確定申告の還付金は、申告者ご本人名義の口座にしか振り込めません。家族(配偶者や子ども)名義、旧姓のままの口座、屋号が入った口座では振込不能になり、税務署から組戻しや再手続きの連絡が届きます。申告前なら口座情報を本人名義に訂正し、申告後で振り込まれないときは税務署の案内に従って再指定します。本人名義の口座がない場合は、ゆうちょ銀行・郵便局の窓口受取か、公金受取口座の登録が代替手段になります。

結論:還付金は本人名義の口座だけが使えます

国税庁とe-Taxの公式FAQは、還付金の振込みは「申告者ご本人の名義の口座に限り可能」と明記しています。預貯金口座の名義に店名や事務所名などの屋号が含まれる場合は振込みできません。口座名義は申告者本人の氏名のみの口座を指定します。旧姓のままの名義でも振込みできないので注意が必要です。

本人名義限定の公式ルール

  • 預貯金口座の名義は申告者本人の氏名のみ(e-Tax FAQ、NTA Q43)
  • 屋号(店名・事務所名)が含まれる口座は振込不可
  • 結婚などで姓が変わった場合、旧姓のままの口座は不可
  • 一部のインターネット専用銀行は還付金の振込み自体に対応していないことがあり、事前に取引銀行へ要確認

家族名義・旧姓・屋号で振込不能になる4パターン

名義不備の具体例
パターン例公式の扱い
家族名義配偶者・子どもの口座を指定本人以外は不可。振込不能で組戻し
旧姓結婚前の姓の口座のまま指定旧姓のままは振込不可(e-Tax FAQ)
屋号入り「山田商店 山田太郎」など店名入り屋号が含まれると振込不可(NTA Q43)
ネット銀行一部ネット専業銀行を指定一部は振込不可。銀行へ確認が必要

いずれも申告書の「還付される税金の受取場所」欄に家族名義や旧姓・屋号入りの口座を書いても、還付処理で振込不能として扱われます。還付金は税務署から指定口座へ振り込まれる仕組みで、家族の口座へ迂回して受け取ることはできません。

申告前なら訂正、申告後なら税務署の案内で再指定します

直し方は、申告書をまだ提出していないか、すでに提出してしまったかで分かれます。

申告前に気づいたときは、申告書の「還付される税金の受取場所」を本人名義の正しい口座に書き直します。e-Taxなら「申告・申請等基本情報」画面で金融機関名・預金種別・口座番号を本人名義で入力し直します。ゆうちょ銀行なら通帳の「記号(5桁)」と「番号(2〜8桁)」をつなげた7〜13桁の記号番号を入力し、店名・店番や枝番(-2など)は入れません。

申告後に還付が振り込まれない・税務署から連絡が来たときは、連絡文書の指示に従って振込先を再指定します。還付処理は申告後に審査があり、2〜3月の繁忙期は1か月〜1か月半、e-Taxの還付申告は3週間程度が目安とされています。振込不能で組戻された場合は、税務署が確認のうえ再振込の手続きを案内します。自己判断で別の家族口座を再登録しても解消しません。

再指定では、必ず本人名義の預金口座(銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・農協・漁協・ゆうちょ銀行)を選び、屋号なし・現姓の口座を用意します。公金受取口座を登録済みの方は、申告書の「公金受取口座の利用」欄に丸印を入れることで公金受取口座への振込みを指定できます。この場合「還付される税金の受取場所」の記入は不要です。

本人名義の口座がない・使えないときの代替手段

すぐに使える本人名義の口座がない場合でも、還付を諦める必要はありません。次のいずれかを選びます。

代替手段

  • ゆうちょ銀行または郵便局の窓口で受け取る:申告書の「還付される税金の受取場所」で「郵便局」欄に受取希望のゆうちょ銀行店舗名・郵便局名を記入します。
  • 本人名義の口座を新たに用意する:通帳の名義が現姓・本人氏名のみであることを確認し、屋号なしの普通預金などで再指定します。
  • 公金受取口座を登録して利用する:マイナポータルでの登録か、確定申告で「公金受取口座登録の同意」に丸印を入れて登録します。登録結果はマイナポータル、e-Taxメッセージボックス、はがきのいずれかで通知されます。

納税管理人を指定している方は、納税管理人名義の口座が振込先になり、公金受取口座として登録・利用はできません。該当する方は税務署の案内に従います。

公金受取口座を使うときの注意点

デジタル庁の案内では、2022年1月(令和3年分)から還付申告などで指定した還付先口座を公金受取口座として登録できるようになりました。手続きはe-Taxの電子申告か税務署窓口などの書面でできます。

登録で気をつける点

  • 本人名義の普通・当座のみが登録可能で、屋号入りや旧姓口座、存在しない店舗は却下されます。
  • カナ氏名の記載がない、正しくないマイナンバー、本人確認ができない申告では情報連携されず申請自体が行われません。
  • 還付申告以外で登録だけしたい場合はマイナポータルで登録します。確定申告をせずに税務署やe-Taxで登録だけを行うことはできません。
  • 登録までに時間がかかることがあり、急ぐ場合はマイナポータルでの登録が案内されています。

手続き前に確認するチェックリスト

提出前チェックリスト

よくある質問

配偶者や子どもの口座に還付金を振り込んでもらえますか?

できません。還付金は申告者本人名義の口座にしか振り込めません。家族名義を指定すると振込不能で組戻され、税務署から再指定の連絡が届きます。本人名義の口座を用意するか、ゆうちょ銀行・郵便局の窓口受取を検討します。

旧姓の口座や屋号入りの口座は使えますか?

使えません。e-TaxのFAQと国税庁Q43は、旧姓のままの名義や屋号が含まれる口座は振込みできないとしています。改姓した場合は現姓の本人名義口座に切り替え、屋号が入った口座は屋号なしの本人名義口座に変更します。

申告後に家族名義で出してしまったことに気づきました。どう直しますか?

税務署からの連絡を待ち、指示に従って本人名義の正しい振込先を再指定します。振込不能で還付が戻った場合は、税務署が確認のうえ再振込を案内します。e-Taxで申告した方はe-Taxのメッセージボックスや通知も確認し、不明なときは申告した税務署へ相談します。

本人名義の口座が一つもありません。どうすれば還付を受け取れますか?

ゆうちょ銀行または郵便局の窓口での受取が可能です。申告書の受取場所で郵便局名等を記入します。新たに本人名義の口座を開設して再指定する方法や、公金受取口座をマイナポータルで登録して利用する方法もあります。

公式情報と確認日

本記事は次の公式情報を2026年8月30日時点で確認して作成しています。還付金の受取方法や口座要件は制度変更されることがあるため、申告時は最新の手引きも併せて確認してください。

確認した公式情報

  • 国税庁 e-Tax『還付金の受取先の指定方法』:本人名義のみ、旧姓・屋号入りは振込不可、一部ネット銀行は不可
  • 国税庁『【税金の還付】Q43〜Q46』:本人氏名のみの口座、屋号不可、ネット銀行の注意、公金受取口座の登録と利用の違い
  • 国税庁『手順5 還付される税金の受取場所』:第一表の記入方法、ゆうちょ銀行は記号番号のみを左詰め、枝番不要
  • デジタル庁『所得税の確定申告で公金受取口座の登録申請を行う方法』:登録手続き、却下・非連携の条件、登録結果の通知方法