国民年金の学生納付特例は、本人の前年所得が基準以下の学生が、申請により4月から翌年3月までの保険料納付を猶予される制度です。学生証等を用意し、マイナポータル・窓口・郵送で申請します。
学生納付特例の概要
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な対象 | 大学院・大学・短期大学・高校・高等専門学校・特別支援学校・専修学校・対象となる各種学校等に在学する学生 |
| 所得審査 | 申請者本人の前年所得。家族の所得は審査されません |
| 所得基準 | 128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等 |
| 1年度の期間 | 4月から翌年3月まで |
| 令和8年度分 | 2026年4月から2027年3月まで。2025年中の本人所得で審査 |
| 申請可能な過去期間 | 保険料の納付期限から2年を経過していない期間。申請時点から2年1か月前まで |
| 提出方法 | マイナポータル、市区町村窓口、年金事務所、郵送、指定を受けた学校等 |
| 承認期間の扱い | 老齢基礎年金の受給資格期間には含まれますが、追納しない限り年金額には反映されません |
対象になる学生と所得基準
対象になるのは、学生納付特例を受けようとする年度の前年所得が基準以下で、対象校に在学する方です。所得審査は申請者本人について行われ、親・世帯主・配偶者など家族の所得の多寡は問いません。
本人の所得基準は「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」です。給与収入だけでなく、事業所得やほかの所得がある場合も、最終的には所得額で審査されます。前年所得について確定申告、年末調整、市区町村民税の申告が行われていない場合は、市区町村の税務担当窓口で申告してから申請します。
| 区分 | 対象の考え方 |
|---|---|
| 大学・大学院・短期大学 | 対象に含まれます |
| 高等学校・高等専門学校・特別支援学校 | 対象に含まれます |
| 専修学校 | 対象に含まれます |
| 各種学校 | 修業年限が1年以上の課程。私立は都道府県知事の認可を受けた学校に限ります |
| 夜間・定時制・通信課程 | 対象校の課程であれば対象に含まれます |
| 海外大学の日本分校等 | 文部科学大臣が個別に指定した課程が対象です |
申請に必要な書類
| 区分 | 用意するもの |
|---|---|
| 申請書 | 国民年金保険料学生納付特例申請書 |
| 在学確認 | 在学期間が分かる在学証明書の原本、または学生証の写し |
| 学生証の裏面 | 有効期限、学年、入学年月日の記載がある場合は裏面の写しも添付 |
| 基礎年金番号で手続き | 基礎年金番号通知書、年金手帳など基礎年金番号が分かる書類 |
| マイナンバーで手続き | マイナンバーカード。カードがない場合は個人番号確認書類と身元確認書類 |
| 退職・失業した方 | 雇用保険受給者証、雇用保険受給資格通知、雇用保険被保険者離職票等の写し |
| 複数年度分 | 申請する年度ごとに申請書を1枚ずつ用意 |
学生証にクレジットカード番号が掲載されている場合は、番号部分を黒塗りするなどのマスキングが可能です。マイナンバーを記入した申請書を郵送するときは、その都度、本人確認書類の写しを添付します。
出典:日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」「ケース12:国民年金保険料の納付猶予を受けるとき(学生の方)」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認学生納付特例を申請する手順
現在の国民年金加入状況を確認します。20歳になった方や、退職して厚生年金から国民年金第1号被保険者へ変わる方は、加入手続きも必要か確認してください。
申請する年度と在学期間を確認します。学生納付特例の1年度は4月から翌年3月までで、複数年度分は年度ごとに申請します。
学生証の写しまたは在学証明書、基礎年金番号またはマイナンバーの確認書類を用意します。退職・失業の特例を使う場合は離職票等も準備します。
マイナポータル、住民登録のある市区町村、年金事務所、郵送、指定を受けた学校等から提出方法を選び、申請します。
申請後は審査結果を確認します。マイナポータルで電子申請した場合は申請状況照会で受付状況と審査結果を確認できます。
マイナポータルで電子申請する方法
電子申請を始める前に準備するものです。
- マイナンバーカード
- 利用者証明用電子証明書パスワード(数字4桁)
- 券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)
- マイナンバーカードを読み取れるスマートフォンなど
- 学生証等を添付する場合はJPEGまたはPDF形式のデータ
- 退職・失業の特例を使う場合は離職票等のJPEGまたはPDF
マイナポータルでは次の流れで申請します。
- マイナポータルへログインし、トップ画面の「年金」を選びます。
- 「国民年金に加入する方・加入中の方の手続き」を選びます。
- 「保険料の免除・納付猶予、または学生納付特例」を選びます。
- 「学生である」を選び、すでに加入済みなら「国民年金に加入中」を選びます。加入も必要な方は画面の質問に沿って該当する状況を選びます。
- 券面事項入力補助用暗証番号を入力し、マイナンバーカードを読み取ります。
- 申請年度、学校名、在学期間、前年所得に関する内容等を入力し、必要な書類を添付します。
- 入力内容と個人情報の取扱いを確認して送信します。申請後は申請状況照会で結果を確認します。
窓口・郵送・学校経由で申請する方法
紙で申請する場合は、日本年金機構の現行様式「国民年金保険料学生納付特例申請書」を使用します。住民登録のある市区役所・町村役場の国民年金担当窓口、または最寄りの年金事務所へ提出できます。必要書類をそろえれば郵送も可能です。
在学中の学校等が学生納付特例事務法人の指定を受けている場合は、学校を通じて申請できます。学校ごとの受付時期や提出場所は、学生窓口等の案内で確認してください。
紙申請では次の点を確認してから提出します。
- 申請年度を確認し、複数年度分は年度ごとに申請書を用意する
- 在学証明書の原本または学生証の表裏の写しを用意する
- マイナンバーを記入して郵送する場合は本人確認書類の写しを添える
- 郵送先は市区町村の国民年金担当または年金事務所へ事前に確認する
- 学校経由の場合は対象校一覧の事務法人指定状況と学校の受付案内を確認する
申請期間と年度の注意点
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 学生納付特例の年度 | 4月から翌年3月まで |
| 令和8年度分 | 2026年4月から2027年3月まで。2025年中の本人所得で審査 |
| 遡及できる期間 | 保険料の納付期限から2年を経過していない期間。申請時点から2年1か月前まで |
| 複数年度分 | 年度ごとに申請書または電子申請が必要 |
| 申請が遅れた場合 | 遡及できる月が減り、申請前に生じた障害等で障害基礎年金を受けられない場合があります |
| 年度途中で退学した場合 | 学生納付特例不該当届を提出します |
承認後の年金記録と追納
| 区分 | 受給資格期間 | 老齢基礎年金額への反映 |
|---|---|---|
| 保険料を納付 | 含まれます | 反映されます |
| 学生納付特例の承認期間 | 含まれます | 追納しない限り反映されません |
| 未納期間 | 含まれません | 反映されません |
学生納付特例の承認期間は、老齢基礎年金を受け取るための受給資格期間には含まれます。また、一定の要件を満たす場合、障害基礎年金・遺族基礎年金の納付要件にも算入されます。ただし、老齢基礎年金額には自動で反映されません。
承認された期間は10年以内であれば追納できます。承認期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納する場合は、当時の保険料に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。追納は自動ではないため、希望する場合は年金事務所へ申し出ます。
出典:日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」「国民年金保険料の追納制度」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認申請前チェックリスト
提出前に確認する項目です。
- 国民年金への加入手続きが済んでいるか確認した
- 申請する年度と在学期間を確認した
- 学校が学生納付特例の対象校か確認した
- 本人の前年所得が基準以下か確認した
- 学生証の表裏の写しまたは在学証明書を用意した
- 基礎年金番号またはマイナンバーの確認書類を用意した
- マイナポータル・窓口・郵送・学校経由の提出方法を決めた
- 複数年度分がある場合は年度ごとに申請する準備をした
- 前年所得について税の申告が済んでいるか確認した
- 承認期間は追納しない限り年金額に反映されないことを確認した
よくある質問
親の収入が高くても学生納付特例を申請できますか?
申請できます。審査対象は申請者本人の前年所得です。親、世帯主、配偶者など家族の所得は学生納付特例の所得審査に含まれません。本人所得が基準以下かを確認してください。
学生納付特例は毎年申請が必要ですか?
原則として年度ごとに申請します。複数年度分を申請する場合は、年度ごとに申請書または電子申請が必要です。マイナポータルへ継続申請の案内が届いた場合は、その案内内容を確認してください。
申請を忘れていました。過去の年度も申請できますか?
申請できる可能性があります。月ごとに最終期限があり、遅れるほど申請可能な期間が短くなります。障害等が生じた後の遡及申請では納付要件に算入されない場合があるため、速やかに申請してください。
学生納付特例を追納しないとどうなりますか?
承認期間は老齢基礎年金の受給資格期間に含まれますが、年金額には反映されません。10年以内であれば追納でき、3年度目以降は加算額が上乗せされます。追納するかは家計状況と将来の年金額を踏まえて確認してください。
申請したのに国民年金の納付書が届いた場合はどうしますか?
加入手続きと学生納付特例を同時に提出した場合でも、処理時期により納付書が届くことがあります。申請状況と審査結果を確認し、不明な場合は年金事務所へ問い合わせてください。
年度の途中で退学・卒業した場合はどうしますか?
承認期間の途中で退学等により学生でなくなった場合は、学生納付特例不該当届を提出します。卒業後や退学後に保険料の納付が難しい場合は、一般の免除・納付猶予の対象を確認してください。
公式情報と確認日
日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「ケース12:国民年金保険料の納付猶予を受けるとき(学生の方)」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「電子申請(マイナポータル)」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「国民年金保険料の免除等の申請が可能な期間」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「学生納付特例対象校一覧」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」(確認日:2026年7月27日)日本年金機構・2026-07-27確認次にすること
まず、学生証または在学証明書で在学期間を確認し、申請する年度を決めてください。マイナンバーカードがある方はマイナポータル、紙で申請する方は市区町村・年金事務所・指定を受けた学校等の提出先を確認して、速やかに申請します。学生でなくなった後も納付が難しい場合は、一般の免除・納付猶予を確認してください。
学生でなくなった後の国民年金保険料免除・納付猶予を確認する失業した人の国民年金保険料免除・納付猶予|必要書類・申請方法出産予定がある第1号被保険者の産前産後免除を確認する国民年金の産前産後免除手続き|4か月・必要書類・オンライン申請