海外で生まれた子は生まれた日を含めて3か月以内に出生届とともに日本国籍を留保する意思表示が必要です。期限を過ぎると出生時にさかのぼって日本国籍を失い、在外公館でも本籍地でも受け付けられません。
手続きの概要
日本は父母両系血統主義のため、日本人を父または母とする子は外国で生まれても出生により日本国籍を取得します。一方で米国・カナダ・ブラジルなどの生地主義国で生まれ、出生により外国の国籍も取得した子は、出生の日から3か月以内に出生届とともに日本国籍を留保する旨を届け出なければ、出生時にさかのぼって日本国籍を失います。根拠は国籍法第12条と戸籍法第104条です。外国籍を取得しない場合は留保の意思表示は不要ですが、海外出生の出生届自体は生まれた日を含めて3か月以内が必要です。2026年9月11日時点の法務省と在外公館の公式情報で確認しています。
対象者
海外出生で3か月の出生届と国籍留保が必要な方の目安です。
- 日本人夫婦の子が生地主義国で生まれ、出生により日本と外国の国籍を取得した方
- 日本人と外国籍の方の子が国外で生まれ、二重国籍となる可能性がある方
- 海外駐在・留学・長期滞在中に現地で出産した方
- 出生証明書の取得に時間がかかり、期限が迫っている方
期限の数え方
海外出生の期限は生まれた日を含めて3か月です。戸籍法第49条の扱いです。
期限の具体例
- 1月9日生まれの場合、4月8日が期限です
- 3月10日生まれの場合、6月9日が期限です
- 4月10日生まれの場合、7月9日が期限です
- 出生証明書の発行に4週間から6週間かかる地域があり、証明書待ちで期限を過ぎる失敗が多いです
提出先と方法
届出には3通りの方法があります。いずれも戸籍に記載されるまで1か月から2か月程度かかります。本籍地役場は記載完了を通知する義務がないため、時期が来たら本籍地へ直接確認します。
在外公館の窓口に来館して提出する
住所地を管轄する大使館・総領事館の領事窓口へ提出します。予約制の公館が多いため事前予約が必要です。期限が迫っている場合の原則です。
在外公館へ郵送で提出する
領事班戸籍係宛てに郵送します。旅券や滞在資格証の原本は送らず写しを送ります。州発行の出生証明書の返却を希望する方は返信用封筒を同封します。郵送中の紛失や損傷は公館の責任外です。
本籍地の市区町村役場へ直接郵送する
戸籍への記載を急ぐ方は本籍地へ直接郵送する方法があります。届書を届出人が記入し署名したものを家族が持参することもできます。お急ぎの方は本籍地の戸籍係へ相談のうえ直接届け出ることが推奨されています。
必要書類
公館により細部が異なります。米国在住の例では次の書類が必要です。必ず管轄公館の最新案内で確認してください。
提出前の持ち物確認
国籍留保の意思表示の方法
出生届の用紙中にある日本国籍を留保する旨の欄に記載します。父・母などの法定代理人が子の出生の日から3か月以内に出生の届出とともに届け出ます。届出先は外国にある日本の大使館・領事館または市区町村役場です。留保の記載がないと不留保となり日本国籍を喪失します。
期限を過ぎたらどうなるか
期限を過ぎた出生届は受け付けられません。不留保で日本国籍を失った子は、次の要件を満たすときに法務局への届出で日本国籍を再取得できます。
再取得の条件確認
- 届出時に18歳未満であること
- 日本に住所を有し、生活の本拠が日本にあること。観光や一時滞在は該当しません
- 住所地を管轄する法務局または地方法務局へ届け出ること
- 本人出生時の父母の戸籍謄本、出生証明書や分娩の事実を示す書面、住民票または旅券などを各1通添付すること
- 手数料はかかりません。15歳以上は本人が、15歳未満は法定代理人が自ら出頭します
国籍留保後の国籍選択
国籍を留保して重国籍となった方は、重国籍となった時が18歳未満のときは20歳に達するまでに、18歳以上のときはその時から2年以内にいずれかの国籍を選択しなければなりません。日本国籍の選択は市区町村役場または在外公館への国籍選択届で行います。期限内に選択しないと法務大臣から催告を受け、日本国籍を失うことがあります。
日本への渡航と戸籍反映の確認
受理から戸籍記載まで通常1か月から2か月かかります。記載完了の通知は来ないため、頃合いを見て本籍地役場へ直接問い合わせます。重国籍の子が日本へ出入国する際は日本旅券、米国籍者が米国へ出入国する際は米国旅券が必要です。新生児の日本旅券には戸籍謄本または戸籍電子証明書が必要です。戸籍記載前に帰国が必要なときは帰国のための渡航書の発給を受けられます。

注意点とよくある失敗
提出前の最終確認
- 婚姻届が未提出の方は出生届より先または同時に婚姻届が必要です。婚姻に先立って出生届は受理されません
- 婚姻関係にない日本人母の子は母の戸籍に入ります。父の認知がある場合は認知届も必要です
- 出生証明書の様式不備や抄訳漏れで差し戻されます。様式と記入例を事前に確認します
- Abstractなど略式証明書は不可とされる公館があります。原本要件を確認します
- 旅券や滞在資格証の原本提示が必要な窓口提出と、写しでよい郵送提出を混同しないでください
外国で生まれたが外国籍を取得しない場合は国籍留保の意思表示は不要ですか。
出生により日本国籍と同時に外国国籍も取得したときに留保が必要です。外国籍を取得しない場合は留保の意思表示は不要ですが、海外出生の出生届自体は3か月以内に必要です。外国の制度で国籍を取得したかは当該外国当局へ確認してください。
期限直前で出生証明書が間に合いません。どうすればよいですか。
期限の迫っている方は郵送ではなく管轄の在外公館窓口へ来館して提出してください。出生証明書の発行に数週間かかる地域では事前に公館へ相談し、本籍地への直接提出も検討します。
当サイトの内容は参考情報です。具体的な手続き・条件は、管轄する在外公館、本籍地の市区町村、法務局などの最新案内をご確認ください。