせ先と必要な持ち物(相談する場合)

就職後の切り替え自体であなたが窓口へ行く必要はありませんが、納付書の扱いや追納の相談で問い合わせる場合の窓口は次のとおりです。

問い合わせ先

  • 勤務先の総務・人事・労務担当:厚生年金加入手続きの進捗、資格取得日の確認
  • 住民登録のある市区町村の国民年金担当窓口:学生納付特例の再申請や免除の相談
  • お近くの年金事務所:追納の申込み、過誤納の還付、二重払いの確認
  • ねんきん加入者ダイヤル 0570-003-004:一般的な制度相談

学生納付特例の新規申請や追納の申込みで窓口へ行く際は、マイナンバーカード(または通知カード等の番号確認書類と運転免許証等の身元確認書類)と、学生証の写しまたは在学証明書(原本)をお持ちください。郵送や電子申請(マイナポータル経由)も利用できます。

注意点・よくある誤解

注意点

  • 学生納付特例の申請が遅れると、申請日前に事故や病気で障害を負った場合に障害基礎年金を受け取れないことがあります。すみやかに申請してください
  • 学生納付特例の申請は1枚につき4月~翌年3月の12か月分までです。複数年度を希望する場合は年度ごとに申請書が必要です
  • 過去の期間は納付期限から2年(申請時点から2年1か月前)まで遡って申請できますが、期限を過ぎると申請できません
  • 追納申込書を期限直前に提出すると、10年期限に間に合わず追納できなくなることがあります。早めに年金事務所へご相談ください
  • 口座振替の早割や前納は追納には利用できません。追納は納付書のみです
  • 納付書の二重払いに気づかず放置すると還付までに時間がかかります。加入月以降は納付しないことが最も確実です

次のステップ:今すぐ確認すること

就職が決まったら、次の3点を確認して手続き漏れを防ぎます。

卒業・就職時のチェックリスト

学生納付特例を承認された年度の途中で就職したら、残りの月はどうなりますか?

就職して厚生年金に加入した月以降は国民年金保険料を納める必要がなく、学生納付特例の対象外になります。例えば令和7年度分(令和7年4月~令和8年3月)で承認を受け、令和7年10月に就職して厚生年金に加入した場合、10月以降の国民年金保険料は不要で、4~9月は特例承認期間として受給資格期間に含まれます。10月以降の納付書は破棄してください。

国民年金保険料納付書を誤って厚生年金加入月以降も払ってしまいました。返金されますか?

二重に納めた国民年金保険料は過誤納として還付の対象になることがあります。お近くの年金事務所へご相談ください。金融機関等の領収書や納付記録が確認できると手続きが円滑です。今後は厚生年金加入月以降の納付書は納めないようにしてください。

大学院へ進学する場合は、学生納付特例は自動で続きますか?

自動では続きません。新たに進学した大学院の在学証明書または学生証の写しを添えて、改めて学生納付特例を申請する必要があります。申請期間は4月~翌年3月で、1枚の申請書につき1年度分です。住民登録のある市区町村の国民年金窓口、年金事務所、在学中の学校(代行事務許可校)、郵送、電子申請で提出できます。

出典と確認日

当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は、管轄の年金事務所、住民登録のある市区町村の国民年金窓口、勤務先の担当部署の最新案内をご確認ください。