年金を受けていた方が亡くなったときは、年金の死亡報告と未支給年金の確認を速やかに行います。まだ受け取っていない年金や、死亡後に振り込まれた年金のうち死亡月分までは、生計を同じくしていた遺族が順位に従って請求できます。
未支給年金とは
年金は亡くなった月分まで支給対象です。ただし、本人が受け取る前に亡くなった場合や、死亡日より後の振込に死亡月分までの年金が含まれる場合、その対象分は未支給年金となります。年金生活者支援給付金にも未支払給付金の仕組みがあります。
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| 死亡時点でまだ振り込まれていない死亡月分までの年金 | 未支給年金として、要件を満たす遺族が請求します。 |
| 死亡後に振り込まれた年金のうち死亡月分までの分 | 未支給年金として請求対象になり得ます。亡くなった方の口座の扱いは金融機関へ相談します。 |
| 死亡月より後の月分など、受け取り過ぎとなった分 | 返還が必要になる場合があります。年金事務所の案内に従います。 |
| 年金生活者支援給付金の未払い分 | 未支払給付金として、同じ請求書で手続きできる場合があります。 |
未支給年金を請求できる遺族と順位
請求できるのは、年金受給者が亡くなった当時にその方と生計を同じくしていた遺族です。順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他の3親等内の親族の順です。配偶者には、要件を満たす事実婚関係の方も含まれます。
未支給年金の請求順位です。
- 1位:配偶者(事実婚関係にある方を含む)
- 2位:子
- 3位:父母
- 4位:孫
- 5位:祖父母
- 6位:兄弟姉妹
- 7位:その他の3親等内の親族

「生計を同じくしていた」の確認
同じ住民票上の世帯だった場合だけが対象ではありません。同住所で世帯を分けていた場合や、住所が異なっていても日常生活・家計を共にしていた場合、経済的援助と定期的な音信・訪問があった場合など、続柄と事情に応じて生計同一と認められることがあります。
| 住所の状況 | 基本となる書類 |
|---|---|
| 同住所 | 亡くなった方の住民票の除票、請求する方の世帯全員の住民票の写し。マイナンバーの収録・記入により省略できる場合があります。 |
| 別住所 | 住民票関係書類に加えて、生計同一関係に関する申立書と、第三者の証明または事実確認書類等を用意します。 |
| 事実婚関係の配偶者 | 戸籍上の配偶者の有無を確認する双方の戸籍、生計同一関係の資料、様式7など、通常と異なる書類を用意します。 |
未支給年金の必要書類
一般的な未支給年金請求で準備する書類です。個別事情により追加書類を求められる場合があります。
未支給年金を請求する手順
亡くなった方が受けていた年金の種類、年金証書、振込通知書などを確認します。日本年金機構と共済組合等から複数の年金を受けていた場合も、まず年金事務所等へ提出先を確認します。
亡くなった当時に生計を同じくしていた遺族を確認し、配偶者からその他3親等内の親族までの順位に沿って請求者を決めます。同順位者が複数いる場合は代表者を決めます。
日本年金機構の様式ページから請求書を取得し、両面で印刷します。亡くなった方と請求者、受取口座、先順位者の有無などを記入します。
年金証書、マイナンバー・本人確認、続柄、生計同一、請求者名義の口座を確認する書類をそろえます。戸籍・住民票は死亡日より後に交付されたものか確認します。
年金事務所へ郵送するか、予約のうえ年金事務所または街角の年金相談センターへ提出します。e-Govでは「電子申請用送付書(一時金請求及び諸変更届等)」を検索し、届書名称を選び、PDFまたはJPEGで保存した請求書を添付します。
日本年金機構の請求書案内では、提出から受け取りまでおおむね3か月が目安です。追加書類の連絡や決定通知を確認し、請求者名義の口座への入金を確認します。
未支給年金がない場合の死亡届
未支給年金を受け取れる遺族がいない場合、または未払いの年金が発生しない場合は、「年金受給権者死亡届(報告書)」だけを提出します。ただし、日本年金機構に亡くなった方のマイナンバーが収録されている場合は、原則としてこの死亡届を省略できます。
5年の時効と提出後の注意点
請求前後に確認する重要事項です。
- 未支給年金を受ける権利は5年で時効により消滅します。
- 年金生活者支援給付金の未支払給付金を受ける権利は2年で時効により消滅します。
- 請求書の提出から受け取りまでは、おおむね3か月が目安です。
- 亡くなった方の口座を解約していないと年金が入金される場合があるため、口座の扱いは金融機関へ相談します。
- 未支給年金は受け取った方の一時所得に該当し、ほかの一時所得との合計等により確定申告が必要になる場合があります。
よくある質問
市区町村へ死亡届を出せば、未支給年金も自動で請求されますか?
自動では請求されません。未支給年金を受け取れる遺族は、日本年金機構等への請求手続きを別に行います。
亡くなった方と別居していました。未支給年金は請求できますか?
別居だけで対象外とは決まりません。経済的援助、日常生活、定期的な音信・訪問などの状況を申立書と資料で確認します。
法定相続人なら誰でも未支給年金を請求できますか?
原則として誰でも請求できるわけではありません。生計同一と請求順位を確認します。旧三共済・農林共済の未支給年金は扱いが異なります。
公金受取口座を使う場合は口座欄を空欄にできますか?
空欄にはしません。公金受取口座を利用する場合も、請求書の受取口座欄を記入します。
次にすること
まず、亡くなった方の年金証書と振込通知書を探し、生計を同じくしていた先順位の遺族を確認してください。次に、年金事務所へ提出先と必要書類を確認し、死亡日より後に交付された戸籍・住民票等をそろえて請求書を作成します。市区町村への死亡届と、必要に応じた準確定申告も別に確認します。
死亡届の手続きを確認する市区町村へ提出する死亡届の7日以内の期限、届出人、火葬許可の流れを確認します。準確定申告の手続きを確認する亡くなった方に所得税の確定申告が必要だった場合の4か月期限と必要書類を確認します。