結論:子どもの通院に親が付き添う場合のように、年齢や病状から一人で通院させることが危険なときは、患者の通院費のほかに付添人の交通費も医療費控除の対象になります。入院中の子の世話のための親の通院は対象外です。国税庁の質疑応答事例とNo.1122で判定します。

症状と前提を確認します

この記事は、子どもや高齢の方などの通院に付き添ったとき、付き添った人の電車代やバス代が医療費控除の対象になるか確認したい場合を対象とします。患者本人の通院費と付き添い人の交通費、入院中の世話のための交通費は区別して判定します。全国共通の所得税の取扱いです。

最初に確認する3点

  • 誰が通院したか(患者本人が通院したか、入院中の世話のための訪問か)
  • 付き添いが必要だった理由(年齢や病状から一人での通院が危険だったか)
  • 交通手段(電車・バスか、タクシーか、自家用車か)
通院に付き添う親子のイメージイラスト
AI生成イメージです。実際の書類や画面を示すものではありません。

対象になる場合とならない場合

付き添い交通費の対象判定(国税庁の質疑応答事例とNo.1122に基づく)
区分扱い理由
子どもの通院に親が付き添い、一人での通院が危険な場合の付添人交通費対象患者の通院に直接必要で通常必要なものに当たるため
高齢や病状により一人での通院が危険な場合の付添人交通費対象同じく年齢や病状からの必要性で判断するため
入院中の子の世話のために親が通院する場合の親の交通費対象外患者自身が通院していないため
入院中の見舞いのための家族の交通費対象外診療を受けるため直接必要なものではないため
家族に付添料の名目で現金を支払った場合対象外家族や親類への付添料名目の支払いは対象にならないため

交通手段別の扱い

交通手段別の対象可否(No.1122に基づく)
交通手段扱い注意点
電車・バスなどの公共交通機関原則対象患者分と必要性のある付添人分が対象
タクシー例外的に,公共交通機関が利用できない場合を除き対象外
自家用車のガソリン代・駐車場料金対象外通院費として控除できない
付き添い人の宿泊費や食事代対象外通院費ではないため

確定申告の手順

医療費控除の明細書に通院費として計上する

確定申告書に添える「医療費控除の明細書」に、患者の通院費と対象になる付添人交通費を合算して記載します。医療機関ごとの治療費とは分け、「通院費」として区分して記載すると後の確認が楽になります。

領収書がない交通費の記録を残す

電車代やバス代など領収書が出ない交通費も明細書へ記載できます。日付、区間、金額、付き添いが必要だった理由が分かるメモを自宅で保管します。タクシーを利用した場合は領収書を保管します。

所轄税務署へ確定申告する

その年1月1日から12月31日までに支払った分を、翌年の確定申告で申告します。申告先は納税地を所轄する税務署です。e-Tax、郵送、窓口のいずれかで提出します。給与所得者で年末調整だけの方は、医療費控除のために確定申告が必要です。

申告前のチェックリスト

金額の計算と保存の注意

医療費控除の金額は、実際に支払った医療費の合計額から保険金などで補てんされる金額を差し引き、さらに10万円(総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5パーセント)を差し引いた額で、上限は200万円です。付添人交通費はこの合計額に含めて計算します。

よくある質問

小さい子どもの通院に親が2人で付き添った場合、2人分の交通費が対象になりますか。

通常必要な範囲に限られます。乳幼児などで1人の付き添いが必要と認められる場合は1人分が対象の中心です。2人分が必要だった事情がある場合は、個別の必要性で判断されるため、所轄税務署へ事前にご確認ください。

入院中の子どもに毎日面会に行った交通費は対象になりますか。

対象になりません。国税庁の質疑応答事例では、入院している子の世話のために親が通院している場合は、患者自身が通院していないことから対象外と説明しています。通院の付き添いと入院中の世話・見舞いは区別します。

付き添い人に現金を渡した場合、付添料として控除できますか。

家族や親類に付添料の名目でお金を支払っても、医療費控除の対象にはなりません。対象になるのは付き添い人の交通費など通院のため直接必要で通常必要な部分です。家政婦など特に依頼した人による療養上の世話の対価は別に扱います。

次の手続き:該当する通院費と付添人交通費を集計し、医療費控除の明細書を作成して所轄税務署へ確定申告してください。判断に迷うときは所轄税務署へご確認ください。