作り忘れに気づいたら、抜けた回を特定して速やかに議事録を作成し、3年間保存します。開催の都度、議事の概要を遅滞なく労働者へ周知し、調査で説明できるよう保管と運用を整えます。
対象か先に確認します
常時50人以上の労働者を使用する事業場では、安全委員会・衛生委員会を毎月1回以上開催し、安全衛生対策について調査審議します。衛生委員会は全ての業種で50人以上が対象です。安全委員会は業種と規模で50人以上または100人以上に分かれます。両方の設置が必要なときは、それぞれに代えて安全衛生委員会1つにまとめることができます。自社が対象か、毎月開催していたか、抜けた月があるかを確認します。50人未満の事業場は、委員会ではなく関係労働者の意見を聴く機会を設ける扱いです。
作り忘れ後の立て直し手順
未作成・保存不備がある場合の回復の順番を整理します。日付の偽装や遡ってあったことにする記録はしません。
抜けた開催月を洗い出します。会議予定、招集連絡、出席予定、衛生巡視や健康診断などの関連記録から、開催した月と未開催の月、開催したが議事録がない月を分けます。毎月1回以上が原則のため、未開催の月があれば次回以降の開催計画もあわせて立て直します。
速やかに議事録を作成します。委員会の意見および当該意見を踏まえて講じた措置の内容と、委員会における議事で重要なものを記録します。実際に話し合った内容と決めた対応を中心にし、記憶が不確かな部分は推測で補いません。開催日と作成日が異なるときは両方が分かるように記録します。
3年間保存できる状態にします。議事録および重要事項の記録は3年間保存します。開催年月、作成日、保存期限を表紙や管理簿に付し、安全衛生担当の事務局が作成・配布・保管を担う体制にします。紙と電子のいずれの場合も、3年分を紛失なく取り出せる保管場所を決めます。
議事の概要を遅滞なく労働者へ周知します。委員会の開催の都度、遅滞なく議事の概要を労働者へ周知します。周知が漏れていた回があれば、速やかに現在の掲示・交付・閲覧状態を整えます。
調査で説明できるよう運用を整えます。運営規程の有無、委員の構成、議長の選任、労働者側委員の選出、毎月開催の実績、周知の記録をそろえます。産業医が欠席した回があれば、議事内容の提供と助言を受けた記録があるかも確認します。
議事録に必ず残す2点
委員会の記録として整理する法定の要点です。
- 委員会の意見および当該意見を踏まえて講じた措置の内容
- 委員会における議事で重要なもの
意見に対して何をしたかが分かることが重要です。指摘事項、検討結果、先送りにした理由、次回までの担当と期限を具体的に残します。安全衛生に関する計画、教育の実施計画、健康診断や作業環境測定の結果への対応、長時間労働やメンタルヘルスに関する審議など、調査審議した事項が抜けないようにします。
議事概要の周知は3つの方法
いずれかの方法で労働者へ周知する仕組みです。
- 常時各作業場の見やすい場所に掲示し、または備え付けること
- 書面を労働者に交付すること
- 電子媒体に記録し、各作業場で労働者が常時確認できる機器を設置すること
掲示だけに偏らず、交代勤務や出張者がいる事業場では交付や閲覧機器の併用を検討します。いつ、どの方法で周知したかが後から分かるよう、掲示期間や交付範囲を事務局で控えます。開催の都度、遅滞なく行うことが要点です。
労働基準監督署の調査に備える整理点
調査で不備とされやすい点を事前に整えます。
- 運営規程を作成し、構成、開催、議事録の作成・保存・周知を定めているか
- 委員会を毎月1回以上開催しているか
- 議事録を作成して3年間保存しているか
- 開催の都度、議事の概要を全労働者へ周知しているか
- 総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医が委員に入っているか
- 議長以外の委員の半数が労働者側の推薦に基づくか
上記は調査で確認されやすい基本項目です。委員の任期や欠員補充、専門委員の扱い、事務局の分担も規程で明確にします。委員以外の労働者の意見や要望を審議へ反映する流れも確認します。
開催したのに議事録がない回は、後から作り直してよいですか
速やかに作成します。抜けた回を特定し、実際の開催内容と講じた措置を正確に記録します。開催日と作成日を区別し、日付を偽りません。作成後は3年間保存し、議事の概要を遅滞なく周知します。
3年保存はいつから数えますか
法令が示すのは3年間の保存です。数え方を独自に短くしない運用が確実です。開催年月、作成日、保存期限を付して管理し、少なくとも開催月から3年分を取り出せる状態にします。重要事項の記録もあわせて3年間保存します。
議事概要の周知は掲示だけでよいですか
掲示または備付け、書面の交付、電子媒体と確認機器の設置のいずれかで行います。事業場の勤務形態に合わせ、見落としが起きにくい方法を選びます。周知した時期と方法を事務局で記録します。
50人未満の事業場は議事録が不要ですか
50人未満の事業場は委員会の設置対象ではありませんが、安全または衛生に関する事項について関係労働者の意見を聴く機会を設けます。委員会、職場懇談会などの方法で意見を聴く流れを整えます。
次回以降は事務局が招集、資料の準備と配布、議事録の作成・配布・保管を担います。福岡労働局は安全衛生委員会議事録の例を公開しています。様式を整える際の参考として、公式の例の有無を確認します。様式の入手や利用条件は公開元の案内で確認します。