従業員が育児休業等を取得・延長するときは、事業主が「育児休業等取得者申出書」を育児休業等の期間中または終了日から1か月以内に日本年金機構へ提出します。通常の添付書類は不要で、電子申請・郵送・窓口提出が可能です。

育児休業等取得者申出書の手続き概要

育児休業等期間中の健康保険・厚生年金保険料免除に必要な手続きを整理します。
確認項目内容
提出者育児休業等を取得する被保険者から申出を受けた事業主
届書健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届
提出時期育児休業等の期間中または終了日から起算して1か月以内
提出先日本年金機構の事務センターまたは事業所を管轄する年金事務所
提出方法電子申請、郵送、年金事務所の窓口持参
添付書類通常は不要。終了日から1か月を過ぎた場合は理由書と休業の事実を確認できる書類が必要
免除される負担要件を満たす期間の被保険者負担分と事業主負担分の健康保険・厚生年金保険料
出典:日本年金機構「従業員が育児休業等を取得・延長したときの手続き」「ケース6-4詳細説明」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

申出書の対象となる育児休業等

保険料免除の対象は、育児・介護休業法に基づく満3歳未満の子を養育するための育児休業等です。被保険者が対象となる休業を取得するたびに、事業主が申出書を提出します。

日本年金機構が申出書の対象として案内している主な育児休業等です。

  • 1歳未満の子を養育するための育児休業
  • 保育所に入れないなどの事情がある場合の、1歳6か月までの育児休業
  • 保育所に入れないなどの事情がある場合の、2歳までの育児休業
  • 法定の育児休業に準じ、3歳までの子を養育するために事業所が設ける休業
  • 産後休業をしていない労働者が、子の出生後8週間以内に4週間まで、2回に分けて取得できる出生時育児休業(産後パパ育休)

月額保険料と賞与保険料の免除要件

毎月の報酬にかかる保険料と、賞与にかかる保険料では免除要件が異なります。
区分免除要件確認点
毎月の報酬にかかる保険料原則として、育児休業等を開始した月から、終了日の翌日が属する月の前月まで免除被保険者負担分と事業主負担分の両方が免除されます。
開始日と終了日の翌日が同じ月の場合その月に14日以上の育児休業等を取得すれば、開始月の月額保険料を免除2022年10月1日以降に開始した育児休業等に適用されます。
同月内に複数回取得する場合同じ月の育児休業等の日数を合算して14日以上かを確認同月内の最初の開始日、最後の終了予定日、各回の内訳を届書へ記入します。
賞与にかかる保険料賞与月の末日を含み、連続した1か月を超える育児休業等を取得した場合に免除月額保険料の14日要件とは別です。2022年10月1日以降に開始した育児休業等に適用されます。
出典:日本年金機構「6-4:育児休業等を取得し、保険料の免除を受けようとするとき」、同ページの記入例・免除要件改正資料(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

届書を作成する前に確認する情報

従業員からの育児休業申出書や人事記録と照合し、次の情報をそろえます。

  • 事業所整理記号、事業所所在地、事業所名称、事業主氏名、電話番号
  • 被保険者整理番号
  • 被保険者のマイナンバーまたは基礎年金番号
  • 被保険者の氏名、生年月日、性別
  • 養育する子の氏名、生年月日、実子か実子以外か
  • 実子以外の場合の養育開始年月日
  • 育児休業等の開始年月日と終了予定年月日
  • 開始日と終了予定日の翌日が同月の場合の育児休業等取得日数・就業予定日数
  • 同月内に複数回取得する場合の各回の開始日・終了日・取得日数・就業予定日数
  • パパママ育休プラスに該当するか

申出書の主な欄の書き方

日本年金機構の現行記入例に基づく主要項目の確認方法です。
記入内容注意点
提出年月日事業主が日本年金機構へ提出する日従業員が会社へ育児休業を申し出た日ではありません。
事業所整理記号・事業所情報事業所整理記号、所在地、名称、事業主氏名、電話番号事業所整理記号と被保険者整理番号を混同しないでください。
被保険者整理番号・個人番号等被保険者整理番号とマイナンバーまたは基礎年金番号マイナンバーカードや基礎年金番号通知書等で確認します。
養育する子氏名、生年月日、実子・実子以外の区分実子以外の場合は養育開始年月日も記入します。
育児休業等開始年月日被保険者が養育のために休業を開始する日女性が実子を出産した場合、原則として産後休業終了後が育児休業の開始です。
育児休業等終了予定年月日育児休業等の最終予定日届書は終了予定日の翌日ではなく、育児休業等を取得する期間の最終日を記入します。
取得日数・就業予定日数開始日と終了予定日の翌日が同月の場合に記入同月内に複数回取得する場合は合計と各回の内訳を記入します。
延長欄終了予定日を延長する場合の変更後の日付共通記載欄に当初の申出内容も記入します。
終了欄予定より早く育児休業等を終了した場合の実際の終了日予定どおり終了した場合は、終了届の提出は不要です。
出典:日本年金機構「育児休業等取得者申出書(新たに取得する場合の記入例)」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

育児休業等取得者申出書を提出する手順

従業員から育児休業等の開始日、終了予定日、養育する子の情報を受け取り、対象となる育児休業等かを確認します。産後パパ育休を分割取得する場合や休業中に就業予定がある場合は、その日程も確認してください。

育児休業等の開始月、終了日の翌日が属する月、同月内14日以上の要件、賞与月の末日と連続1か月超の要件を確認し、免除対象となる月を整理します。

日本年金機構の公式ページから、現行の「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」と記入例を取得します。過去に保存した旧様式をそのまま使わないでください。

事業所情報、被保険者情報、子の情報、育児休業等の開始日・終了予定日を記入します。同月内の短期・分割取得では、取得日数、就業予定日数、各回の内訳を漏れなく記入します。

育児休業等の期間中または終了日から1か月以内に、電子申請、郵送、窓口持参のいずれかで事務センターまたは管轄年金事務所へ提出します。通常の添付書類は不要です。

提出後は受付結果や返戻の有無を確認し、保険料計算と給与控除へ反映します。申出内容を延長する場合や予定より早く終了する場合は、同じ届書の該当欄を使って追加の手続きを行います。

出典:日本年金機構「従業員が育児休業等を取得・延長したときの手続き」「事業所向けオンラインサービス」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

電子申請・郵送・窓口提出の違い

事業所の申請環境に合わせて提出方法を選びます。
提出方法主な使い方確認点
e-Gov対象者が少ない場合や、幅広い届書をオンライン提出する場合アカウント、認証方法、申請状況と返戻の確認方法を準備します。
届書作成プログラム日本年金機構の無料プログラムで主要届書を作成・申請する場合最新版、対応届書、仕様チェック結果を確認します。
対応する労務管理ソフト従業員情報を利用して複数の社会保険届書を処理する場合利用ソフトの対応状況と返戻データの確認方法を確認します。
郵送紙の届書を事務センターまたは管轄先へ送る場合現行様式、送付先、控え、郵送日数を確認します。
窓口持参紙の届書を管轄年金事務所へ持参する場合事務センターではなく、窓口持参が可能な管轄年金事務所を確認します。

提出が終了日から1か月を過ぎた場合

育児休業等終了日から1か月を過ぎても、申出書が不要になるわけではありません。日本年金機構のケース6-4詳細説明では、期限後の提出には理由書と、被保険者が実際に休業していたことを確認できる出勤簿・賃金台帳等の添付が必要と案内されています。

出典:日本年金機構「ケース6-4詳細説明」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

延長・予定より早い終了・予定どおり終了の違い

当初の育児休業等の予定が変わった場合の届出を区別します。
状況手続き
終了予定日を延長する申出書の共通記載欄と延長欄へ記入し、延長の申出を行います。育児休業等を取得するたびに手続きが必要です。
予定より早く復職する育児休業等取得者終了届として、共通記載欄と終了欄へ実際の終了日を記入して提出します。
養育する子が死亡したため予定より早く終了する育児休業等取得者終了届の対象です。
予定どおりの終了日に終了する育児休業等取得者終了届は不要です。
育児休業等終了予定日以前に別の子の産前産後休業を開始する産前産後休業取得者申出書を提出した場合は、育児休業等取得者終了届が不要となる扱いがあります。個別日程を公式案内で確認します。
出典:日本年金機構「従業員の育児休業等が終了したときの手続き」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

提出前に確認したい間違いやすい点

届書の返戻や保険料計算の誤りを防ぐため、次の点を確認します。

  • 従業員が会社へ申し出ただけで、日本年金機構への申出が完了したと思わない
  • 被保険者整理番号と事業所整理記号を混同しない
  • 育児休業等の終了予定年月日に、終了日の翌日を記入しない
  • 同月内の短期取得で、取得日数と就業予定日数を記入し忘れない
  • 同月内の分割取得で、最初の開始日・最後の終了予定日と各回の内訳を記入し忘れない
  • 月額保険料の14日要件と、賞与保険料の連続1か月超要件を混同しない
  • 終了予定日を延長したのに当初の申出だけで処理しない
  • 予定より早く復職したのに終了届を提出し忘れない
  • 終了日から1か月を過ぎた提出で理由書・出勤簿・賃金台帳等を添付し忘れない

提出前チェックリスト

育児休業等取得者申出書を期限内に提出するための確認項目です。

  • 育児休業等の開始日と終了予定日を従業員の申出書で確認した
  • 育児・介護休業法に基づく対象となる育児休業等か確認した
  • 被保険者整理番号とマイナンバーまたは基礎年金番号を確認した
  • 子の氏名、生年月日、実子・実子以外の区分を確認した
  • 同月内14日以上の要件と取得日数を確認した
  • 産後パパ育休中の就業予定日数を確認した
  • 同月内に複数回取得する場合の各回の内訳を確認した
  • 賞与月の末日と連続1か月超の要件を確認した
  • 現行様式と記入例を日本年金機構の公式ページから取得した
  • 育児休業等の期間中または終了日から1か月以内の提出日を決めた
  • 電子申請、郵送、窓口の提出先と方法を確認した
  • 提出後の返戻確認と給与・社会保険料処理の担当者を決めた

よくある質問

育児休業を取る従業員本人が年金事務所へ提出しますか?

いいえ。従業員は事業主へ育児休業等の取得を申し出、事業主が育児休業等取得者申出書を事務センターまたは管轄年金事務所へ提出します。

申出書は育児休業が始まる前に提出しなければなりませんか?

開始前だけに限られません。日本年金機構は、育児休業等の期間中または育児休業等終了日から起算して1か月以内の提出を案内しています。実務上は保険料処理に間に合うよう、日程が確定したら早めに提出してください。

同じ月の中で14日だけ育児休業を取る場合も保険料免除になりますか?

2022年10月1日以降に開始した育児休業等では、開始日と終了日の翌日が同月でも、その月に14日以上の育児休業等を取得すれば月額保険料の免除対象です。休業期間中の休日は含みますが、出生時育児休業中の就業日は取得日数から除きます。

月末に育児休業中なら賞与の社会保険料も必ず免除されますか?

必ずではありません。2022年10月1日以降に開始した育児休業等では、賞与月の末日を含むことに加え、連続した育児休業等の期間が1か月を超える必要があります。月額保険料の14日要件とは別に判定します。

申出書に出勤簿や賃金台帳を添付しますか?

通常は添付不要です。ただし、育児休業等終了日から1か月を過ぎて提出する場合は、理由書と、休業の事実を確認できる出勤簿・賃金台帳等を添付します。

育児休業が終わったら必ず終了届を出しますか?

いいえ。当初の終了予定日どおりに終了した場合は、育児休業等取得者終了届は不要です。予定より早く復職した場合などは終了届を提出します。

公式情報と確認日

日本年金機構「6-4:育児休業等を取得し、保険料の免除を受けようとするとき」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「従業員が育児休業等を取得・延長したときの手続き」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「ケース6-4詳細説明」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「従業員の育児休業等が終了したときの手続き」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

次にすること

従業員から育児休業等の申出を受けたら、開始日・終了予定日、子の情報、同月内の取得日数と就業予定日数を確定してください。日本年金機構の現行様式と記入例を開き、育児休業等の期間中または終了日から1か月以内に提出します。育児休業中に賞与を支給する場合や、復職後に通常の随時改定を確認する場合は関連記事も参照してください。

育児休業中に賞与を支給する場合の届出を確認する賞与支払届の書き方と提出方法|5日以内・対象者・電子申請復職後の通常の随時改定との違いを確認する社会保険の月額変更届の書き方|対象条件・3か月・4か月目改定