法人の設立や従業員数の増加などで健康保険・厚生年金保険の強制適用事業所になった場合は、事業主が事実発生から5日以内に新規適用届を日本年金機構へ提出します。被保険者となる人の資格取得届も同時に準備してください。

社会保険の新規適用届の概要

新規適用届の対象、期限、提出先、同時提出する届書を整理します。
確認項目内容
提出者健康保険・厚生年金保険へ加入すべき事業所の事業主
提出期限加入要件を満たした事実発生から5日以内
提出先日本年金機構の事務センターまたは実際の事業所所在地を管轄する年金事務所
提出方法電子申請、郵送、窓口持参
主な届書健康保険・厚生年金保険 新規適用届
同時に確認する届書被保険者となる人全員の被保険者資格取得届。被扶養者がいる場合は被扶養者(異動)届
主な添付書類法人は登記簿謄本、強制適用となる個人事業所は住民票など。事業所区分により異なります。
出典:日本年金機構「新規適用の手続き」「1-1:事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

新規適用届が必要になる事業所

健康保険・厚生年金保険は事業所単位で適用されます。法人事業所は事業主だけの場合を含めて原則として強制適用です。個人事業所は、常時使用する従業員数と業種により強制適用か任意適用かが異なります。

事業所の形態ごとに、新規適用届または別の申請を確認します。
事業所の状況主な取扱い
常時従業員を使用する法人事業所原則として強制適用です。被保険者となる人がいる場合、新規適用届を提出します。
常時5人以上を使用する一定業種の個人事業所原則として強制適用となり、新規適用届を提出します。
常時5人未満の個人事業所、または一部のサービス業・農業・漁業等の個人事業所強制適用でない場合、適用を希望するときは新規適用届ではなく任意適用申請書を確認します。
無報酬の役員しかいない法人事業所など、被保険者となる人がいない場合日本年金機構の必要書類一覧では、適用事業所の要件を満たさず適用を受けられない例として案内されています。個別状況は管轄年金事務所へ確認します。
出典:日本年金機構「適用事業所と被保険者」「健康保険・厚生年金保険 新規加入に必要な書類一覧」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

作成前にそろえる情報と届書

新規適用届を作成する前に、事業所情報、給与制度、従業員情報をそろえます。

  • 法人登記簿または住民票に記載された事業所名称・所在地
  • 事業主または代表者の氏名・住所
  • 届出内容に回答できる問合せ先担当者名と内線番号
  • 法人番号または会社法人等番号
  • 事業所業態分類票で確認した業態区分と事業の種類
  • 本店・支店、内国法人・外国法人の区分
  • 給与計算の締切日、給与支払日、昇給月、賞与支払予定月
  • 給与形態、諸手当、食事・住宅・定期券など現物給与の種類
  • 役員を含む従業員数、社会保険へ加入する人数、加入しない従業員の勤務日数・時間
  • 通常の労働者の1か月の所定労働日数と1週の所定労働時間
  • 被保険者となる人全員の資格取得届に必要な氏名、番号、報酬、扶養情報

法人・個人事業所で異なる必要書類

新規適用届に添付する書類と、同時に提出する届書を事業所区分別に整理します。
区分・状況必要な書類
すべての対象事業所健康保険・厚生年金保険 新規適用届、被保険者となる人全員の被保険者資格取得届、被扶養者がいる場合の被扶養者(異動)届
法人事業所提出日からさかのぼって90日以内に発行された法人(商業)登記簿謄本の原本
法人番号を記入する事業所法人番号指定通知書のコピー。添付できない場合は、国税庁法人番号公表サイトの事業所名称・法人番号・所在地が分かる法人情報を印刷したもの
強制適用となる個人事業所提出日からさかのぼって90日以内に発行された、個人番号の記載がない事業主の世帯全員の住民票の原本
個人事業所代表者の所得税、事業税、市町村民税、国民年金保険料、国民健康保険料の領収書。コピー可で、原則1年分
実際の事業所所在地が登記簿・住民票と異なる場合賃貸借契約書のコピーなど、実際の事業所所在地を確認できる書類
共済組合制度の短期給付へ加入する場合共済組合の証明を受けた、共済組合制度(短期組合員)の適用に伴う健保法第200条等の適用申出書
保険料の口座振替を希望する場合健康保険・厚生年金保険保険料口座振替納付(変更)申出書を別途確認
出典:日本年金機構「新規適用の手続き」「健康保険・厚生年金保険 新規加入に必要な書類一覧」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

新規適用届の主な欄の書き方

日本年金機構の現行様式と記入例に沿って、主要な記入欄を確認します。
記入する内容注意点
提出日新規適用届を提出する年月日事実発生日ではなく届書の提出日を記入します。
事業所所在地・名称・電話番号原則として登記簿または住民票どおりの所在地・名称と代表電話番号フリガナの法人略称は公式様式の記入方法を確認します。
事業主または代表者氏名と住所法人の代表者情報と登記内容を照合します。
問合せ先担当者名届出内容について回答できる担当者名と内線番号公式様式で必須と案内されているため、記入漏れに注意します。
事業主代理人事業主の義務に関する事務を行う代理人を定める場合の氏名・住所代理人を定めない場合は該当しません。
業態区分事業所業態分類票の該当番号と事業の種類事業所名ではなく、主として行う事業で分類します。サービス業は具体的な事業内容も確認します。
個人・法人等区分法人事業所、個人事業所、国・地方公共団体の該当番号添付書類の区分と一致させます。
法人番号等原則として13桁の法人番号。該当する場合は12桁の会社法人等番号両方ある法人は原則として法人番号を選びます。
本店・支店、内国・外国区分事業所の該当区分実際の事業所と法人の区分を確認します。
給与・賞与情報給与締切日、支払日、昇給月、賞与支払予定月、算定基礎届・賞与支払届の情報送付希望当月払い・翌月払いの区分や年間の予定月を確認します。
給与形態・手当・現物給与月給、日給、時間給などの形態、各種手当、食事・住宅・定期券など該当する項目を漏れなく選びます。
従業員情報役員を含む総数、社会保険へ加入する人数、加入しない役員・嘱託・パート・アルバイトの人数と勤務形態資格取得届を提出する人数と整合させます。
所定労働日数・時間通常の労働者の1か月の所定労働日数と1週の所定労働時間パート等の加入判定にも関係するため、就業規則や雇用条件と照合します。
適用年月日記入しません現行様式では「記入不要」とされています。
出典:日本年金機構「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」「新規適用届(記入例)」「事業所業態分類票」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

新規適用届を提出する手順

法人・個人事業所の別、業種、従業員数、役員報酬を確認し、強制適用事業所に該当するかを判断します。強制適用でない個人事業所が加入を希望する場合は任意適用申請を確認します。

健康保険・厚生年金保険の被保険者となる人を確定します。新規適用届とは別に、対象者全員の被保険者資格取得届を作成します。被扶養者がいる場合は被扶養者(異動)届も確認します。

登記簿謄本、法人番号資料、住民票、公租公課の領収書など、事業所区分に応じた添付書類をそろえます。発行日、原本・コピーの区分、個人番号の記載有無を確認してください。

日本年金機構の公式ページから現行の新規適用届、記入例、事業所業態分類票を取得します。事業所情報、法人番号、給与制度、従業員情報を公式様式に沿って記入します。

新規適用届と資格取得届の事業所名称、所在地、対象人数、給与情報を照合します。添付書類の名称・所在地・法人番号が届書と一致するかも確認します。

電子申請、郵送、窓口持参のいずれかを選び、事実発生から5日以内に日本年金機構へ提出します。実際の事業所所在地が登記上の所在地と異なる場合は、実際の所在地を管轄する提出先を確認します。

提出後は返戻や追加確認の有無を確認します。適用事業所の登録後も、資格取得、保険料納付、算定基礎届、賞与支払届などの継続手続きが発生します。

出典:日本年金機構「新規適用の手続き」「1-1:事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

電子申請・郵送・窓口提出の違い

事業所の準備状況と添付書類に合わせて提出方法を選びます。
提出方法主な使い方提出前の確認
電子申請e-Govなど対応するサービスからオンライン提出する場合利用する認証手段、現行の対象届書、添付ファイル形式、申請状況と返戻の確認方法を公式案内で確認します。
郵送紙の届書と添付書類を日本年金機構の事務センターへ送る場合都道府県ごとの事務センター名と郵便番号、原本書類、控えの保管、到着までの日数を確認します。
窓口持参実際の事業所所在地を管轄する年金事務所へ持参する場合管轄、受付時間、原本書類、控えを確認します。個別の適用判断を相談する場合も管轄年金事務所へ確認します。
出典:日本年金機構「新規適用の手続き」「事業所向けオンラインサービス」「全国の事務センター一覧」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

記入漏れ・返戻を防ぐ確認ポイント

新規適用届と添付書類で間違いやすい点を提出前に確認します。

  • 新規適用届だけを提出し、被保険者資格取得届を用意していない
  • 強制適用でない個人事業所なのに、任意適用申請書ではなく新規適用届を作成している
  • 問合せ先担当者名と連絡先を記入していない
  • 業態区分を事業所業態分類票で確認せず、事業所名の印象だけで選んでいる
  • 13桁の法人番号と12桁の会社法人等番号を取り違えている
  • 法人番号を記入したのに法人番号指定通知書等を添付していない
  • 登記簿謄本や住民票が90日以内の原本ではない
  • 個人事業所の住民票に個人番号が記載されている
  • 実際の事業所所在地が登記簿・住民票と異なるのに所在地確認書類がない
  • 従業員総数、加入人数、資格取得届の人数が一致していない
  • 現行様式で記入不要の適用年月日を自己判断で記入している

提出前チェックリスト

5日以内に新規適用手続きを完了するための最終確認です。

  • 強制適用事業所か任意適用の対象かを確認した
  • 被保険者となる役員・従業員を確定した
  • 新規適用届と対象者全員の資格取得届を用意した
  • 被扶養者がいる人の被扶養者(異動)届を確認した
  • 法人・個人事業所別の添付書類をそろえた
  • 登記簿謄本・住民票が90日以内の原本であることを確認した
  • 届書と添付書類の名称、所在地、法人番号を照合した
  • 業態区分、給与・賞与情報、従業員情報を確認した
  • 実際の事業所所在地を管轄する提出先を確認した
  • 事実発生から5日以内に提出できる方法と日程を決めた
  • 提出後の返戻・追加確認を担当する人を決めた

よくある質問

社会保険の新規適用届はいつまでに提出しますか?

事実発生から5日以内です。法人の設立日だけで一律に判断せず、事業所が加入要件を満たした日と被保険者となる人の資格取得日を確認してください。期限内に準備できない事情がある場合は、放置せず管轄年金事務所へ確認します。

新規適用届を出せば従業員の社会保険加入も完了しますか?

新規適用届だけでは完了しません。被保険者となる役員・従業員ごとに被保険者資格取得届を提出し、被扶養者がいる場合は被扶養者(異動)届も確認します。

役員が1人だけの会社でも新規適用届が必要ですか?

役員報酬があり被保険者となる使用関係がある場合は、事業主だけの法人事業所でも強制適用の対象になり得ます。一方、無報酬の役員しかおらず被保険者となる人がいない場合は適用を受けられない例として案内されています。役員報酬と勤務実態を整理して管轄年金事務所へ確認してください。

法人の新規適用届には登記簿謄本のコピーでよいですか?

コピーではなく、提出日からさかのぼって90日以内に発行された法人(商業)登記簿謄本の原本が必要です。実際の事業所所在地が登記上の所在地と異なる場合は、賃貸借契約書のコピーなども添付します。

従業員5人未満の個人事業所も新規適用届を出しますか?

原則として、新規適用届ではなく任意適用申請書を確認します。個人事業所は従業員数だけでなく業種によっても強制適用の扱いが異なるため、公式の適用区分と管轄年金事務所の案内を確認してください。

公式情報と確認日

この記事は、2026年7月27日時点の日本年金機構の現行手続き、届書、記入例、必要書類一覧で確認しています。実際の提出時は、公式ページで様式と添付書類を再確認してください。

日本年金機構「新規適用の手続き」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「1-1:事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「健康保険・厚生年金保険 新規加入に必要な書類一覧」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「適用事業所と被保険者」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

次にすること

まず法人・個人事業所の区分、役員報酬、従業員数と業種を整理し、強制適用かを確認してください。次に、公式の新規適用届と記入例を開き、登記簿謄本などの添付書類と、対象者全員の資格取得届をそろえて5日以内に提出します。

新規適用届と同時に提出する資格取得届を確認する従業員採用時の社会保険資格取得届|5日以内・必要書類・提出方法適用後に毎年行う算定基礎届を確認する算定基礎届の書き方|対象者・7月10日・4〜6月の報酬賞与を支給するときの社会保険手続きを確認する賞与支払届の書き方と提出方法|5日以内・対象者・電子申請