退職後すぐに新しい勤務先の健康保険へ入らない場合は、退職前の健康保険の任意継続、住所地の国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者を比較します。期限が短いため、退職前から条件と保険料を確認してください。

退職後の健康保険は4つの順番で確認する

退職日の翌日以降に医療保険の空白が生じないよう、次の順番で加入先を確認します。

  1. 次の勤務先の健康保険に入る日を確認する:退職日の翌日から加入する場合は、新しい勤務先が資格取得手続きを行います。
  2. 家族の健康保険の被扶養者になれるか確認する:収入、生計維持、国内居住などの条件を家族の勤務先と加入先保険者へ確認します。
  3. 退職前の健康保険を任意継続できるか確認する:協会けんぽでは継続2か月以上の加入期間と20日以内の申請が条件です。
  4. 上記に入らない場合は国民健康保険を確認する:住所地の市区町村で加入手続きと保険料の概算を確認します。

全国健康保険協会は、退職後の健康保険として「健康保険任意継続」「国民健康保険」「家族の健康保険(被扶養者)」の3つを挙げ、毎月の保険料などを比較して手続きするよう案内しています。再就職先の健康保険へ直ちに入る方は、新しい勤務先で加入日を確認します。

出典:全国健康保険協会「任意継続|給付と手続き|協会けんぽ」(確認日:2026年7月27日)全国健康保険協会・2026-07-27確認

任意継続・国民健康保険・家族の扶養の違い

退職後に比較する3つの加入先について、主な条件、期限、手続き先、保険料の考え方を整理します。
選択肢主な条件期限・手続き先保険料の考え方
任意継続(協会けんぽ)資格喪失日の前日までに被保険者期間が継続2か月以上あること資格喪失日から20日以内。住所地を管轄する協会けんぽ支部または電子申請退職時の標準報酬月額と住所地の保険料率で計算し、退職後は本人が全額負担します。上限があります。
国民健康保険勤務先の健康保険、家族の扶養、任意継続など他の医療保険に入らないこと原則として資格喪失日から14日以内。住所地の市区町村保険料は自治体ごとの計算です。前年所得、加入者数、年齢などが影響し、軽減・減免制度がある場合があります。
家族の健康保険の被扶養者加入先保険者の収入・生計維持・国内居住などの条件を満たすこと家族の勤務先へ連絡。協会けんぽの届出は事実発生から5日以内被扶養者本人の保険料負担はありません。ただし、加入可否と認定日は保険者が判断します。

家族の健康保険の扶養に入れるか確認する

家族が勤務先の健康保険に加入している場合は、被扶養者になれるかを最初に確認します。協会けんぽの一般的な収入要件は、今後1年間の見込み収入が130万円未満です。60歳以上または一定の障害者は180万円未満、19歳以上23歳未満の配偶者以外の親族は150万円未満となる場合があります。収入だけでなく、生計維持や同居・仕送りの条件も確認されます。

退職した方が扶養を確認するときの主なポイントです。

  • 前年の年収ではなく、認定時点から先の見込み収入で確認します。
  • 失業手当、公的年金、傷病手当金、出産手当金なども収入に含まれます。
  • 雇用保険の待期中でも収入要件を満たせば認定される場合があります。
  • 基本手当日額が3,612円以上で支給が始まる場合は、協会けんぽでは扶養から外す届出が必要です。
  • 退職証明書、離職票、雇用保険受給資格者証など、現在と今後の収入を確認する書類が必要になる場合があります。
出典:日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」(更新日:2026年7月13日、確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認

任意継続は20日期限と保険料を確認する

協会けんぽの任意継続は、退職前までの健康保険の被保険者期間が継続2か月以上あり、資格喪失日から20日以内に申請する方が対象です。郵送は20日以内に支部へ到着する必要があります。加入期間は最長2年間ですが、再就職、保険料未納、本人の資格喪失申出などにより途中で終了する場合があります。

任意継続を選ぶ前に、次の内容を退職前の保険者へ確認します。

  • 任意継続の加入条件と申請期限
  • 退職日の翌日からの月額保険料
  • 40歳以上65歳未満の場合の介護保険料
  • 家族を被扶養者として継続・追加する条件と書類
  • 健康保険組合等の場合の付加給付、申請方法、資格喪失条件

協会けんぽの保険料は、退職時の標準報酬月額に住所地の都道府県別保険料率を掛けて計算し、在職中に事業主が負担していた分も本人が負担します。2026年7月27日時点では、計算に使う標準報酬月額の上限は32万円です。転居や料率改定などで金額が変わる場合があります。

出典:全国健康保険協会「任意継続の加入条件について」「保険料について」(確認日:2026年7月27日)全国健康保険協会・2026-07-27確認

国民健康保険は住所地の保険料と軽減制度を確認する

厚生労働省は、市町村国保を、被用者保険や後期高齢者医療制度など他の医療保険に加入していない住民を対象とする制度と案内しています。退職後に新しい勤務先の健康保険、任意継続、家族の扶養のいずれにも入らない場合は、住所地の市区町村へ加入手続きと保険料を確認します。

国民健康保険料を試算するときの主な確認項目です。

  • 前年の所得:退職後の現在収入が少なくても、前年所得が計算に影響する場合があります。
  • 加入者数と年齢:自治体の計算式に人数別の負担や介護分が含まれる場合があります。
  • 住所地:料率、計算方法、納期、試算方法は自治体により異なります。
  • 退職理由:倒産・解雇等による離職者の軽減や、所得減少時の減免が用意されている場合があります。
  • 加入月:年度途中の加入は、資格取得月から月割計算されるのが基本です。
出典:厚生労働省「国民健康保険制度」、札幌市「国保加入の届け出」「保険料の計算」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省・札幌市・2026-07-27確認

任意継続と国民健康保険を比較する4ステップ

退職日、新しい勤務先の入社日、退職前の健康保険の資格喪失日を確認します。退職による資格喪失日は通常、退職日の翌日です。

退職前の保険者へ、任意継続の加入条件、申請期限、本人と家族を含む月額保険料を確認します。協会けんぽ以外は、健康保険組合・共済組合の案内を使用します。

住所地の市区町村へ、国民健康保険料の概算、計算に必要な前年所得と世帯情報、軽減・減免制度、加入期限を確認します。

家族の勤務先へ被扶養者の認定条件と認定予定日を確認し、3つの加入先を同じ期間・同じ家族構成で比較して、各期限までに手続きします。

問い合わせ前に手元へ用意すると確認しやすい情報です。

  • 退職日と健康保険資格喪失日
  • 退職前の健康保険の保険者名と被保険者情報
  • 退職時の標準報酬月額または資格情報のお知らせ
  • 前年所得が分かる源泉徴収票や確定申告書の控え
  • 国民健康保険へ入る可能性がある家族の人数と年齢
  • 家族の勤務先と健康保険の加入先
  • 失業手当の受給予定、基本手当日額、支給開始予定日
  • 倒産・解雇等に該当する場合の雇用保険受給資格者証または受給資格通知

状況別にどの加入先を確認するか

個別の加入可否や保険料は各保険者が判断しますが、最初の確認先は次のように整理できます。
退職後の状況最初に確認すること
退職日の翌日から新しい勤務先の健康保険に入る新しい勤務先へ資格取得日を確認します。任意継続や国保を重ねて申し込まないようにします。
配偶者など家族が勤務先の健康保険に入っている家族の勤務先へ、被扶養者の条件、認定日、必要書類を確認します。
扶養に入れず、退職前の健康保険が協会けんぽ任意継続の20日期限と保険料を確認し、住所地の国保保険料と比較します。
家族が多い任意継続側の被扶養者条件と、国保側の加入者数を反映した保険料を同じ家族構成で比較します。
失業手当を受ける予定がある基本手当日額と支給開始日を家族の勤務先へ伝え、扶養認定への影響を確認します。
倒産・解雇等で離職した住所地の市区町村へ国民健康保険料の軽減対象になるか確認します。

健康保険を決めた後に確認すること

加入手続き後は、次の項目を確認します。

  • 新しい健康保険の資格取得日が、退職前の資格喪失日とつながっている
  • 退職前のマイナ保険証の資格情報や資格確認書を、資格喪失後に使用していない
  • 新しい資格情報がマイナポータル等へ反映されたか確認する方法
  • 資格確認書または資格情報のお知らせが交付されるか
  • 加入手続き中に受診する場合の資格確認方法
  • 20歳以上60歳未満の場合、国民年金第1号または第3号の手続きが必要か

よくある質問

任意継続と国民健康保険はどちらが安いですか?

退職時の標準報酬月額、住所地の料率、前年所得、家族人数、年齢、軽減制度で変わります。退職前の保険者から任意継続の月額を、住所地の市区町村から国保の概算を取得し、同じ期間と家族構成で比較してください。

失業手当を受けると家族の健康保険の扶養に入れませんか?

協会けんぽでは、待期中でも収入要件を満たせば認定される場合があります。一方、基本手当日額が3,612円以上で支給が始まると、原則として扶養から外す届出が必要です。加入先保険者へ受給予定を伝えて確認してください。

会社を退職すれば国民健康保険へ自動で切り替わりますか?

自動ではありません。次の勤務先の健康保険、家族の扶養、任意継続のいずれにも入らない場合は、住所地の市区町村で国民健康保険の加入手続きを行います。

いったん国民健康保険へ入り、後から任意継続に変更できますか?

任意継続を選ぶ可能性がある場合は、20日期限内に退職前の保険者へ確認してください。期限内に任意継続へ加入し、国保との資格期間が重なる場合は、住所地の市区町村へ国保の脱退手続きと保険料精算を確認します。

公式情報と確認日

全国健康保険協会「任意継続|給付と手続き|協会けんぽ」(確認日:2026年7月27日)全国健康保険協会・2026-07-27確認全国健康保険協会「任意継続の加入条件について」「保険料について」(確認日:2026年7月27日)全国健康保険協会・2026-07-27確認日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」(更新日:2026年7月13日、確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認厚生労働省「国民健康保険制度」(確認日:2026年7月27日)厚生労働省・2026-07-27確認札幌市「国保加入の届け出」(更新日:2026年4月1日、確認日:2026年7月27日)札幌市・2026-07-27確認札幌市「保険料の計算」(更新日:2026年7月1日、確認日:2026年7月27日)札幌市・2026-07-27確認

次にすること

退職日が決まったら、まず新しい勤務先の健康保険の加入日を確認します。空白期間がある場合は、退職前の保険者へ任意継続の保険料、住所地の市区町村へ国保の概算、家族の勤務先へ扶養条件を同時に問い合わせ、最も早い期限に間に合うよう手続きを進めてください。

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