令和8年分の月額表は、①社会保険料等控除後の給与額、②扶養控除等申告書の提出有無、③扶養親族等の数の順に確認します。申告書ありは甲欄、なしは乙欄です。

令和8年分源泉徴収税額表の概要

令和8年分源泉徴収税額表を使う前に、対象年分と月額表の基準を整理します。
確認項目内容
対象令和8年分(2026年分)の給与等
税額に含まれるもの所得税と復興特別所得税の合計額
月額表の主な対象月ごと、半月ごと、10日ごと、または月の整数倍の期間ごとに支払う給与
表へ当てはめる金額総支給額ではなく、その月の給与から社会保険料等を控除した後の金額
甲欄・乙欄扶養控除等申告書の提出がある人は甲欄、その他の人は乙欄
年末調整との関係月々の源泉徴収額を求める表です。年間の所得税は年末調整または確定申告で精算されます。
出典:国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」「給与所得の源泉徴収税額の求め方」(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認

給与の支給方法に合う税額表を選ぶ

給与の支給方法によって使用する表が異なります。
支給方法使用する表
月ごと・半月ごと・10日ごと・月の整数倍ごと月額表申告書ありは甲欄、その他は乙欄
毎日・週ごと・日割りで支払う給与(日雇賃金を除く)日額表申告書ありは甲欄、その他は乙欄
日雇賃金日額表丙欄
賞与賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表申告書ありは甲欄、その他は乙欄。一定の場合は月額表で計算
出典:国税庁「給与所得の源泉徴収税額の求め方」1 税額表の使用区分(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認

月額表で源泉徴収税額を確認する手順

給与の支払日と年分を確認し、令和8年分の給与には国税庁の「令和8年分 源泉徴収税額表」を用意します。前年分以前の税額表や、2027年1月から使う令和9年分の税額表を混在させないでください。

その月の給与支給額から、給与から控除する健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料等を差し引き、「社会保険料等控除後の給与等の金額」を求めます。通勤手当などの課税・非課税判定を含む給与支給額自体が正しいことも先に確認します。

従業員から令和8年分の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を受け取っているか確認します。提出がある給与は甲欄、提出がない給与は乙欄を使用します。雇用形態や勤務日数だけで甲欄・乙欄を決めないでください。

甲欄を使う場合は、扶養控除等申告書の内容から税額表上の「扶養親族等の数」を算定します。家族の人数をそのまま数えるのではなく、源泉控除対象配偶者、源泉控除対象親族、障害者等の加算ルールを反映します。

月額表で、社会保険料等控除後の給与額が入る「以上・未満」の行を探し、その行と甲欄の扶養親族等の数、または乙欄が交わる金額を確認します。「以上」はその金額を含み、「未満」は含みません。

出典:国税庁「給与所得の源泉徴収税額の求め方」2 税額表の使い方、月額表の使用例(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認

甲欄と乙欄の違い

甲欄・乙欄は扶養人数ではなく、扶養控除等申告書の提出有無で選びます。
区分使用する場合扶養親族等の数
甲欄その給与の支払者へ給与所得者の扶養控除等申告書を提出している0人から7人までの該当欄を使用。7人超は公式の控除方法を適用
乙欄その給与の支払者へ扶養控除等申告書を提出していない乙欄を使用。通常の扶養人数別の甲欄は使用しない
従たる給与の申告書がある場合通常は乙欄を基礎に、申告した扶養親族等の数に応じた公式の調整を確認月額表では扶養親族等1人ごとに1,610円を控除する取扱い
出典:国税庁「給与所得の源泉徴収税額の求め方」、国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認

扶養親族等の数を確認する方法

月額表の「扶養親族等の数」は、扶養控除等申告書に基づく源泉徴収用の人数です。生計を支える家族の総人数や、健康保険の被扶養者数とは一致しないことがあります。

令和8年分の甲欄で人数を確認するときの主な要素です。個別の該当可否は国税庁の定義と申告書で確認します。
確認項目税額表上の扱い
源泉控除対象配偶者要件を満たし、扶養控除等申告書へ正しく記載されている場合に人数へ含めます。
源泉控除対象親族控除対象扶養親族と、一定の特定親族を人数へ含めます。
本人が障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生該当する区分ごとに、国税庁の加算ルールを反映します。
同一生計配偶者・扶養親族が障害者等障害者・同居特別障害者等の加算ルールを反映します。
16歳未満の扶養親族通常は源泉控除対象親族として人数に含めません。ただし、障害者等に該当する場合の加算は別に確認します。
出典:国税庁「令和8年分源泉徴収税額表」19~20ページ、国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認

2026年12月1日以後の改正で確認すること

令和8年度税制改正は2026年12月の給与事務と年末調整に影響しますが、税額表の切替時期は別です。
時期給与計算・年末調整の取扱い
2026年11月30日以前に支払う給与令和8年分源泉徴収税額表と、改正前の扶養親族等の所得要件に基づいて計算します。
2026年12月1日以後に支払う給与扶養親族・同一生計配偶者等の所得要件が58万円以下から62万円以下へ変わります。給与収入だけの場合の目安は123万円以下から136万円以下です。新たに対象となる親族がいる場合は異動申告を受け、扶養親族等の数へ反映します。
2026年12月の年末調整引上げ後の基礎控除額と、改正後の年末調整用の給与所得控除後の給与等の金額の表を使い、1年間の税額と月々の徴収税額を精算します。
2027年1月1日以後に支払うべき給与令和9年分源泉徴収税額表へ切り替えます。
出典:国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」Q1-1・Q2-1・Q3-1・Q4-1(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認

国税庁の公式例:月額表の甲欄

扶養控除等申告書の提出がある人について、国税庁が示す月額表甲欄の計算例です。
項目金額・条件
給与等の支給額420,000円
社会保険料等63,400円
社会保険料等控除後の給与額356,600円
扶養親族等の数2人
使用する行356,000円以上359,000円未満
源泉徴収税額甲欄・2人の7,020円

計算は420,000円から63,400円を差し引いて356,600円とし、月額表の「356,000円以上359,000円未満」の行を探します。その行と甲欄の「扶養親族等の数2人」が交わる7,020円が源泉徴収税額です。

出典:国税庁「給与所得の源泉徴収税額の求め方」月額表甲欄の使用例(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認

国税庁の公式例:月額表の乙欄

扶養控除等申告書の提出がない人について、給与支給額80,750円、控除する社会保険料等なしの場合、社会保険料等控除後の給与額は80,750円です。令和8年分月額表の「105,000円未満」の乙欄は3.063%のため、80,750円×3.063%=2,473円(1円未満切捨て)が源泉徴収税額です。

出典:国税庁「給与所得の源泉徴収税額の求め方」月額表乙欄の使用例(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認

源泉徴収税額表で間違いやすい点

月額表を使うときは、次の誤りを避けてください。

  • 総支給額をそのまま表へ当てはめる:給与から控除する社会保険料等を差し引いた後の金額を使います。
  • 正社員は甲欄、パートは乙欄と決める:雇用形態ではなく扶養控除等申告書の提出有無で決めます。
  • 扶養親族が0人なので乙欄を使う:申告書が提出されていれば甲欄の0人です。
  • 家族全員を扶養親族等の数に入れる:税額表上の源泉控除対象配偶者・源泉控除対象親族と加算ルールで算定します。
  • 年の途中で申告内容が変わっても前の人数を使い続ける:異動申告を受け、次の給与計算へ反映します。
  • 2026年12月から令和9年分税額表へ切り替える:切替は2027年1月1日以後に支払うべき給与からです。
  • 月額表で求めた税額を年間の確定税額とみなす:年末調整または確定申告で1年間の税額を精算します。
  • 賞与を通常の月給と同じ月額表で計算する:原則として賞与の算出率表を使用し、例外条件を確認します。

給与計算前のチェックリスト

令和8年分の月額表を使う前に確認する項目です。

  • 給与の支払日と使用する税額表の年分が一致している
  • 給与の支給方法に月額表を使う条件が合っている
  • 課税対象となる給与支給額を確認した
  • 給与から控除する社会保険料等を確認した
  • 扶養控除等申告書の提出有無を確認した
  • 甲欄の場合は扶養親族等の数を申告書から確認した
  • 年の途中の扶養・障害・寡婦・ひとり親・勤労学生等の異動を反映した
  • 2026年12月1日以後は所得要件改正による異動申告を確認した
  • 以上・未満の境界を取り違えていない
  • 計算結果を給与台帳・源泉徴収簿等へ記録した

よくある質問

扶養親族が0人なら乙欄ですか?

いいえ。甲欄・乙欄は扶養人数ではなく、給与所得者の扶養控除等申告書の提出有無で決まります。提出ありなら甲欄の0人、提出なしなら乙欄です。

パート・アルバイトは乙欄を使いますか?

一律に乙欄ではありません。扶養控除等申告書を提出している給与は甲欄、提出していない給与は乙欄です。2か所以上から給与を受ける場合は、申告書を提出できる給与支払者が原則1か所である点も確認してください。

2026年12月の給与は令和9年分税額表を使いますか?

使いません。2026年12月1日以後は扶養親族等の所得要件改正を反映しますが、税額表自体は令和8年分を使用します。令和9年分への切替は2027年1月1日以後です。

月額表の税額がその年の最終的な所得税ですか?

いいえ。月額表は毎月の給与から差し引く源泉徴収額を求める表です。令和8年分は12月の年末調整で令和8年度税制改正後の控除等を反映し、月々の徴収額との差額を精算します。

公式情報と確認日

国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認国税庁「給与所得の源泉徴収税額の求め方(令和8年分源泉徴収税額表19~22ページ)」(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」(確認日:2026年7月27日)国税庁・2026-07-27確認

次にすること

給与計算を始める前に、令和8年分月額表、従業員の扶養控除等申告書、当月の社会保険料等をそろえてください。2026年12月の給与計算では、改正により新たに扶養親族等の対象となる親族がいないかを確認し、必要な異動申告を受けた上で令和8年分の税額表へ反映します。個別の扶養判定や国外居住親族など判断が難しい場合は、国税庁の電話相談センターまたは所轄税務署へ確認してください。

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