結論:国民健康保険の加入者がマイナ保険証等を提示できず医療費を10割負担したときは、支払日の翌日から2年以内に市区町村へ療養費支給申請をします。審査で認められた額から自己負担分を除いた金額が世帯主の口座へ約3~4か月後に振り込まれます。

対象者と前提の確認

次のいずれかに当てはまり、すでに国民健康保険の資格がある方が対象です。退職直後で国保への加入届自体が未完了の方は、先に加入手続きが必要です。

10割負担の主な4類型

  • マイナ保険証・資格確認書・保険証を提示できず、急病などやむを得ない理由で10割を支払ったとき
  • 医師の指示で治療用装具(コルセット・小児治療用眼鏡・弾性着衣など)を作成したとき
  • 医師が必要と認めたはり・きゅう・あんまマッサージ、柔道整復の施術を受けたとき
  • 海外渡航中に急病やけがで現地の医療機関を受診したとき(海外療養費)

申請期限と時効の起算日

申請期間は、医療費を支払った日の翌日から2年間です。中野区の案内では「療養を受けた日(治療費を支払った日)の翌日から2年間」、世田谷区の案内では「医療費を支払った日の翌日から2年間」と案内されています。2年を過ぎると時効で申請を受け付けられません。

必要書類の確認

全ての申請に共通して必要なものと、事由ごとに追加で必要なものに分かれます。世田谷区と中野区の公式案内で共通している項目を整理しています。

共通書類と類型別追加書類
区分必要なもの
共通療養費支給申請書、マイナ保険証等または資格情報のお知らせ、世帯主と対象者のマイナンバーが分かるもの、世帯主名義の口座情報、申請者の本人確認書類
10割診療診療報酬明細書(レセプト)原本、10割領収書原本
治療用装具医師の装着証明書・作成指示書、内訳記載の領収書(靴型装具は写真、小児眼鏡・弾性着衣は所定指示書)
はり・きゅう等医師の同意書、施術料金領収明細書(柔道整復の骨折・脱臼は応急以外で同意書)
海外療養費診療内容明細書と領収明細書、領収書、訳文、パスポートまたは出入国記録、同意書

中野区の10割診療の案内では、受診者が国保被保険者であることを証明する書類、本人確認書類、世帯主口座控え、マイナンバー、10割領収書原本、レセプトが必要です。レセプトは診療明細書とは別の書類のため、医療機関へ依頼して受け取ります。世帯主以外の口座へ振込を希望する場合は、世帯主自筆の委任状と代理人の口座控え・本人確認書類が追加で必要です。

手順1:領収書とレセプトを保管する

受診時に10割領収書の原本と診療報酬明細書(レセプト)原本を必ず受け取ります。再発行には時間がかかるため、コピーも保管します。装具・施術・海外の場合は医師の証明書や訳文など類型別の書類もそろえます。

手順2:申請書と共通書類をそろえる

市区町村の国保担当課へ連絡し、療養費支給申請書の様式を確認します。マイナ保険証等または資格情報のお知らせ、世帯主と対象者のマイナンバーが分かるもの、世帯主口座情報、本人確認書類を用意します。

手順3:市区町村の窓口へ提出する

提出先と申請方法

世田谷区の案内では、国保・年金課保険給付の窓口または郵送で申請し、各総合支所くみん窓口・出張所でも海外療養費以外は受け付けます。まちづくりセンターでは申請できません。海外療養費は国保・年金課保険給付の窓口のみで、郵送や他窓口は利用できません。提出先と郵送可否は自治体により異なるため、必ず住所地の市区町村へ事前に確認してください。

支給額と審査期間

病院などの窓口で全額を支払った場合でも、そのまま全額が戻るわけではありません。国保への申請後、国保の支給基準に照らして審査し、認められた額から一部負担金相当額を差し引いた額が支給されます。中野区の案内では申請から支払まで約3か月から4か月、海外療養費は約5か月から6か月、世田谷区の案内ではおおむね3か月後と案内されています。審査内容によりさらに時間がかかる場合があります。

よくある質問

労災や交通事故の治療費も申請できますか

対象外です。労災保険に該当するものや交通事故など第三者行為による傷病の医療費は、療養費の給付対象になりません。労災や第三者行為の担当窓口へ相談してください。

前の健康保険証を誤って使った分はどうなりますか

使用できますが、別途手続きが必要です。前の健康保険を使って受診した診療費の払戻しは、療養費とは別の確認が必要になる場合があります。加入していた国保へ相談のうえ、返納時の領収書とレセプトを添えて加入先へ申請します。まずは現在の保険者へ確認してください。

月内に資格確認書が届いたら窓口で精算できますか

月内に資格確認書が届き、医療機関で精算できる場合もありますが、月をまたぐ場合や精算できない場合は療養費の申請が必要です。領収書とレセプトを保管し、2年以内に申請してください。退職に伴う国保切替が未完了の方は、先に加入届を提出してください。

対象外の手続きと関連記事

退職直後で国保への加入届が未完了のまま受診が必要な方は、加入手続きと受診方法をまとめた関連記事を先に確認してください。本記事はすでに国保資格がある方の10割立替に絞っています。高額療養費や出産育児一時金・葬祭費は別の給付のため、該当する案内を確認してください。

当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は、住所地の市区町村の国民健康保険担当課の最新案内をご確認ください。